国連外交

令和4年6月23日

1 安保理の役割

 安保理は、今日の国際社会において唯一の包括的・普遍的な組織である国連の中で、国際の平和と安全の維持につき主要な責任を有しています(国連憲章第24条1項)。国連憲章上の主な権限は、紛争当事者に対して、紛争を平和的手段によって解決するよう要請したり適当と認める解決条件を勧告したりすること、紛争による事態の悪化を防ぐため必要又は望ましい暫定措置に従うよう当事者に要請すること、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定し、平和と安全の維持と回復のために勧告を行うこと、経済制裁等の非軍事的強制措置及び軍事的強制措置を決定すること、などです。

 安保理の具体的活動は、特に冷戦の終結以降、(1)国連平和維持活動(PKO)の設立、(2)多国籍軍の承認、(3)テロ対策、不拡散に関する措置の促進、(4)制裁措置の決定等多岐にわたっています。

 安保理決議に基づくPKOや多国籍軍の活動は、伝統的な停戦監視等を中心とした活動(ゴラン高原等)に加え、文民保護、和平プロセスの履行支援や民主的統治、復興、警察支援等の平和構築を含む活動(マリ、南スーダン等)までその任務は多様さを増しています。また、安保理では、大量破壊兵器の拡散、テロ等の新たな脅威に有効に対処するため、下部機関を設置し、各国による関連安保理決議の実施を支援しています。このように、国際社会における平和と安全の確保のため、安保理が果たす役割は拡大しています。

 日本は、2016年1月から2年間、国連加盟国最多となる11回目の安保理非常任理事国の任期を全うしました。今後も、国際社会の平和と安全の維持に貢献し続けるために、日本の常任理事国入りを含む安保理改革が実現するまでの間、可能な限り頻繁に理事国となるべく努めていく考えです。この観点から、2017年12月、日本は、2022年安保理非常任理事国選挙(任期は2023~2024年)への立候補を発表し、2022年6月の同選挙で選出されました。

2 安保理の構成

 安保理は、5か国の常任理事国(中国、フランス、ロシア、英国、米国)と、各地域に配分され、選挙により選出される10か国の非常任理事国から構成されています。国連発足当初の非常任理事国は6か国でしたが、1965年に発効した国連憲章の改正により、10か国に拡大されました。

 常任理事国は、いわゆる「拒否権」を有し、手続事項を除く全ての事項に関する安保理の決定は、常任理事国の1か国の反対があった場合には成立しないこととされています(憲章第27条)。非常任理事国は、任期2年で、全加盟国による秘密投票により選出され、連続して任期を務めることが認められておらず、毎年半数が改選されます。

 現在の安保理の構成は以下のとおりです。

(1)常任理事国
中国、フランス、ロシア、英国、米国
(2)非常任理事国
アフリカ3か国、アジア・太平洋2か国、東欧1か国、ラ米カリブ2か国、西欧その他2か国
現在は、
インド、アイルランド、ケニア、メキシコ、ノルウェー(2022年末まで)
アルバニア、ブラジル、ガボン、ガーナ、UAE(2023年末まで)
(注)2023年~2024年の任期:日本、モザンビーク、エクアドル、スイス、マルタ

3 安保理における審議

 安保理の会合には一定の会期はなく、必要に応じて随時開催されます。原則として公開で行われる公式会合(一般に傍聴可能)の他に非公開の非公式協議が頻繁に開催されます。また、会合における議長は英語のアルファベット順に月番で務めています。

 公式会合は、国連本部内の安保理議場で行います。議場はノルウェーの建築家アルンスタイン・アルネベルクが設計したもので、大理石等と共にノルウェー政府から寄贈されました。また、正面には北欧伝説をモデルとしたペール・クローグの壁画(争いなき世界に向けての闘いを描いたもの)があります。

 安保理議場における席順は、左右に広がる馬蹄形テーブルに、議長を中央にして左回りでアルファベット順となっており、月ごとに一つずつ右隣に席を移します。議長の右隣には事務総長が座ります。会議の公用語として英、仏、露、スペイン、中、アラビア語の6か国語が認められています。

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