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第二回TICAD閣僚級フォローアップ会合(概要)

平成22年5月4日

 岡田外務大臣は、5月2日(日曜日)と5月3日(月曜日)の両日、タンザニアのアルーシャで開催された第二回TICAD閣僚級フォローアップ会合に出席したところ、概要以下のとおり。

(写真)キクウェテ・タンザニア大統領表敬
キクウェテ・タンザニア大統領表敬

1.参加者

 65か国(うち、アフリカより42か国、31名の閣僚級が参加)、45の地域・国際機関、12のNGO団体、民間セクターなど総勢約430名が参加。我が国より岡田外務大臣が出席し、タンザニアのムクロ財務経済大臣とともに共同議長を務めた。

2.議論の概要

(写真)開会式の模様
開会式の模様

(1) 開会式
 キクウェテ・タンザニア大統領及びムウェンチャAU委員会副委員長が挨拶した。キクウェテ大統領は、我が国がTICAD IVで表明した公約の履行状況やTICADプロセス自体を賞賛しつつ、技術移転や貿易・投資・観光促進を含めた日本への期待、AUとの関係強化などに言及した。
(2) 議題1:「横浜行動計画」の履行状況と今後の課題
(イ) 岡田大臣より、「横浜行動計画」がいずれの分野でもかなりの進捗を遂げた一方、貿易、投資、観光については引き続き努力を要するとの総括を行った上で、新政権としてTICAD IVの公約を必ず実行するとの決意を示し、今後の日本の取組を表明した。(スピーチ:英文和文
 主な内容以下のとおり。
  1. (a) 経済危機からの回復を後押しすべく、今後2年間で最大20億ドル相当のインフラ案件円借款の実施
  2. (b) MDGsの達成に向け、次回フォローアップ会合までに母子保健等のMDGs分野で約10億ドルの支援
  3. (c) 気候変動に対処すべく、「鳩山イニシアティブ」に基づく支援と次期枠組構築に向けたアフリカとの協力強化(詳細下記(5)参照)
(ロ) 日本経済界を代表して、米倉住友化学会長より、アフリカの成長と発展における民間セクターの役割と官民連携の重要性についてスピーチが行われた。

(ハ) 各国からは、一様に、横浜行動計画が着実に進捗していることへの評価やTICADフォローアップ・メカニズムに対する評価が強調された。また、我が国が今回表明した支援策が歓迎された。
(3) 議題2:世界金融・経済危機の影響からのアフリカの回復努力
 アフリカの成長回帰には克服すべき課題が依然としてあり、開発パートナーの協力が不可欠であること、インフラ整備や農業の重要性、貿易投資促進につき多くの国が言及した。
(4) 議題3:MDGsの達成
 国毎、開発目標毎に置かれている状況はそれぞれ異なるが、国際社会による資金の拡充に加え、アフリカ諸国におけるMDGs達成に向けた国家戦略、国家予算の投入、モニタリングと評価の重要性等が指摘された。市民社会代表がスピーチした他、国際機関、アジア諸国等も活発に参画し、有意義な議論が行われた。
(5) 議題4:気候変動対策
 気候変動の様々な側面を議論するため、アフリカ諸国の他、国際機関、市民社会も交えてパネルディスカッション形式で実施。岡田大臣はパネリストとして冒頭に発言(大臣発言:英文和文発表用資料(英文)(PDF))。議論においては、気候変動に最も脆弱なアフリカに対する支援の必要性が強調されるとともに、「鳩山イニシアティブ」に基づく我が国のアフリカ支援が歓迎された。

3.コミュニケの採択

 本年開催予定のG8、G20、MDGs国連首脳会合COP16等の重要国際会議に向けメッセージを発信すべく、本会合の成果としてコミュニケ(英文仏語仮訳(PDF)日本語仮訳日本語骨子)を採択。

(写真)メンベ・タンザニア外相との会談
メンベ・タンザニア外相との会談

4.二国間会談の実施

 岡田大臣は本会合出席の機会を捉え、タンザニア、ルワンダ、ブルンジ、ボツワナ、ブルキナファソ、カーボヴェルデ、トーゴ、ジブチ、ジンバブエの外相(ジブチのみ国際協力大臣)と二国間会談を行った。また、AU委員会副委員長とも会談を行った。

5. 視察

(1) 5月2日午後、岡田大臣は、アルーシャ近郊にある住友化学とタンザニア企業との合弁による蚊帳工場を訪問し、マラリア予防用に防虫剤を練り込んだ蚊帳「オリセットネット」の生産工程などを視察。
(2) 5月3日午後、我が国がこれまで経済協力を行ってきたローアモシ灌漑地区及びキリマンジャロ農業技術者訓練センター(KATC)を訪問。ローアモシ灌漑地区では、収穫期を迎えた水田に立ち寄り、JICA関係者より稲の生産量増加及び水利事業等につき説明を受けた。その後、河川から水田への取水施設を視察。KATCでは、研修施設内で教材用の日本製農機具等を視察。
(3) 5月4日午前、ダルエスサラームにあるオロフ・パルメ孤児教育センターを視察。同センターはタンザニア各地の孤児(女児)を保護し、中等教育を提供することを目的に設立され、我が国は、草の根無償協力を通じて同センターの拡充を支援してきた。
(4) 5月4日午後、ダルエスサラームにあるムヒンビリ国立病院を訪問。我が国が技術協力等を提供する母子保健の現場(産科、新生児・小児病棟)及びHIV/エイズ対策を目的とした「自発的カウンセリング及び検査センター」を視察。

  • (写真)住友化学合併蚊帳工場視察
    住友化学合併蚊帳工場視察
  • (写真)オロフ・パルメ孤児教育センター視察
    オロフ・パルメ孤児教育センター視察

参考)住友化学合弁蚊帳工場
 住友化学は、2003年にタンザニアの蚊帳メーカー「A to Z社」に技術を無償供与。同年9月、マラリア予防用に防虫剤を練り込んだ蚊帳「オリセットネット」の現地生産を開始。その後、需要増に対応するため、合弁会社「ベクターヘルスインターナショナル社」を設立(2007年2月生産開始)。


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