エネルギー安全保障

平成30年4月9日
国際セミナー「再生可能エネルギー外交の時代と日本の進路」での講演
河野外務大臣表敬及び河野外務大臣主催夕食会
「エネルギーと女性」を語る意見交換会

 4月2日から8日まで,アドナン・ザヒール・アミン国際再生可能エネルギー機関(IRENA)事務局長(Mr. Adnan Zahir Amin,Director General,International Renewable Energy Agency)が外務省の閣僚級招へいにより訪日したところ,概要は以下のとおりです。

1 主な日程

(1)4月3日(火曜日)

  • 福島県訪問(福島再生可能エネルギー研究所訪問,福島県産食材を用いた昼食会,土湯温泉地熱バイナリー発電施設視察等)
  • 河野外務大臣表敬及び河野外務大臣主催夕食会

(2)4月4日(水曜日)

  • 再生可能エネルギー関連日本企業との意見交換会
  • 国際セミナー「再生可能エネルギー外交の時代と日本の進路」での講演等

(3)4月5日(木曜日)

  • 外務省主催「エネルギーと女性」と語る意見交換会
  • 関係省庁等との意見交換

2 主な成果

(1)福島県訪問

 3日,アミン事務局長は,福島県を訪問し,郡山市の産業技術総合研究所福島再生可能エネルギー研究所(FREA)及び福島市土湯温泉町にある地熱バイナリー発電を視察しました。今回の視察は,「福島新エネ社会構想」や「福島イノベーション・コースト構想」の下で,再生可能エネルギーの導入拡大,水素社会実現のモデル構築などを目指している福島での先進的な取組を世界に発信することを目的として実施されました。
 国内唯一の再エネに特化した公的研究所であるFREAにて,アミン事務局長は同研究所幹部の表敬を受けた後,同研究所内の太陽光発電,風力発電,水素,地熱・地中熱の利用に関する研究施設を視察し,最先端の技術・研究開発に関する説明を受けました。その後,FREA及び福島県関係者に向けたアミン事務局長の講演が行われました。アミン事務局長は,再エネ拡大においてイノベーションが不可欠である旨指摘し,日本は,再エネ関連技術での特許登録数で世界トップレベルであり,また,水素・洋上風力に関する先進技術の実証を推進していることから,日本がイノベーションにおいて世界をリードすることを期待する旨述べました。
 FREA視察後,アミン事務局長は土湯温泉町へ移動し,地元食材を活かした昼食会の場にて関係者から土湯温泉町の震災復興の現状に関する説明を受けました。昼食後,アミン事務局長は,復興の取組の一環として設立された地熱バイナリー発電所を視察し,また,発電後の温排水を活用したエビ養殖事業も視察しました。アミン事務局長から,福島にて震災からの復興の柱の一つとして再エネ拡大の取組が進展していることに強い感銘を受けた,世界のより多くの人達に福島の素晴らしさを伝えて福島訪問を促したい旨の発言がありました。

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(注1)「福島新エネ社会構想」
 安倍総理大臣のイニシアティブによる,未来の新エネルギー社会実現に向けたモデルを福島で創出,モデルを世界に発信し,福島を再生可能エネルギーや未来の水素社会を切り拓く先駆けの地とする構想。

(注2)「福島イノベーション・コースト構想」
 東日本大震災及び原子力災害によって失われた福島県東部の浜通り地域等の産業を回復するため,当該地域の新たな産業基盤の構築を目指す構想。廃炉,ロボット,エネルギー,農林水産等の分野におけるプロジェクトの具体化を進めるとともに,産業集積や人材育成,交流人口の拡大等に取り組んでいる。


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