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第三回TICAD閣僚級フォローアップ会合(概要)

平成23年5月2日

 松本剛明外務大臣及び高橋千秋外務副大臣は,5月1日(日曜日)と5月2日(月曜日)の両日,セネガルのダカールにおいて,第三回TICAD閣僚級フォローアップ会合を主催し,共同議長を務めたところ,概要以下の通りです。

1.参加者及び議題

(1)参加者

 68か国(うち,アフリカから47か国,30名の閣僚級首席代表が参加),42の地域・国際機関,NGO16団体,民間セクターなど計約500名が参加。我が国より,松本外務大臣及び高橋外務副大臣が出席し,開催国セネガルのニョン外務大臣とともに共同議長を務めました。

(2)議題

5月1日(日曜日)
議題1:
横浜行動計画の進捗状況及び今後のTICADプロセス
議題2:
アフリカ経済の活力ある包括的かつ持続的な成長に向けて
議題3:
ミレニアム開発目標(MDGs)の達成
5月2日(月曜日)
議題4:
グローバルな課題への対応に向けたアフリカとの協力

2.議論の概要

 冒頭,東日本大震災の犠牲者に対し,参加者全員による黙祷が捧げられました。

(1)松本大臣の発言

 松本大臣は,会合1日目に,要旨以下の開会式挨拶及びスピーチを行いました。(開会式挨拶:(英文和文)/スピーチ:英文和文

  1. (ア)東日本大震災に際し,アフリカ諸国をはじめ国際社会から寄せられた支援・連帯に深甚なる感謝の意を表明。
  2. (イ)我が国が,引き続き国際社会の平和と安定のために積極的役割を果たしていく考えに変わりなく,TICAD IVの公約を引き続き誠実に実現していくとの決意を表明。
  3. (ウ)震災によって得た知見を自然災害に悩むアフリカと共有するため,防災に関するセミナーを年内に我が国において開催することを表明。
  4. (エ)アフリカの経済成長に資するため,我が国企業が参画する円借款の対象国・分野につき柔軟に対応することを表明。また,新規の円借款供与も加速することを表明。
  5. (オ)今後のTICADプロセスは,アフリカが抱える社会的・経済的格差等に光を当て,全ての人が恩恵を受ける,真に持続可能な成長を目指すべきとの考えを表明。
  6. (カ)コートジボワール,スーダン,ソマリア,北アフリカ諸国の問題への日本の姿勢を表明。これらの問題の底流にある貧困,失業,治安,ガバナンス等の課題にTICADが今後とも取り組んでいく旨を表明。
  7. (キ)6月初旬に日本で開催するMDGsフォローアップ会合に,アフリカ各国のハイレベルによる参加を招請。
  8. (ク)国連安保理改革について,日本の立場に対する支持を要請。

(2)高橋副大臣の発言

 高橋副大臣は,会合2日目のスピーチにおいて,要旨次の通り述べました。(スピーチ:英文和文

  1. (ア)アフリカ大陸や中東で起きている変革の根底にある諸問題に対し,TICADは今後とも,「人間の安全保障」の考え方に基づき,きめ細かい対応を行う旨を表明。
  2. (イ)国連安保理改革を推進するための日・アフリカ間の協働を呼び掛け。
  3. (ウ)気候変動に関し,本年,南アフリカで開催されるCOP17に向け,アフリカ諸国との緊密な連携を呼び掛け。
  4. (エ)アフリカ諸国の気候変動対策の中長期的なビジョンとして,「アフリカ低炭素成長・持続可能な開発戦略」をアフリカ諸国とともに策定することを提案。

(3)他の参加国・機関の発言

 これに対し,他の参加国・機関より,要旨以下の発言がありました。

  1. (ア)東日本大震災の被災者に対する連帯の意を示すとともに,震災への対処に当たって日本国民が発揮した強靱性を高く評価。
  2. (イ)困難な状況にもかかわらず,外務大臣が本会合を予定通り開催し,アフリカとの連帯を強化し,TICADの公約を引き続き誠実に実施する決意を表明したことを高く評価。
  3. (ウ)日本による災害対策セミナーに係る提案を評価。
  4. (エ)アフリカ経済は順調に成長しており,今後は特に民間投資を牽引車とする成長の加速化を目指すことが有効。また,TICADが推進してきた広域インフラ,農業振興等を中心とする成長支援は引き続き有効。
  5. (オ)経済成長の一方で,アフリカは社会面,環境面,ガバナンス面等において依然として多くの課題を抱えており,更なる取組強化が必要。
  6. (カ)日本によるMDGsフォローアップ会合の開催を歓迎。MDGsについては,多くのアフリカ諸国において顕著な進捗が見られるものの,依然として達成困難な分野・地域等が存在し,更なる努力が必要。
  7. (キ)国連安保理改革を早期に実現するため,今次国連総会において最大限の努力を払うことが重要。
  8. (ク)気候変動について,日本がこれまでにアフリカに対して行った協力を高く評価。気候変動問題はアフリカの経済・社会に大きな影響を及ぼしており,COP17に向け,アフリカとしての戦略を練っていくことが必要。かかる戦略の策定に関する日本の提案を評価。
  9. (ケ)会合はまた,エジプト及びチュニジアが最近の政治変革について報告を行う等,現下の国際情勢を反映したものとなりました。

3.我が国経済界の参加

 日本経団連を代表して,土橋昭夫経団連サブサハラ地域委員会委員長(双日(株)会長)が参加し,日本企業としてアフリカに引き続き強い関心を持っており,官民連携してビジネスを拡大していく意図を表明しました。

4.コミュニケの採択

 本年開催予定のG8,G20,MDGsフォローアップ会合,COP17等の重要国際会議に向けメッセージを発信すべく,本会合の成果としてコミュニケ(英文仏語仮訳日本語仮訳)を採択しました。

5.二国間会談の実施

 松本大臣及び高橋副大臣は,ワッド・セネガル大統領を表敬した他,次の参加国の閣僚等と二国間会談を行い,国連安保理改革,気候変動等に関する働きかけ等を行いました。

(1)松本大臣

 セネガル(ニョン外務大臣)ボツワナ(スケレマニ外務・国際協力大臣),ガーナ(ムムニ外務・地域統合大臣),トーゴ(オイヌ外務・協力大臣),レソト(ツェコア外務大臣),アフリカ連合(ムウェンチャ副委員長)

(*ニョン・セネガル外相との間では,「技術協力協定」の署名も行われました。)

(2)高橋副大臣

ニジェール(バズム外務・協力・アフリカ統合・在外自国民大臣),ガンビア(タンガラ外務・国際協力・在外ガンビア人大臣),コンゴ(共)(イクエベ外務・協力大臣),モーリタニア(ハマディ外務・協力大臣),ウガンダ(オケロ国際関係担当大臣),南アフリカ(ゴドングワナ経済開発副大臣),エリトリア(オスマン外務大臣),カーボヴェルデ(ボルジェス対外関係大臣),モロッコ(アヘルバッシュ外務・協力大臣付国務長官),ベナン(エウズ外務大臣)

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