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日米関係
平成18年12月
(1)現在の日米関係
(2)両国首脳の関係(小泉総理、ブッシュ大統領)
(3)両国外相間の関係(町村前大臣~麻生大臣、パウエル前長官~ライス長官)
(1)テロとの闘い
(2)北朝鮮
(3)イラク
(4)国連安保理改革
(5)戦略的開発協調
(6)戦略対話
(7)軍縮・不拡散
(1)総論
(2)在日米軍の駐留に関する諸問題
(1)総論
(2)成長のための日米経済パートナーシップ
(3)WTO勧告案件
(1)スマトラ沖大地震及びインド洋津波被害への支援
(2)地球温暖化
(3)水
(4)保健
(1)過去の「日米関係」及び「最近の米国情勢」
(2)在日アメリカ合衆国大使館ホームページ
1.ブッシュ政権発足後の主要な動き
(1)現在の日米関係
- 2001年9月に日米両国はサンフランシスコ平和条約署名50周年を迎えた。両国は、自由、民主主義、人権の尊重といった基本的価値観を共有しており、米国との関係は我が国外交の要となっている。また、アジア太平洋地域は依然として不安定性・不確実性を有し、このような中で日米同盟は、アジア太平洋地域の平和と繁栄の基盤となっており、この地域への米国の関与は引き続き重要である。特に、小泉総理とブッシュ大統領との個人的な信頼関係にも支えられ、日米関係は現在極めて緊密で良好な状態にある。
(2)両国首脳間の関係(小泉総理、ブッシュ大統領)
- 2001年6月30日、小泉総理は就任後初めてキャンプ・デービッドにおいてブッシュ大統領との間で首脳会談を行い、共同声明を発表した。その中で日米間の戦略対話の強化の重要性、新たな経済協議の立ち上げ、地球的規模の協力の拡充等で一致した。その後も、2002年2月のブッシュ大統領訪日及び2002年9月の小泉総理のニューヨーク訪問の機会に日米首脳会談が行われ、テロとの闘い、イラク、北朝鮮をはじめとする国際社会が直面する諸課題について緊密な協議が行われた。
- 2003年5月22~23日に小泉総理はテキサス州クロフォードにあるブッシュ大統領の私邸を訪問。23日に行われた日米首脳会談において、両首脳は、日米交流150年の歴史を振り返りつつ、今日の日米同盟が真にグローバルな「世界の中の日米同盟」であることを確認し、この同盟関係を強化することで一致した。その後も相互訪問の機会や国際会議出席の機会を首脳会談が行われている。
- 2005年11月15~16日にブッシュ大統領は京都を訪問。16日に行われた日米首脳会談において両首脳は、緊密な日米関係を再確認した。
(3)両国外相間の関係(町村前大臣~麻生大臣、パウエル前長官~ライス長官)
- 外相間においても、両国は幅広い分野につき緊密な政策協調を行っている。
また、町村前外相は2004年10月の訪米で、パウエル国務長官等と会談したのをはじめ、その後、同長官の訪日時(同年10月24日)やジャカルタでのスマトラ沖大地震及びインド洋津波被害に関するASEAN主催緊急会議の際(2005年1月6日)にも日米外相会談が行われている。
2005年1月に就任したライス国務長官と町村外相の間では、2月のワシントンにおける「2+2」会合の際の日米外相会談に始まり、その後、累次の機会に在日米軍再編、BSEを含む日米関係、国連改革、朝鮮半島情勢といった二国間及び国際社会の直面する課題について日米外相会談が行われてきている。
また、2005年10月には麻生大臣が就任し、11月のAPEC閣僚会議(釜山)や12月の最初の訪米の機会に、ライス国務長官と日米関係、国連・安保理改革等について意見交換を行った。
- 最近の日米首脳会談(平成17年11月16日)、外相会談(平成17年12月3日)の概要
(参考)
- 米国対日世論調査、ギャラップ社委託(平成17年2~3月実施)
- 日本は信頼できる同盟国又は友好国:72%
- 日米協力関係は「良好」:61%
- 日本は米国との価値観を共有している:79%
- 読売新聞・米ギャラップ社共同世論調査(平成16年11月実施)
- 現在の日米関係「良い」:日本49.1% 米国52.5%
- 相手国を「信頼」している:日本37.8% 米国67.4%
- 内閣府 外交に関する世論調査(平成16年10月実施)
- アメリカに親しみを「感じる」:71.8%
- 現在の日本とアメリカとの関係「良好だと思う」:76.7%
2.政治・外交分野での協力
- テロとの闘い
我が国は、2001年9月11日の同時多発テロ発生直後よりテロと闘う米国を同盟国として強く支持し、米国を含む国際社会と協力しつつ、主体的に取り組んできた。
2001年10月29日にはテロ対策特措法を成立させ、同12月2日よりインド洋北部にて海上自衛隊による米軍艦船等への燃料等の補給を開始。また、航空自衛隊による輸送も実施。その後、2003年11月に法律を2年間延長、2005年11月に1年間再延長し、現在に至るまでインド洋における協力支援活動を継続している。同活動の支援対象である「不朽の自由作戦-海上阻止活動(OEF-MIO)」が、インド洋を経由したテロリストや武器・弾薬、麻薬等の関連物資の移動を阻止又は抑止するために、大きな役割を果たしていることから、米国を始めとする国際社会の高い評価を得ている。
上記に加え、我が国は、2001年9月の同時多発テロ発生から現在に至るまで、テロ防止関連条約の締結、テロ資金対策、テロ対策に関するキャパシティ・ビルディング支援、大量破壊兵器等のテロリストへの拡散防止等、多国間、地域的及び二国間枠組みにおける国際テロ対策協力を行っている。
- 北朝鮮
北朝鮮の核開発は我が国の安全保障に対する直接的な脅威であり、かつ、国際的な不拡散の努力に対する深刻な挑戦である。北朝鮮の全ての核計画を信頼できる国際的な検証の下で完全に廃棄させるという目標実現のため、我が国は米国及び韓国等と緊密に連携しつつ六者会合に臨んできている。また、拉致問題については、米国は従来から我が国の立場を極めて強力に支持してきている。
- イラク
イラクの復興と民性の安定を図ることは、国際社会の平和と安定の観点から極めて重要であるだけでなく、我が国の国益に直結している。米国を含む国際社会と協調してイラクの復興支援に主体的に取り組むとの観点から、我が国は2003年7月26日に成立したイラク人道復興支援特措法及び同年12月に策定された基本計画に基づき、2004年以降約600人の陸上自衛隊をイラク・サマーワに派遣し、給水、公共施設の復旧・整備、医療支援等を実施してきている。また、2005年12月に基本計画を1年間延長した。また、日本は最大50億ドルのイラク復興支援を行うこととしており、そのうち我が国が「当面の支援」として表明した15億ドルの無償資金の供与については、全額につき実施・決定している。その対象分野は電力、保健・医療、水・衛生等生活基盤に中心とし、加えてイラクのニーズが高い治安や選挙に関する支援等を行ってきた。中期的な復興ニーズに対応するための円借款による支援(最大35億ドルまで)については、現在、イラクの要請を受けて調査中である。このような経済協力と自衛隊による復興支援活動を「車の両輪」とする日本の対イラク支援に対し、米国は、累次の機会に謝意を表明し、日本と協力してイラクの復興のために努力していきたい旨を述べてきている。
- 国連・安保理改革
国連・安保理改革は小泉政権の最優先外交課題であり、日本は国連全体を改革するとともに、安保理の実効性と代表性を高めることを目指している。米国は一貫して日本の国連安保理常任理事国入りを支持してきており、2005年11月16日の日米首脳会談でも今後とも協力していくことを確認している。また、米国は、事務局改革・マネジメント改革や人権・開発・平和構築分野における改革等を含む国連全体の改革を重視しており、日米両国は、安保理改革を含むこれら改革全体について緊密に協議を行ってきている。
- 戦略的開発協調
世界のODAの約40%弱を提供している日米両国の開発分野における更なる協調を図る観点から、3月の訪日時にライス国務長官が上智大学で行った政策スピーチの中で提唱したもの。3月、5月の日米外相会談において、本件提案を受けて具体的協力を進めていくことが確認され、9月の日米外相会談において共同文書が発表され、日米戦略的開発協調の枠組みが立ち上げられた。
- 戦略対話
2001年6月の日米首脳会談での合意に基づき、2002年8月を皮切りに、年数回の頻度で、大局的観点に立ち、日米両国が関心を有する中長期的な諸課題についての次官級(竹内外務事務次官及びアーミテージ国務副長官(いずれも当時))での日米戦略対話が行われてきた。例えば対イラク武力行使に至る過程において、竹内次官よりアーミテージ副長官に対し、国連安保理決議を採択することの重要性につき伝えたことが一つの契機となり、米国が安保理決議採択に向けて動いたことなど、日米両国の様々な政策協調を確保する上で、顕著な成果をあげてきた。
さらに、本年5月の日米外相会談において、ライス国務長官よりの提案を受け、日米戦略対話を外務大臣と国務長官が閣僚級で主導し、高級事務レベルでさらに議論を深めるとの二層構造で行っていくことが決定された。同年6月にはロンドンにおいて、田中外務審議官(当時)及びバーンズ国務次官の間で第1回高級事務レベル会合が行われた。
2005年10月には、東京において、西田外務審議官及びバーンズ国務次官の間で第2回高級事務レベルの会合が行われ、「世界の中の日米同盟」との考え方の下、国際社会が直面する様々な課題について、日米両国が中長期的な視点に立ち、この協議を行っていく重要性が再確認された。今後の閣僚レベル及び高級事務レベルの日程については、今後調整していくこととした。
- 軍縮・不拡散
ブッシュ政権は、大量破壊兵器及びミサイル等の拡散を重大な脅威と位置付けており、我が国も脅威認識を共有し協力して取り組んでいる。また、2000年以来、「日米軍備管理・軍縮・不拡散・検証委員会」を局長級で開催し、この分野で幅広い対話を行っている。
2002年6月のカナナスキス・サミットにおいて小泉総理はブッシュ大統領を始めとするG8首脳とともに大量破壊兵器等の拡散に対するG8グローバル・パートナーシップを立ち上げ、我が国は、この呼びかけに応え、当面2億ドル余の貢献を発足当初から表明した。
2003年5月、ブッシュ大統領は、国際社会の平和と安定に対する脅威である大量破壊兵器・ミサイル関連物資等の拡散を阻止するための取組として、「拡散に対する安全保障構想(PSI:Proliferation Security Initiative)」を発表した。我が国はこの呼びかけに応え、発足当初から積極的にPSIの活動に参加してきており、2004年10月にはPSI海上阻止訓練「チーム・サムライ04」を主催し、2005年8月にシンガポール主催の海上阻止訓練に防衛庁・自衛隊の艦船・航空機、海上保安庁の艦船が参加した。
3.日米安保関係
(1)総論
アジア太平洋地域には、冷戦終結後も地域紛争、大量破壊兵器やミサイルの拡散など、不安定な要素が存在する。特に、2001年9月11日の米国同時多発テロは、従来と比較して抑止力が効きにくく、予測が困難な新たな脅威を顕在化させた。このような新たな安全保障環境の下、日米安全保障条約(以下、日米安保条約)に基づく日米安全保障体制(以下、日米安保体制)は、これまで日本を含む極東のみならず、アジア太平洋地域の平和・安定と繁栄の実現に有効に寄与してきている。また、日本は、自らの自衛力のみでは自国の安全が脅かされるようなあらゆる事態に対処できない以上、日米安保条約を引き続き堅持することで、米軍の前方展開を確保し、その抑止力で安全を確保することが必要である。このような観点から、日米安保体制の信頼性を一層高めるために、たゆみない努力を続けていく必要がある。
(2)在日米軍の駐留に関する諸問題
- 日米安保体制の円滑かつ効果的な運用のためには、在日米軍の活動が施設・区域周辺の住民に与える負担を軽減し、米軍の駐留に関する住民の理解と支持を得ていくことが重要である。米国もこの点を十分に認識しており、在日米軍の駐留に関する諸課題の解決のために真剣な努力を継続する必要があるとの日米両国の認識が明らかにされている。
- 特に、在日米軍施設・区域の約75%が存在する沖縄県の県民の負担軽減の重要性について日本政府は、1996年12月にとりまとめた沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告の着実な実施を通じて、米軍施設・区域の整理・縮小・統合による土地の返還、訓練及び運用の調整、騒音軽減策の実施、地位協定の運用改善等に取り組んできている。
- また、日本政府は、在日米軍の抑止力を維持しつつ、地元の負担を軽減するとの観点から、2006年5月の「2プラス2」で発表された「再編実施のための日米のロードマップ」に基づき、普天間飛行場の移設・返還、在沖海兵隊司令部の要員・家族のグアムへの移転、嘉手納以南の米軍施設・区域の整理・統合等の措置を着実に実施していく考えである。
- 日米地位協定の運用の改善に関しては、例えば、刑事裁判手続きについては、1995年の刑事裁判手続きに関する日米合同委員会合意により、凶悪犯罪を犯して拘禁された米軍人等の身柄を起訴前に日本側に移転する途を開いた。また、環境問題については、2000年9月の「2+2」において発出された「環境原則に関する共同発表」の中で、環境保護のため、在日米軍は、日本の法令のうちより厳しい基準に従った取組を行うこと等が確認されるなど、日本政府は、その時々の問題について運用の改善により機敏に対応していくことが合理的であるとの考えの下、運用の改善に努力しているところである。
4.日米経済関係
(1)総論
- 日米両国は、世界経済の成長と安定に責任を共有(2005年の日米GDP合計は世界全体の経済規模の約40%、うち米国は28.1%、日本は10.2%となっている)。
- 建設的対話を通じ、日米両国及び世界経済の持続可能な成長、日米経済関係の一層の強化を図ることが重要。
(2)成長のための日米経済パートナーシップ
- 2001年6月30日の首脳会談の際の共同声明において、「成長のための日米経済パートナーシップ」を立ち上げることを発表。同「パートナーシップ」の下には、次官級経済対話、官民会議に加え、規制改革・競争政策、財務金融、投資及び貿易の各々の分野について対話の場が設けられており、これまで各フォーラムにおいて前向きかつ建設的な対話が行われてきている。
- 特に、「規制改革及び競争政策イニシアティブ」は、双方の規制改革・競争政策に関する改善要望に基づいて議論し、成果を報告書の形で日米両首脳に提出しており、日米双方で「目に見える」成果を上げてきている。これまで5年間の対話が成功裡に終了しており、5年目の報告書は2006年6月29日に、両首脳に提出・公表された。
(3)WTO勧告案件
- WTO協定違反が確定しながら是正処理がとられていない米国の貿易措置(バード修正条項及び日本製熱延鋼板に対するダンピング防止措置)について、上記「パートナーシップ」をはじめとする種々の二国間対話の機会を活用し、WTOの勧告に従い、措置の早期撤廃・改善を目指す。
5.その他の協力
(1)スマトラ沖大地震及びインド洋津波被害への対処
- 2004年12月に発生したスマトラ沖大地震及びインド洋津波被害に際しては、町村大臣とパウエル国務長官は、迅速に国際的な協力を構築していくことが重要との認識で一致し、豪、印とともにコア・グループを結成し(後に加と蘭も参加)、初動段階から主要支援国や国連との調整に努め、国際社会の支援を主導した。(コア・グループは2005年1月のASEAN主催緊急首脳会議の終了をもって活動を終えた。)
(2)地球温暖化
- 米国は、環境問題(地球温暖化を含む)の重要性は認識しているが、京都議定書は不支持との立場である。地球温暖化対策については、2002年2月14日、2012年までに米国のGDP単位当たりの温室効果ガス排出量を18%削減することを目標とする気候変動政策を発表した。ブッシュ大統領が右政策を発表したことは、米国が地球温暖化問題に対して真剣に取り組む姿勢を示すものであり、我が国としてはこれを評価する一方、京都議定書の重要性を訴え、米国が国内対策を一層強化するよう求めるとともに、米国や開発途上国を含む全ての国が参加する共通のルールの構築を目指して米国の建設的対応を求めている。米国との間の閣僚級のハイレベル協議に加え(第3回ハイレベル協議を2003年8月7日に実施)、科学技術、途上国問題及び市場メカニズムの3分野に関する事務レベル協議を継続している。また、2005年7月28日には、クリーンで効率的な技術の開発・普及を通じた環境汚染、エネルギー安全保障、気候変動問題への対処を目的とし、京都議定書を補完する「クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ」が米国主催の下、発足した。我が国は、その目的のために実質的な貢献を行うとの趣旨で同パートナーシップに参加している。
(3)水
- 2002年9月、「持続可能な開発に関する世界首脳会議」の機会に川口大臣とパウエル国務長官が共同発表した「日米水協力イニシアティブ:きれいな水を人々へ」について、2003年3月の第3回世界水フォーラム閣僚級国際会議の際に、土屋外務大臣政務官とドブリアンスキー国務次官が日米水協力の進展と成果について合意し発表した。協力内容の更なる具体化に向け現地レベルを中心に協議を行いつつ、プロジェクトを実施中である。
(4)保健
- 2002年6月、日米間で「保健分野における日米パートナーシップ」に合意し、保健分野における取組で連携していくこととした。右に基づき、USAIDとJICAの間の人事交流、本部レベル及び現地レベルでの連携が推進されている。2003年5月には、このパートナーシップを促進するための具体策を定めた「行動計画の枠組み」を、また、6月にはこのパートナーシップへの取組を再確認する文書を策定した。
6.過去の問題
- 戦時中日本企業により強制労働に従事させられたとして、これに対する賠償等を求めて元米兵捕虜等が日本企業に対し訴訟を提起した。これら訴訟(36件)はすべて、原告元米兵捕虜等の主張が認められることなく終結したが、米国議会ではこれまでにこれら元米兵捕虜の動きを支援するような法案等が提出されてきており、今後もこのような動きが続く可能性もある。
- 日米両政府とも、本件はサンフランシスコ平和条約で解決済との立場である。
7.リンク
- 過去の「日米関係」及び「最近の米国情勢」は以下をクリックして頂ければ閲覧可能です。
- 駐日アメリカ合衆国大使館のホームページには以下のリンクをクリック。