バングラデシュ人民共和国

バングラデシュ人民共和国(People's Republic of Bangladesh)

基礎データ

平成31年4月1日

  • バングラデシュ人民共和国国旗

一般事情

1 面積

14万7千平方キロメートル(日本の約4割,バングラデシュ政府)

2 人口

1億6,365万人(2018年1月,バングラデシュ統計局)

3 首都

ダッカ

4 民族

ベンガル人が大部分を占める。ミャンマーとの国境沿いのチッタゴン丘陵地帯には,チャクマ族等を中心とした仏教徒系少数民族が居住。

5 言語

ベンガル語(国語),成人(15歳以上)識字率:72.9%(2017年,バングラデシュ統計局)

6 宗教

イスラム教徒88.4%,その他(ヒンズー教徒,仏教徒,キリスト教徒)11.6%(2017年,バングラデシュ統計局)

7 略史

年月 略史
1947年8月14日 パキスタンの一部(東パキスタン)として独立
1971年12月16日 バングラデシュとして独立

政治体制・内政

1 政体

共和制

2 元首

Md. アブドゥル・ハミド大統領

3 議会

一院制(総議席350)

4 政府

(1)首相
シェイク・ハシナ
(2)外相
A.K. アブドゥル・モメン

5 内政

  • (1)バングラデシュは,二度の独立(1947年の印パ分離独立及び1971年の西パキスタンからの独立)を経て誕生した。インドからの分離独立は,宗教(イスラム)をアイデンティティの基盤に据えたものであったのに対し,1971年の独立は,ベンガルという民族を基盤に成し遂げられたものであった。
  • (2)独立後は国父ボンゴボンドゥ・ムジブル・ラーマンの下で国造りが進められたが,1975年,国軍将校によるクーデターによりムジブル・ラーマンが暗殺されたことにより,長期に亘り軍政が敷かれることになった(ジアウル・ラーマン政権(1977年~1981年)。しかし,1990年,エルシャド大統領が退陣に追い込まれた結果,民主化へ向けた道筋がつけられ,以降,2大政党(BNP,アワミ連盟)のいずれかが政権を交互に担う歴史を辿ってきた。1991年の憲法改正では大統領制から議院内閣制へと移行し,一部期間を除き,基本的に5年ごとに総選挙が実施されてきている(1991年,1996年,2001年,2008年,2014年,2018年)。
  • (3)2009年に誕生したハシナ・アワミ連盟政権は,独立50周年にあたる2021年までに中所得国になることを目標とする「ビジョン2021」政策をかかげ,全国IT化を目指す「デジタル・バングラデシュ」を打ち出した。2014年には,BNP率いる野党18連合がボイコットするまま総選挙が実施され,与党アワミ連盟が圧勝した。選挙直後は内外から新政権の正統性を疑問視する声が上がったが,その後,野党勢力が弱体化する中で,国内世論は新政権是認に傾き国内情勢は比較的安定した。
  • (4)2015年に入り,総選挙1周年を機に野党連合が再び反政府運動を強め,2月~3月にかけて100人以上の死者が発生する事態となった。また,世俗的な作家・ブロガーに対する襲撃事件が散発的に発生するようになり,9月にはイタリア人がダッカ市内で,10月には邦人が北西部で殺害されるなど,過去に見られなかったような外国人を標的とした襲撃が行われるようになった。その後もイスラム教シーア派やヒンドゥー教宗教関連施設等を狙った襲撃事件が続き,こうした中,2016年7月,ダッカ市内の外国人居住区にあるレストランにて,日本人7名を含む22名が犠牲となるダッカ襲撃テロ事件が発生した。ハシナ首相はテロを一切容認しない「ゼロ・トレランス」を掲げ,過激派の摘発に全力で取り組んでいる。
  • (5)2018年12月の総選挙において、与党が圧勝。ハシナ首相はバングラデシュ史上初の3期連続で首相就任。
  • (6)国内南東部に広がるチッタゴン丘陵地帯は数多くの少数民族が居住する地域で,ミャンマーや印北東州とのつながりが強い地域であったが,独立後,多数を占めるベンガル・イスラム系住民の入植が進められた結果,少数民族との間で摩擦が高まり,武力衝突にまで発展した。その後,1997年の和平協定の調印によって少数民族とベンガル人入植者との間での抗争は終結した。
  • (7)また,1990年代以降,バングラデシュと国境を接するミャンマー・ラカイン州からイスラム教徒の「ロヒンギャ」が国境を越え難民として流入していたが,2017年8月,「ロヒンギャ」武力勢力によるミャンマー治安部隊等に対する襲撃事件により,バングラデシュに新たに約70万人の避難民が流入し,人道状況が悪化した。国連によれば,現在,国内に約90万人の「ロヒンギャ」難民が避難している。

外交・国防

1 外交基本方針

 国父ムジブル・ラーマンは,「敵意なく全ての国と友好を」というスローガンを掲げ,全方位外交を提唱。インドを初めとする南アジア諸国やイスラム諸国を初め,日本を含む主要援助国を中心に友好関係を構築してきた。2016年10月には習近平・中国国家主席が訪問し,中国との関係も急速に強まっている。SAARC(南アジア地域協力連合),ベンガル湾多分野技術経済協力イニシアティブ(BIMSTEC),南アジア・サブリージョナル経済協力(SASEC),非同盟グループ(NAM),イスラム諸国会議機構(OIC),英連邦等のメンバー。また国連平和維持活動に積極的に参加し,要員派遣数は6958人で,全派遣国中4位(2017年5月現在)。

2 軍事力(The Military Balance 2013

(1)予算
2908億タカ(2018/2019年度)
(2)兵役
志願制
(3)兵力
陸軍162,125人,海軍25,081人,空軍17,390人(報道)

経済(単位 米ドル)

1 主要産業

衣料品・縫製品産業,農業

2 実質GDP

1,800億ドル(2017年,世界銀行)

3 一人当たりGDP

1,675ドル(2018年度,バングラデシュ統計局/財務省)
(注)バングラデシュの会計年度は7月~翌年6月末。2019年度は,2018年7月から2019年6月末まで。以下,同様。

4 経済成長率(GDP)

7.86%(2018年度,バングラデシュ統計局/財務省)

5 消費者物価指数上昇率

5.78%(2018年度,バングラデシュ中央銀行)

6 労働人口市場(2017年度,バングラデシュ統計局)

6,350万人 農業(40.6%),サービス業(39.0%),工業/製造業(20.4%)

7 GDP内訳(2018年度,バングラデシュ中央銀行)

サービス業(52.11%),工業/製造業業(33.6%),農林水産業(14.23%)

8 総貿易額(2018年度,バングラデシュ中央銀行)

(1)輸出
367億ドル
(2)輸入
529億ドル

9 主要貿易品目(2018年度,バングラデシュ中央銀行)

(1)輸出
衣類品(ニット含む)(69.4%),ジュート製品(2.8%),魚介類(1.5%),革製品(2.2%),ホーム・テキスタイル(1.4%)
(2)輸入
綿花・綿製品(12.6%),機械設備・部品(11.1%),鉱物・石油製品(9.4%),穀物類(6.1%),機械機器(5.4%),鉄鋼品(4.6%),プラスチック製品(3.6%),食用油(3.4%),自動車・車両部品(3.2%)

10 主要貿易相手国(2018年度,バングラデシュ中央銀行)

(1)輸出
ドイツ(13.2%),米国(12.2%),英国,スペイン,フランス,イタリア,ポーランド,オランダ,カナダ,日本,インド(以上輸出額が多い順)
(2)輸入
中国(23.3%),インド(14.1%),シンガポール,日本,インドネシア,韓国,米国,マレーシア

11 海外(移住者,労働者等)からの送金

149.8億ドル(バングラデシュ中央銀行 2018年度)

12 通貨

タカ

13 為替レート

1米ドル=82.1タカ(2018年度平均,バングラデシュ中央銀行)

14 経済概況

  • (1)政府発表によれば,2018年度(2017年7月-2018年6月)のバングラデシュ経済は,7.86%の経済成長率を達成した経済成長の3本柱である輸出,海外労働者送金,農業セクターのうち,縫製品輸出及び海外労働者送金は対前年度比増加した。しかし,輸出品の約8割が衣類品である点,海外労働者の海外送金への依存等構造的な脆弱性に加えて,天然ガスの枯渇によるエネルギーを中心とした輸入の増加が見込まれるため,今後の持続的発展に向けて,産業の多角化,財政構造の改革が課題である。また,海外からの更なる投資促進のため,電力・道路等の基礎インフラの整備が急務である。
  • (2)バングラデシュの財政は慢性的な赤字となっており,これを外国援助と国内銀行借入等で補填する構造となっている。これは,主に政府の徴税能力及び歳入基盤の脆弱性,また非効率な国有企業に対する財政による赤字補填に起因している。
  • (3)予算は主に一般予算(Revenue Budget)と開発予算(Annual Development Programme)により構成され,2019年度(2018年7月-2019年6月)予算案ではそれぞれ28,242億タカ,17,967億タカとなり,全体として4兆6,457億タカの対前年補正比25%増の拡張型予算となっている。2019年度年次開発予算案では人間開発(26.9%),交通(26.3%),農業・農村開発(21.8%),電力・エネルギー(14.3%)に配分。
  • (4)順調な経済成長を背景に,2015年には世界銀行の分類で低中所得国となり,2018年3月には国連のLDC卒業基準3項目を全て達成した。

経済協力(単位 億円)

日本の援助実績(2016年度)

(1)有償資金協力
1,735.38(累計総額 13,734.38(E/Nベース))
(2)無償資金協力
35.77(累計総額 4,840.48(E/Nベース))
(3)技術協力
41.55(累計総額 811.19(JICA経費ベース))

二国間関係

1 政治関係

経済協力関係を中心に友好関係が発展。極めて親日的な国民性。

1972年2月10日
日本側,バングラデシュを承認
1972年3月3日
バングラデシュ,東京に大使館開設
1972年7月1日
日本側,ダッカに大使館開設

2 経済関係

(1)対日貿易(単位:百万ドル)
(ア)貿易額
  2013-14年 2014-15年 2015-16年 2016-17年 2017-18年
輸出 862 915 1,080 1,013 1,132
輸入 1,291 1,816 2,075 2,031 2,422
(イ)主要品目(2016年)
輸出 既製服,ニット製品,革・革製品,靴・帽子,革製品等
輸入 車両,機械・電気製品,ベース金属,織物用糸及び繊維製品, 光学・精密機器
(2)日本からの直接投資(2016年度バングラデシュ財務省)(単位:百万ドル)
  2012-13年 2013-14年 2014-15年 2015-16年 2016-17年
投資額 99.04 64.9 77.74 34.61 44.47

3 文化関係

国費留学生の受入,文化無償協力の実施,青少年招聘事業など

4 在留邦人数

964人(2018年10月1日現在)

5 在日当該国人数

14,948人(2018年6月,入国管理局)

6 要人往来

(1)往
年月 要人名
1975年 皇太子同妃両殿下御立ち寄り
1977年 鳩山外務大臣
1972,1977,1980年 早川特使
1980年 愛知政務次官
1983年 石川政務次官
秋田特使
1987年 倉成外務大臣
1989年 福田元総理大臣
1990年 海部総理大臣
1994年 三塚日・バ議連会長
1995年 柳沢政務次官
1996,1998,2000,2001,2002年 桜井日・バ議員連盟副会長
2000年 森総理大臣
2003年 桜井日・バ議員連盟会長代行
2004年 桜井日・バ議員連盟会長
2005年 常田農林水産副大臣
2005年 谷川外務副大臣
2005年 逢沢外務副大臣
2006年 桜井日・バ議員連盟会長
2006年 町村前外務大臣
2006年 麻生外務大臣
2008年 坂本日・バ議員連盟幹事長,西村同事務局長
2009年 橋本外務副大臣
2011年 山花外務大臣政務官
2012年 岡田副総理
2014年 岸田外務大臣
2014年 安倍総理
2015年 関経済産業大臣政務官
2016年 木原外務副大臣
2017年 武井外務大臣政務官
2017年 堀井巌外務大臣政務官
2017年 河野外務大臣
2018年 薗浦総理補佐官
2018年 堀井厳外務大臣政務官
2018年 河野外務大臣
2019年 茂木経済財政担当大臣
2019年 阿部外務副大臣
(2)来
年月 要人名
1973年(公賓) ムジブル・ラーマン首相
1978年(国賓),1980年 ジアウル・ラーマン大統領
1985年(国賓) エルシャド大統領
1987年 チョードリー外相(第41回国連総会議長)
1989年(大喪の礼) チョードリー外相
1990年(即位の礼) マームド外相
1990年(LDCミッション) マームド外相
1991年(LDC東京フォーラム) ラーマン外相
1992年 アリ国会議長
1993年(外賓) ラーマン蔵相
1994年(公賓) ジア首相
1995年(LDCミッション) ラーマン外相
1997年 キブリア蔵相
ハシナ首相
1998年(外賓) アザド外相
2000年(小渕前総理葬儀,G8外相会談) アザド外相
2000年 チョードリー国会議長
2001年 カーン情報相
2002年(アフガン復興支援閣僚会合) カーン外相
2003年(外賓) カーン外相
2003年 アーメド法相
2005年(公実賓) ジア首相
2007年(ADB総会) イスラム財務担当顧問
2007年(外賓) チョードリー外務担当顧問
2009年 マームド首相特使(外務担当国務相)
2009年 ハミッド国会議長
2010年(公実賓) ハシナ首相,同行:ムヒト財相,モニ外相
2011年 ナヒド教育相
2011年 ムヒト財務相
2011年 カーン商業相
2012年 ラザック食糧災害相
2012年 カデル商業相
2012年 モニ外相
2012年 ムヒト財相
2013年 ムヒト財相,アザド文化相,リズヴィ首相顧問
2013年 シディック繊維・ジュート相
2014年 ラーマン中央銀行総裁
2014年 (公賓)ハシナ首相
2014年 チョードリー国会議長
2014年 メノン民間航空・観光相
2014年 ナシド教育相
2014年 ナシム保健相
2015年 マームド水資源相
2015年 マンナン財務国務相,ラーマン中央銀行総裁
2015年 チョードリーIPU議長,マヤ防災管理相(防災会議出席)
2015年 パラク郵政情報通信IT国務相
2015年 カデル道路交通橋梁省相
2015年 チョードリーIPU議長
2015年 カマル計画相
2016年 ハシナ首相(G7伊勢志摩サミット出席)
2016年 パラク郵政情報通信IT国務相
2016年 ホック法務・司法・議会担当相
2016年 ムヒト財相
2017年 (ADB総会)ムヒト財相
2017年 アラム外務担当国務相
2018年 ジャバール郵政・情報通信技術大臣
2018年 (外賓)アリ外務大臣
2018年 アーメド商業大臣

7 二国間条約・取極

  • 青年海外協力隊派遣取極
  • 航空協定
  • 文化協定
  • 租税条約
  • 投資保護協定
  • 技術協力協定
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