エネルギー安全保障

令和2年1月12日

 1月11日及び12日,アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビ及びドバイを訪問中の若宮健嗣外務副大臣は,国際再生可能エネルギー機関(IRENA: International Renewable Energy Agency)第10回総会に出席するとともに,ラ・カメラIRENA事務局長及び各国要人との会談,UAE政府要人との会談及び視察等を行ったところ,概要は以下のとおりです。

1 IRENA第10回総会への若宮外務副大臣の出席

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    国際再生可能エネルギー機関(IRENA)第10回総会全体写真
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    若宮外務副大臣のスピーチ

 IRENA第10回総会は1月11日から12日に開催され,150の国・地域,民間企業,市民社会から1,500名以上の参加がありました。議長はウガンダのアリ・キルンダ副首相が務めました。
 今次IRENA総会には,我が国代表として若宮外務副大臣が出席しました。若宮外務副大臣は,11日午前に行われたセッションにおいて,再生可能エネルギーの更なる普及拡大に向けた日本の方針や取組に関するスピーチ日本語(PDF)別ウィンドウで開く英語(PDF)別ウィンドウで開く)を行いました。
 同スピーチにおいては,まず,パリ協定の実施元年にあたり,日本が,「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」に基づき,脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいることを述べました。また,脱炭素社会の実現に不可欠な再生可能エネルギーの推進に向けたIRENAの取組を評価するとともに,日本としても再生可能エネルギーの主力電源化を掲げ,その導入を積極的に推進していることを述べました。
 その上で,若宮副大臣は,2030年頃から寿命を迎える太陽光パネル等が大量に廃棄される時代が到来することを問題提起しました。そして,再生可能エネルギーの長期的かつ安定的な普及促進のためには,その導入の加速化だけではなく,環境に配慮しつつ,将来的な廃棄の問題について今から考え,取り組むことが重要であることを訴えました。
 最後に,若宮副大臣は,今般のIRENA総会を契機に,国際社会がいかに将来的な廃棄の問題に対処していくべきか,考え方を共有する国々と協力しながら,今後,IRENA等の場で議論していきたい旨述べました。

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    ゼイユーディ・アラブ首長国連邦気候変動・環境大臣との立ち話
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    ファノン米国務省エネルギー資源担当次官補との立ち話

 また,若宮副大臣は,アル・ゼイユーディ・アラブ首長国連邦気候変動・環境大臣,ファノン国務省エネルギー資源担当次官補等と立ち話を行いました。

2 若宮外務副大臣とラ・カメラIRENA事務局長及びIRENA出席各国要人との会談

(1)フランチェスコ・ラ・カメラIRENA事務局長との会談

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    ラ・カメラIRENA事務局長との会談

 12日,若宮副大臣は,フランチェスコ・ラ・カメラIRENA事務局長(Mr. Francesco La Camera,Director-General of IRENA)と会談を行いました。
 若宮副大臣から,日本は東日本大震災後の困難なエネルギー事情を乗り越えて,太陽光・風力等の変動型再生可能エネルギーの発電容量を2010年から10倍に増加させたことを示しつつ,再生可能エネルギーの長期的かつ安定的な普及促進のため,将来的な再生可能エネルギー関連機器の大量廃棄の問題に対して取り組むべく,IRENAの場で議論を進めていきたい旨述べました。
 これに対し,ラ・カメラ事務局長から,これまでの日本からのIRENAに対する支援への感謝及び日本の再生可能エネルギーの積極的な導入に対する評価が示されました。また,日本が提起した将来的な問題に対してIRENAとして協力して取り組んでいきたい旨述べるところがありました。

(2)アリフィン・タスリフ・インドネシア共和国エネルギー鉱物資源大臣との会談

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    アリフィン・インドネシア共和国エネルギー鉱物資源大臣との会談

 11日,若宮副大臣は,アリフィン・インドネシア共和国エネルギー・鉱物資源大臣(H.E. Mr. Arifin Tasrif, Minister of Energy and Mineral Resources)と会談を行いました。
 若宮副大臣は,先般の茂木大臣のインドネシア訪問をはじめとする二国間関係の強化を歓迎しつつ,エネルギー分野における日・インドネシア間の協力の更なる進展を期待する旨述べるとともに,将来的な再生可能エネルギー関連機器の大量廃棄の問題に対して,再生可能エネルギーを急速に導入するインドネシアと共に議論と協力を進めていきたい旨述べました。
 これに対し,アリフィン・インドネシア共和国エネルギー・鉱物資源大臣から,二国間エネルギー協力の更なる推進への期待が示されるともに,将来的な再生可能エネルギー関連機器の大量廃棄の問題に関する日本の認識を共有し,今後再生可能エネルギーの安定的な普及に向けて,引き続き両国間で協力していきたい旨述べるところがありました。

3 UAE政府要人との会談

(1)ボワルディ・アラブ首長国連邦国防担当国務大臣との会談

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    ボワルディ・アラブ首長国連邦国防担当国務大臣との会談

 12日,若宮副大臣は,ボワルディ・アラブ首長国連邦国防担当国務大臣(H.E. Mr. Mohammed Ahmed Al Bowardi, Minister of State for Defense Affairs)と会談を行いました。
 若宮外務副大臣は,2018年4月に発表された包括的・戦略的パートナーシップ・イニシアティブ(CSPI)(PDF)別ウィンドウで開く」に基づき,日・UAE関係は,エネルギー分野に加え,政治・経済・教育・科学技術分野など包括的な分野での協力が深化しており,防衛分野も含め両国のパートナーシップが一層強化されることを期待する旨述べました。
 これに対し,ボワルディ大臣からは,若宮副大臣のUAE訪問を歓迎する,両国の協力関係が幅広い分野に拡大していることは喜ばしい,一層の関係強化に向け協力していきたい旨述べました。

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