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日米首脳会談(概要)

平成17年11月16日

日米首脳会談(共同プレス行事記録)


(写真)米首脳会談前に握手する両首脳(11月16日)

 小泉総理は、15-16日京都を訪問したブッシュ大統領との間で、16日午前10時15分より同11時30分まで京都迎賓館において日米首脳会談を行ったところ、概要以下のとおり。なお、12時30分より1時間強、小泉総理主催の社交昼食会が行われた。

1. 冒頭

(1)ブッシュ大統領より、貴総理の強い指導力を高く評価している、9月の衆議院選挙での大勝利にお祝いを申し上げる旨述べたのに対し、小泉総理から、先般の選挙での勝利は奇跡であった旨述べた。

(2)ブッシュ大統領から、これは奇跡ではなく貴総理の指導力の賜物である旨述べたのに対し、小泉総理より、郵政民営化法案が国会で否決され、従来であればそこで終わっていたのであるが、総選挙で郵政民営化に対する支持が得られたことで、その後、多くの人が法案に賛成してくれた旨述べた。

(3)これに対し、ブッシュ大統領からは、まさにそれが民主主義の良いところであり、国民が貴総理の政策を正しいものと評価された証に他ならない旨の発言がなされた。

2. 日米関係(対イラク・アフガン支援を含む)

(1)ブッシュ大統領より、現在の日米関係は非常に良い状況であり、同関係は重要である旨述べた上で、続けて、イラク・アフガニスタンにおける日本の支援に深く感謝する旨述べた。

(2)小泉総理からは、イラクの復興については、イラクの人々自身の力で同国を安定した状況に戻すよう努力しているところであるが、日本は国際社会の一員として努力してきている、12月以降の対イラク支援をどうするかについては、日本として、イラク復興のために何ができるか、国際社会の一員としての日本の立場、日米同盟関係をも踏まえつつ、総合的にその時点での状況を踏まえながら自主的に判断する考えである旨述べた。更に、ブッシュ大統領より、日本のODAによる支援に対する評価が述べられた。

(3)ブッシュ大統領より、この地域における平和と安定の維持のため日米同盟関係は不可欠なものであるが、小泉総理の指導力の下でそれが一層強化された旨述べたのを受けて、小泉総理から次のとおり日米同盟に関する考え方を述べた。

(イ)日米関係が重要であることは従来より認識していたが、自分の政権でそれを具体的に実践してきた。国民の多くも日米関係の重要性について同様の認識であると思う。

(ロ)国会の党首討論での日米関係に関する議論にも触れつつ、日米関係は日本にとって最も重要な関係である。国際協調も重要ではあるが、敗戦以降60年間の日本の繁栄は、日米同盟の下で実現されたものである。

(ハ)日本国内には日米関係よりも国際協調を進め、他国との関係を強化して日米関係を補完すべしとの意見もあるが、自分はそのような立場はとらない。日米関係が良好であるからこそ、中国、韓国、ASEAN等をはじめ各国との良い関係が維持されてきている。

(4)これに対し、ブッシュ大統領より、それは正しい考えであり、賛成である、例えば、中国から見ても、良好な日米関係があるからこそ、中国も、日本・米国との関係をそれぞれ良くしていかなければならないと思うのではないか、と述べた。

3. 中国

 ブッシュ大統領より、今後のこの地域における大きなプレーヤーとして中国の存在があるが、小泉総理はどのように中国を見ているかとの質問がなされ、これに対し、小泉総理より以下のとおり述べた。

(1)確かに日中関係にはいくつか問題はあるが、自分が総理に就任して以来、日中関係は様々な分野で強化されてきている。一時期、日本において中国脅威論もあり、特に経済的に、例えば、中国の安い農産品が日本に流入するとか、日本の生産工場が中国の安い労働力を求めて移転し空洞化が生じるとの議論もなされた。

(2)しかし、中国の経済は脅威ではなく、むしろチャンスである。例えば、農産物について、中国から日本に安価な農産物が入ってきていたが、最近では、(イチゴ、リンゴ、ナシ、蘭といった具体例を挙げつつ)むしろ良質な日本の農産物の中国への輸出が増えている。

(3)中国の経済発展は日本にとってプラスであり、中国に移転した工場の中でも高い技術を必要とする製品の生産については、日本に生産拠点が戻ってきており、日本は自信を取り戻してきている。

(4)政治・安全保障分野では、中国がこの地域や世界で建設的パートナーとなるよう促していくことが重要である。

(5)全体としてみれば、日中関係は、文化、スポーツ、人的交流といった様々な分野で発展している。

4. 北朝鮮

(1)小泉総理より、日米関係が強固な中、北朝鮮の問題も考える必要がある、北朝鮮が六者会合に応じたことも良好な日米関係の中で捉えられると思うが、核の問題と併せ、拉致の問題も解決する必要がある旨述べた。

(2)これに対し、ブッシュ大統領より、拉致問題についてはかねがね日本に共感している、拉致問題の解決に向けた日本の立場を支持する、北朝鮮の問題については、核や拉致の問題に加え、北朝鮮の人々の置かれている状況についても懸念しており、本件の解決が必要である、他方、米国単独で出来ることは限られており、また米国単独でなすべきことでもなく、六者会合の枠組みの中で解決を図っていかなければならない問題であると述べた。

5. BSE問題

(1)ブッシュ大統領より、本件については従来述べたことは繰り返さないが、米議会での関心が強い旨述べた。

(2)これに対し、小泉総理より、本件については、科学に基づき、安全性に配慮しつつ、できるだけ早期に日米間で双方向の牛肉貿易を再開したいと希望している、食品安全委員会によって、中立公正な立場から科学的知見による議論を尽くして答申案が取りまとめられ、11月29日までの間パブリックコメントに付されており、食品安全委員会の正式な答申を受けて、政府関係省庁が然るべき措置を取ることになる旨説明した。

6. 郵政民営化

(1)ブッシュ大統領より、郵政民営化後、保険業界において外国企業が日本の国内企業と同等に扱われるのか、外国の関連企業は懸念を示している旨述べた。

(2)これに対し、小泉総理より、郵政民営化を進めていく中で、外国企業に対しても国内企業と同等の待遇を与えていく旨説明した。

7. WTO

(1)ブッシュ大統領より、農産物の取扱等難しい問題もあるが、ドーハ・ラウンドを進める必要がある、APEC首脳会議において、ドーハ・ラウンドの前進を支持するメッセージを発出したい旨述べた。

(2)これに対し、小泉総理より、ドーハ・ラウンドの前進のため米国と共に最大限努力したい、日本は最大の農産品輸入国としての立場もあるが、全ての面に配慮しつつ、ドーハ・ラウンドを進めていく必要がある旨述べた。

8. 米軍再編

(1)小泉総理より、防衛庁、外務省がよく調整を行い、「2+2」において発出された共同文書の勧告を実行に移すべく努力している、同報告は内閣改造前にとりまとめられ、その後、外務大臣と防衛庁長官は交代したが、切れ目ない努力を継続していく考えである旨述べた。

(2)また小泉総理より、在日米軍基地を受け入れる地元自治体にとってみれば賛否を問われれば反対と言うであろうが、(今回の再編は)日本全体の安全保障の観点から必要なものであり、よく地方自治体に必要性を説明し理解を得つつ進めていきたい旨述べた。

9. 日本経済改革

(1)ブッシュ大統領より、2002年に初めて東京で小泉総理にお会いした時点では、日本経済はデフレ状態にあり、長期的な低迷傾向にあるとも言われていたが、その際、総理は成長のための戦略があると述べていた、現在、日本経済は成長を回復し、成長率に関しても良い数字が出ているものと承知している旨述べた。

(2)これに対し、小泉総理より、自分は一貫して「改革なくして成長なし」と言い続けてきた、国内の一部には、改革より景気対策を優先させるべきとの意見もあったが、自分が改革を進めていく中で、かかる議論を行う者はいなくなった、また、郵政民営化については20年前から考えてきて、現在実行している旨説明した。

10. 国連改革

 ブッシュ大統領より、改めて日本の常任理事国入りを力強く支持していく旨述べ、両首脳間で、安保理改革を実現するため日米が協力していくことで一致した。

11. その他

(1)会談の終了に当たって、ブッシュ大統領より、日米関係はこの地域および世界の平和と安定の碇(anchor)の役割を果たしている、日米関係が良好であれば、この地域で紛争が起こる可能性は低くなる旨述べた。

(2)また、この関連で、中東和平、鳥インフルエンザをはじめとする国際社会が直面する諸課題につき日米で協力して取り組むことで一致した。

12. ミャンマー

 なお、総理主催昼食会は基本的に社交的な話題が中心であったが、一点、ブッシュ大統領より、ミャンマーの状況について非常に懸念しているとの発言があった。

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