報道発表
バングラデシュに対する円借款に関する書簡の交換
1 12月13日(現地時間同日),バングラデシュの首都ダッカにおいて,我が方渡邉正人駐バングラデシュ大使と先方モハマド・メジバフッディン財務省経済関係局上級次官(Mr. Mohammad Mejbahuddin, Senior Secretary, Economic Relations Division, Ministry of Finance)との間で,合計1,332億6,500万円を限度額とする円借款に関する書簡の交換が行われました。
2 対象案件の概要(案件地図(PDF))
(1)外国直接投資促進計画(Foreign Direct Investment Promotion Project)(供与限度額:158億2,500万円)
この計画は,バングラデシュへの外国直接投資の促進を図るため,ツーステップ・ローン,エクイティバックファイナンス円借款及び周辺インフラの整備等を実施するものです。これにより,外国直接投資の促進を図り,もって同国の製造業の高付加価値化及び産業の多角化による全国民が受益可能な経済成長の加速化に寄与することが期待されます。
(2)ダッカ-チッタゴン基幹送電線強化計画(Dhaka-Chittagong Main Power Grid Strengthening Project)(供与限度額:437億6,900万円)
この計画は,バングラデシュの首都ダッカと同国最大の商業都市チッタゴンの間に高圧基幹送電線及び変電施設を敷設するものです。これにより,同国の電力の安定的供給を図り,もって全国民が受益可能な経済成長の加速化及び気候変動の緩和に寄与することが期待されます。
(3)西部バングラデシュ橋梁改良計画(Western Bangladesh Bridge Improvement Project)(供与限度額:293億4,000万円)
この計画は,主にバングラデシュ西部地域において橋梁の架け替え及び新設を行うものです。これにより,道路ネットワークの安全性及び効率性の向上を図り,もって全国民が受益可能な経済成長の加速化に寄与することが期待されます。
(4)母子保健及び保健システム改善計画(Maternal, Neonatal and Child Health (MNCH) and Health System Improvement Project)(供与限度額:175億2,000万円)
この計画は,母子保健に係る人材育成及び機材整備並びに看護師の教育設備改善に係る活動を実施するとともに,非感染性疾患の検査体制強化への支援を実施するものです。これにより,母子保健サービスの改善及び保健システム強化を図り,もって社会脆弱性の克服に寄与することが期待されます。
(5)都市建物安全化計画(Urban Building Safety Project)(供与限度額:120億8,600万円)
この計画は,バングラデシュの主要都市圏において,民間建物安全化のためのツーステップ・ローン及び公共建物の安全化を行うものです。これにより,都市圏の建物安全性の強化を図り,もって災害被害の軽減を通じた社会脆弱性の克服に寄与することが期待されます。
(6)地方行政強化計画(Upazila Governance and Development Project)(供与限度額:147億2,500万円)
この計画は,バングラデシュの農村部において,生活基盤インフラ整備及び地方行政官への研修・技術指導等を行うものです。これにより,住民への行政サービス提供の向上及び行政能力の改善を図り,もって社会脆弱性の克服に寄与することが期待されます。
3 供与条件
(1) | 金利 | : | 年0.01% |
(2) | 償還期間 | : | 40年(10年の据置期間を含む。) |
(3) | 調達条件 | : | 一般アンタイド |
4 なお,上記2(2)の案件については,我が国の気候変動分野の途上国支援策の一環(PDF)として実施するものです。我が国としては,全ての国による公平かつ実効性のある国際枠組みの構築に向け,バングラデシュと引き続き気候変動分野で連携していきます。
(参考1)バングラデシュ人民共和国基礎データ
バングラデシュは,面積約14万7千平方キロメートル(日本の約4割),人口約1億5,940万人(2015年,バングラデシュ統計局)であり,人口1人当たりの国民総所得 (GNI)は1,080米ドル)2014年,世界銀行)。
(参考2)
エクイティバックファイナンス円借款とは,開発途上国政府・国営企業等が出資をする官民連携(PPP)インフラ事業に対して,日本企業も事業運営主体に参画する場合,相手国の公共事業を担う特別目的会社(SPC)に対する相手国側の出資部分に対して貸し付ける円借款の形態。