報道発表
中央アフリカ及び南スーダンに対する国連世界食糧計画を通じた無償資金協力(食糧援助)に関する書簡の交換
1 本13日(現地時間12日),イタリアのローマにおいて,我が方梅本和義駐イタリア大使と先方アーサリン・カズン国連世界食糧計画(WFP)事務局長(Ms.Ertharin Cousin, Executive Director, the United Nations World Food Programme)との間で,中央アフリカ及び南スーダンに対するWFPを通じた食糧援助として,総額3億2,000万円の無償資金協力に関する書簡の交換が行われました。
食糧援助の供与対象国(カッコ内は供与額)
(1)中央アフリカ (1億8,000万円)
(2)南スーダン (1億4,000万円)
2 各国事情
(1)中央アフリカでは,長年の内戦により多くの難民が生じており,2016年3月に民主的な手続きを経て新政権が発足したものの,依然として治安情勢は不安定であり,2016年6月及び同年9月にも暴動が発生し新たな難民が発生しています。同国人口の半分以上に相当する約250万人が食糧不足の状況にあり,うち75万人以上は極度の食糧不足に直面しています。
(2)南スーダンは,2011年7月に独立を果たしましたが,20年にわたる内戦は同国経済状況の悪化を招き,住民の基礎生活環境に大きな影響を及ぼしました。また,2013年末及び本年7月に起こった治安情勢の悪化の影響もあり,160万人を超える国内避難民が発生しており,人道支援の必要性が依然として高い状況にあります。同国においては,上述の治安情勢の影響から,農業生産基盤が脆弱であるため,食糧自給率は極めて低いとされており,食糧の輸入額はGDP比15%以上に上ります。
3 今回の協力は,各国政府の要請を踏まえ,WFPを通じ,食糧を供与することにより,同国の食料安全保障を改善し,開発課題の解決に寄与すること等を目的として,食糧援助を実施するものです。
4 我が国は,TICADVIにおいて,食料安全保障の促進を表明(PDF)しており,本件はこれを具体化するものです。また,中央アフリカ及び南スーダンの深刻な食糧不足の状況にかんがみ,人道支援の見地から,国際機関を通じた食糧援助を実施することは二国間関係の強化の観点からも重要です。