報道発表
薗浦外務副大臣の世界貿易機関非公式閣僚会合等への出席(結果)
10月21から22日(現地時間同日)まで,薗浦健太郎外務副大臣は,ノルウェーのオスロで開催された「世界貿易機関(WTO)非公式閣僚会合」に出席したところ,概要以下のとおりです。(なお,本会合に併せて新サービス貿易協定(TiSA)非公式閣僚会合,環境物品協定(EGA)非公式閣僚会合が開催されました。)
1 出席者(25か国・地域から閣僚若しくは代理及びロベルト・アゼベドWTO事務局長が出席)
2 議論の概要
(1)今後のWTO交渉のあり方につき,2017年12月に予定されている第11回WTO閣僚会議(MC11)とその後を見据えた議論が行われしました。全体として少人数で親密な雰囲気の中前向きな論調が大勢を占めました。
(2)初日の,第一セッションでは,多角的貿易体制の保護とWTOの強化について,MC11に向けた政治的意思の確認及び保護主義が高まる中でWTOとして成果を得ることの必要性について議論が行われました。第二セッションでは,国際貿易を通じた経済成長の促進について,途上国への特別な配慮を含め,農業の国内補助金,漁業補助金,電子商取引,中小企業等といった課題をどのように進めていくべきか議論が行われました。
(3)二日目の,第三セッションでは,地域間貿易協定(RTA)について,RTAにおける経験はWTOにおける交渉にどのように活用できるのか,RTAではなくWTOを交渉の場とすべき課題は何か等について議論が行われました。第四セッションでは,MC11において考え得る成果の内容及び水準並びにMC11後のWTOのあり方等について議論が行われました。
(4)今般の会合を通じて,保護主義の圧力が高まる中,各国がMC11の成功に向けて,お互いの信頼醸成が大切である点,高すぎる野心を設定することによるリスクは避け,閣僚会合毎に成果を積み重ねることができるよう実現可能な分野について「漸進的な」成果を作るべく交渉を進めるべき点等については一定の合意が見られました。
(5)会合では,薗浦副大臣から,現在一部に反貿易の主張が強まっている中,MC11においても着実な成果を挙げる必要がある。そのためには「大きな飛躍(major leaps)」を求めるのではなく,各国の事情にも配慮した「現実的で漸進的な(incremental)アプローチ」が必要。大切なことはドーハラウンドの残された課題であるか,新たな課題であるかにかかわらず,貿易を通じた成長の達成のために必要な課題について議論を深めていくこと、等の発言がありました。
3 環境物品協定(EGA)非公式閣僚会合
(1)EGA閣僚会合参加メンバー:日本,米国,カナダ,オーストラリア,ニュージーランド,EU,スイス,ノルウェー,シンガポール,韓国,中国及びWTO事務局長
(2)議長から直前にジュネーブで行われた交渉会合の報告を踏まえ現状認識を閣僚レベルで共有しました。G20サミットでコミットされた年内の交渉妥結を再確認するとともに,切迫感を持ちつつ,残された課題についての解決策を模索するために寿府の各メンバー国大使が一層関与する必要性についての認識が共有されました。