ラオス人民民主共和国
トンルン・ラオス首相への表敬

5月5日(水曜日),ラオス訪問中の岸田文雄外務大臣は,現地時間午前9時から約40分間,トンルン(H.E.Dr. Thongloun Sisoulith)ラオス首相へ表敬を行ったところ,概要は以下の通り。


1 二国間関係
(1)冒頭発言・要人往来
冒頭,トンルン首相から,本年2月の東京における会談以来の再会を嬉しく思う,岸田大臣の初のラオス訪問を歓迎する,5月末にG7伊勢志摩サミットアウトリーチ会合への出席のため訪日することを楽しみにしている旨述べるとともに,先般の熊本における地震に関し,お見舞いの意の表明がありました。
これに対し,岸田大臣から,あたたかい歓迎に感謝,再会を嬉しく思うと述べた上で,トンルン首相の就任に祝意を表明し,ラオス新指導部との間でも「戦略的パートナーシップ」の更なる発展に努めたい旨述べました。また,熊本地震に対するラオス政府からのお見舞いに感謝の意を表しました。
岸田大臣から,G7伊勢志摩サミットアウトリーチ会合への出席に謝意を表明するとともに,ASEAN議長国として,積極的かつ率直に発言頂きたい旨述べました。
これに対し,トンルン首相からは,ASEAN議長国として同会合に参加することを楽しみにしている,また,9月のASEAN関連首脳会議の際に安倍総理をお迎えすることを楽しみにしているとの発言がありました。
また,トンルン首相から,直行便就航に向け岸田大臣からも後押しいただきたいとの発言があり,岸田大臣から先般日ラオス航空協定が国会で承認された,今後,直行便就航の可能性について考えていくべき旨述べました。
(2)経済協力
岸田大臣から,日本は,ラオスの経済社会開発5か年計画を踏まえ,ラオスのLDC脱却に向けて一層の支援をしていく,2日にバンコクで行ったASEANスピーチで「日・メコン連結性イニシアティブ」を発表したことに触れつつ,メコン諸国と緊密に連携し,質の高いインフラ整備とともに,制度改善,人材育成等のソフト面での支援を実施していくことで「生きた連結性」を強化することにつなげたい旨述べました。
これに対し,トンルン首相からは,同イニシアティブへの理解と賛同の意を表明するとともに,これまで自分も日メコン外相会議に出席してきたが,日メコン協力に基づく日本の支援に感謝,中長期的な「開発協力共同計画」についても二国間の協力関係を強化することにつながる,日本からの支援をラオス国民にしっかりと届けていきたい旨の発言がありました。
2 ASEAN
岸田大臣から,日本は,本年のASEAN関連会議に向けて,ラオスの優先8分野をはじめとする取組を全面的に支援し,議長国ラオスを支えていく旨を表明した上で,日本が本年の一連の会議で,(1)ASEAN共同体強化,(2)EAS強化策の着実な実施等,(3)地域の喫緊の課題を特に重視していることを伝えました。
これに対し,トンルン首相から,議長国として様々な問題に直面すると思うが,全力で問題解決に努めていきたい,日本ともしっかり協議を行い文書のとりまとめに努めたい,日本からのASEAN議長国支援を十分に活用していきたいとの発言がありました。