中華人民共和国

平成30年9月27日
日中外相会談1
日中外相会談2
日中外相会談3

 国連総会に出席するため米国・ニューヨーク出張中の河野太郎外務大臣は,現地時間9月27日,午後4時30分(日本時間:28日午前5時30分)から約40分間(逐次通訳),中国の王毅・国務委員兼外交部長との間で,日中外相会談を行ったところ,概要以下のとおり。

1 冒頭

(1)王毅国務委員兼外交部長から,再会を嬉しく思うとしつつ,以下のとおり述べた。

ア 最近,日中両国の間では一連の前向きなやり取りが続いている。先般,ウラジオストクでは,習近平国家主席と安倍総理との間で,日中関係の健全な改善の勢いを保つことについて共通認識が達成された

イ 双方の間では,本年5月の李克強総理訪日の成果のフォローアップについて議論が行われており,また,近く行われる安倍総理の訪中についても事務レベルで接触を行っている。

ウ 現在の勢いを大切にし,40周年の契機を捉え,お互いに歩み寄って,「正常な軌道」に沿って,日中関係を健全かつ安定的に発展させていく必要がある。

(2)河野大臣から,中国からの先般の台風及び地震の被害に対するお見舞い等の謝意を述べた上で,以下のとおり述べた。

ア 外相レベルにおける頻繁なやり取りは,日中両国の関係が,隣国としてあるべき姿を取り戻しつつあることを示しており,大変喜ばしい。

イ 先日のウラジオストクでの日中首脳会談も非常に和やかな雰囲気の下で実施。両首脳間の相互信頼が更に深まった。

ウ 双方は,来月にも総理の訪中を実施することで既に一致しており,本日は,日中両国がこの重要な次の一歩をどのように刻むべきか,具体的に議論したい。

エ また,北朝鮮の問題についても,最近の情勢を踏まえ,日中両国の連携の在り方について議論したい。

2 日中関係

(1)双方は,先日のウラジオストクでの安倍総理と習近平国家主席との日中首脳会談が非常に和やかな雰囲気の下で行われ,両首脳間の相互信頼の深化につながる会談となったことを歓迎した。その上で,10月にも実施する方向で調整中の安倍総理の訪中を成功させるべく,外交当局として万全の準備を行っていくことで一致した。

(2)双方は,経済分野について,第三国における日中民間経済協力や金融協力の深化等,李総理訪日の際の成果を確実に具体化するとともに,イノベーションや知的財産保護に関する意思疎通を強化していくことで改めて一致した。

(3)双方は,両国関係の基盤である国民感情,特に若い世代の相互認識の改善のために引き続き国民交流の促進に努めていくことで一致した。また,各分野における外交当局間の意思疎通についても,一層の強化に努めることで一致した。

(4)双方は,東シナ海の安定の重要性で一致した。河野大臣からは,日中関係を真に安定的な発展の軌道に乗せていくためには,資源開発問題を含め,海洋・安全保障分野における具体的な進展が必要である旨を改めて強調した。

3 北朝鮮情勢

(1)双方は,先般の南北首脳会談及び今次国連総会の機会における一連の会談等が,日中共通の目標である朝鮮半島の非核化につながることが重要であるとの認識を共有し,引き続き緊密に連携していくことで一致した。

(2)河野大臣からは,安保理決議の完全な履行の重要性に関する共通の認識に基づき,「瀬取り」への対応等について,中国と共に取り組んでいきたい旨述べた。


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