報道発表

GHIT・UNDPとの連携を通じた医薬品等の研究開発等の促進に向けた貢献策

平成28年5月20日

1 本20日,政府は,グローバルヘルス技術振興基金(GHIT)による顧みられない熱帯病等の治療薬等の研究開発の促進,及び国連開発計画(UNDP)による治療薬等の供給準備・供給支援のため,1億3,000万ドルの資金貢献策を行うことを決定しました。

2 開発途上国を中心に蔓延する「顧みられない熱帯病」(NTDs)等の疾病の治療薬の研究開発は,先進国において需要が少ない等の理由から充分になされていません。このため,2013年には,日本の製薬企業,研究機関,大学が持つ高い新薬開発技術を活用し,途上国の保健医療の解決に貢献するための官民パートナーシップとしてGHITが設立され,これまでNTDs,結核,マラリアの診断薬,治療薬,ワクチンの研究開発が進められて来ました。

3 本年,日本は,持続可能な開発目標(SDGs)採択後に初めて開催されるG7サミットの議長国を務めます。2030年までのNTDsの根絶は,SDGsの一つであり,伊勢志摩サミットにおいても,NTDs等の研究開発の促進を含めた国際保健に光が当てられます。今回の日本政府からの発表を受け,今後,民間側からも応分の資金的貢献がなされ,途上国に蔓延する感染症等の対策に向けた取組の一層の進展が期待されます。

(参考)
(1)この発表は,持続可能な開発目標(SDGs)推進本部第一回会合において,同本部本部長を務める安倍晋三内閣総理大臣から行われた。

(2)顧みられない熱帯病(NTDs)
 熱帯地域を中心に蔓延している寄生虫や細菌による感染症は,先進国から主要な疾患と考えられてこなかったことから,顧みられない熱帯病(Neglected Tropical Diseases, NTD)と呼ばれている。世界保健機関(WHO)では,デング熱,オンコセルカ感染症, 住血吸虫症,シャーガス病,リーシュマニア症など17疾患群をNTDsと定義している。


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