核軍縮・不拡散
「不拡散」に関する安保理閣僚級公開会合
平成29年9月21日



「不拡散」に関する安保理閣僚級公開会合が現地時間21日16時30分から約2時間半行われたところ(議長エチオピア),概要以下のとおり(安保理各国の外相又は常駐代表他が出席)。
1 国連事務局によるブリーフィング
冒頭,中満泉国連事務次長・軍縮担当上級代表から,国連安保理が大量破壊兵器の不拡散において果たす役割の重要性,北朝鮮による核実験・弾道ミサイル等の拡散問題等の現状を包括的に説明。
2 議論の概要
(1)全般
- NPT体制や安保理決議第1540号等軍縮・不拡散体制の維持・強化,国連安保理が大量破壊兵器の不拡散上果たす役割の重要性について多くの国が発言。
- 北朝鮮による累次の核実験及び弾道ミサイル発射を多くの国が強く非難。中露カザフスタン等、対話の重要性を強調した国も見られた。
- シリアに関しては,各国が化学兵器使用を非難し,化学兵器禁止機関(OPCW)・国連共同調査メカニズム(JIM)による調査の重要性を指摘。
- イランに関しては,多くの国が、国際的な不拡散体制の強化に資するものとして包括的共同作業計画(JCPOA)の継続的かつ着実な履行を支持。
(2)各国発言
- 米国(ティラソン国務長官):(1)核兵器拡散リスクを低減する重要性について触れ,核兵器計画を放棄しNPT体制に加盟することの利益を説明,(2)北朝鮮に対し各国が圧力をかけるよう求めるとともに,朝鮮半島の非核化には中国の関与が不可欠であり米国等との協調を求め,(3)イランによる安保理決議違反や核開発への野心を非難し,(4)米露による核軍縮における協力の必要性及び露による規範遵守の必要性についても述べた。
- 河野大臣(仮訳)(PDF)
/英文(PDF)
):不拡散体制が深刻な挑戦を受けていることに懸念を表明しCTBTやFMCT等の具体的取組の重要性を指摘。北朝鮮の核・ミサイルを強く非難し,安保理決議の厳格かつ全面的履行を求めた。シリアでの化学兵器使用を非難し,イランに関しては,JCPOAの着実な履行の重要性を強調。
- 中国(王毅外交部長):朝鮮半島における核問題を平和的な手段を通じて解決する必要性を強調。
- ロシア(国連常駐代表):北朝鮮の核問題に関し,全ての利害関係者の間で対話を通じて問題を解決することの重要性を強調。
- 韓国(姜外相:議題に関係する国として参加):北朝鮮に対し,安保理決議等の国際的義務の履行を求めつつ,対話の重要性も指摘。