報道発表
岡本外務大臣政務官の国際セミナー
「再生可能エネルギー外交の時代と日本の進路」への出席
平成30年4月4日



本4日,岡本三成外務大臣政務官は,閣僚級招へいで訪日中のアドナン・ザヒール・アミン国際再生可能エネルギー機関(IRENA)事務局長(Mr. Adnan Zahir Amin,Director General,International Renewable Energy Agency)の参加の下に行われた国際セミナー「再生可能エネルギー外交の時代と日本の進路」に出席したところ,概要は以下のとおりです。
- このセミナーは,外務省と笹川平和財団の共催により開催され,外務省を代表して岡本政務官が出席したほか,アミン事務局長,関係省庁,国際機関,在京大使館,民間企業・団体,学術界,報道機関等230名が参加しました。
- 冒頭,岡本政務官から河野外務大臣の挨拶(日本語(PDF)
/英語(PDF)
)を代読しました。概要は以下のとおりです。
(1)今年1月のIRENA総会にて河野大臣より打ち出した「再生可能エネルギー外交」の具体的取組が,今回のアミン事務局長の訪日で早速形になったことは喜ばしい。再生可能エネルギーをめぐる国際情勢の中心にいるアミン事務局長の講演は世界の動きを正しく理解するために重要であり,我が国の再生可能エネルギー外交の更なる進展を期待。
(2)世界のエネルギー部門で今後最も成長するのが再生可能エネルギーであり,日本企業が関連分野で持つ高い技術力を国際市場での競争力に転換できるかどうかが,これからの日本の経済成長を左右する。
(3)日本が積極的な再生可能エネルギー外交を推進していく上で,IRENAは重要なパートナー。日本は引き続きIRENAを支援していく。 - 続いてアミン事務局長から「再生可能エネルギー外交の時代」について基調講演しました。概要は以下のとおりです。
(1)昨日福島を訪問し,力強い復興に勇気づけられた。世界中から,より多くの人に福島を訪問してもらい,素晴らしい食や自然や温泉を楽しんでもらいたい。
(2)過去6~7年で,太陽光は約73%,陸上風力は23%コストが低下した。昨年の世界での再生可能エネルギー容量は167GW増加し,サウジアラビアのような産油国でも再生可能エネルギーの導入を積極的に進めている。持続可能なエネルギーの未来は,技術的に可能であり,経済的にも魅力的である。
(3)日本は世界のエネルギー転換に主導的役割を果たすことが可能である。昨年,世界の再生可能エネルギー事業への貸付トップ4行のうち3行は本邦銀行であり,日本は関連技術の世界トップ3に入る。この1月,河野大臣をIRENA総会にお迎えし,日本の再生可能エネルギーへの決意をお聞きし,気候変動に関する有識者会合の提言も喜ばしい。IRENAは日本と共に歩んでいく。
(4)再生可能エネルギー外交は,それまでの希少な資源を争う20世紀のエネルギー外交から,世界を,潤沢で,平和で,協力の地政学に導く。再生可能エネルギーを通じて,日本は平和と協力を推進することができ,IRENAは,この歴史的変化の中で,そのためのプラットフォームを提供することができる。 - その後のパネルディスカッションでは,アミン事務局長,田中伸男笹川平和財団会長(元国際エネルギー機関(IEA)事務局長),末吉竹二郎国連環境計画・金融イニシアティブ (UNEP-FI)アジア太平洋地区特別顧問,ファアラヴァアウ・ペリーナ・ジャクェリン・シラ・トゥアラウレレイ在京サモア独立国大使,大林ミカ自然エネルギー財団事業局長,髙科淳資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長をパネリストに迎え,高橋美佐子外務省経済安全保障課長をモデレーターとして,意見交換を行いました。