核軍縮・不拡散

平成28年12月7日
12月5日から6日まで,ウィーンにおいて,国際原子力機関(IAEA)の主催の「核セキュリティに関する国際会議」の閣僚会合が開催され,我が国から政府代表として薗浦健太郎外務副大臣が出席した。 同会議は,IAEAが主催する核セキュリティに関する2回目の閣僚級の会議であり,本年3月の米国核セキュリティ・サミットを引継ぎ,IAEAが核セキュリティ強化の取組において中心的な役割を果たすこと,また,各国が今後も核セキュリティ強化に向けて努力していくことを確認することを目的として開催された。130か国及び17国際機関・団体から約2000人以上の参加があり,我が国を含む50か国以上から閣僚レベルが出席した。

1 閣僚会合

(1)各国政府代表による演説が行われ,我が国からは薗浦副大臣が概要以下のとおり演説を行った。

核セキュリティ強化の意義
核テロの脅威は依然として,国際社会の安全保障に対する最大の挑戦の一つであり,原子力施設への攻撃等の脅威は継続して存在。

IAEAの中心的役割と我が国の支援
核セキュリティ・サミットは,核セキュリティに対する国際社会の関心を高め,様々な取組が進展。今後はIAEAが国際的な核セキュリティ強化の取組で中心的役割を果たし,その成果を引き継ぐ。我が国は天野事務局長のリーダーシップの下,IAEAの核セキュリティに関する取組が進展することを全面的に支援。
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けた,テロ対策強化のため,大規模国際行事の核テロ対策に知見を有するIAEAとの協力を行っていく。

日本の核セキュリティに関する国内取組・国際貢献
核物質の最小化と適正管理の取組を引き続き実施。また,「核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ISCN)」を通じた核セキュリティ分野の人材育成・能力構築支援を継続する。
我が国はこれまで,国際社会の核セキュリティに関する議論を積極的にリード。本年はG7議長国及び「大量破壊兵器・物質の拡散に対するグローバル・パートナーシップ(GP)」の議長国を務め,来年6月には「核テロに対抗するためのグローバル・イニシアティブ(GICNT)」の全体会合を,共同議長である米国及びロシアと開催予定。
(3)本国際会議の機会に,日本が議長国として取りまとめを行った,大量破壊兵器・物質の拡散に対するグローバル・パートナーシップ(GP)による声明が発出された。

2 二国間会談等

薗浦副大臣は,天野IAEA事務局長,モニーツ米エネルギー長官,ゼルボCTBTO事務局長と個別に会談を行った。

  1. 薗浦外務副大臣と天野IAEA事務局長との会談
  2. 薗浦外務副大臣とモニーツ米エネルギー長官との会談
  3. 薗浦外務副大臣とゼルボCTBTO事務局長との会談 

また,本国際会議の機会に,ユン・ビョンセ韓国外交部長官,マルコラ・アルゼンチン外務大臣,タンガウ・マレーシア科学技術革新大臣,ヴェルベルドゥ・フランス原子力・代替エネルギー庁長官の他,イタリア及びカザフスタンの政府代表とも立ち話を行った。


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