報道発表
岸田外務大臣と天野国際原子力機関事務局長との会談


本25日午後2時30分頃から約15分間,岸田文雄外務大臣は,外務省において,天野之弥国際原子力機関(IAEA)事務局長と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
1 岸田大臣から,核セキュリティ,イラン核合意の検証・監視,北朝鮮の核問題への対応,原子力の平和的利用等におけるIAEAの取組に対する高い評価を述べるとともに,特に,天野事務局長が掲げる「平和と開発のための原子力」に心から敬意を表する旨,天野事務局長のリーダーシップを期待しており,引き続き,IAEAの重要性に鑑み,連携していきたい旨述べました。 また,サイバースドルフ原子力応用研究所改修事業(ReNuAL)に対し,平和的利用イニシアティブ(PUI)を通じて200万ユーロを支出し,IAEAの取組を支援していく旨述べました。
2 これに対し,天野事務局長から,平成28年熊本地震に対するお見舞いとともに,先般のG7広島外相会合の成功に対する祝意を述べつつ,IAEAの活動に対する日本の支援に謝意を述べました。また,イランの核問題合意の検証・監視,北朝鮮の核問題を始めとするIAEAの最近の活動につき説明がありました。さらに,核セキュリティや原子力の平和的利用の促進を始めとして,今後とも日本と緊密に連携していきたい旨述べました。
(参考)国際原子力機関(International Atomic Energy Agency: IAEA)
(1)1957年にIAEA憲章に基づき,原子力の平和的利用の促進と原子力の軍事的利用への転用防止等を目的として設立された国際機関(現在168か国が加盟)。
(2)IAEAは,保健・医療,食料・農業,水資源管理,工業適用等の非発電分野及び原子力発電分野において原子力の平和的な利用の促進のための技術協力を途上国に対し実施してきている。
(3)また,核物質などが軍事的目的に資するような方法で利用されないことを確保するための検認を各国との保障措置協定及び追加議定書に基づいて実施。
(4)我が国は,より多くの国がこれらを締結することにより国際的な核不拡散体制が強化されるよう,IAEAと連携して関係国への働きかけや支援を行ってきている。
(5)天野事務局長は,2009年12月に事務局長に就任し,2013年12月に再任された。
(6)ウィーン郊外のIAEAサイバースドルフ原子力応用研究所は,近代化を目的とし,改修事業(ReNuAL)が進められている。