報道発表

日アイスランド外相会談

平成26年11月10日
日アイスランド外相会談

 本10日,岸田文雄外務大臣は,外務省賓客として訪日中であるアイスランドのグンナル・ブライエ・スヴェインソン外務大臣(H.E. Mr. Gunnar Bragi Sveinsson, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Iceland)と,午後7時30分から約1時間20分,ワーキングディナー形式で外相会談を行いました。会談におけるやりとりの概要は以下のとおりです。日本とアイスランドの関係強化に関する共同声明主要点(PDF)PDF仮訳(PDF)PDF英文(PDF)PDF

1 冒頭

 岸田大臣から,スヴェインソン大臣の初の訪日を歓迎するとともに,在アイスランド大使館に初の常駐特命全権大使として志野光子大使を派遣した本年は両国関係にとって大きな節目の年であり,直後に大臣をお迎えでき嬉しい旨述べました。また,積極的平和主義を掲げ,女性が活躍する社会を標榜する日本にとりアイスランドは様々な課題で協力できるパートナーであり,2016年の外交関係樹立60周年を視野に,両国関係強化について協議したい旨述べました。これに対し,スヴェインソン大臣は,初めて訪日できて嬉しい,両国は,島国,漁業国等,共通点が多く,今後もビジネス,貿易分野でも両国関係を促進していきたい旨述べました。

2 海における法の支配・積極的平和主義

 岸田大臣から,「海における法の支配」の重要性につき述べるとともに,積極的平和主義に基づく日本の安全保障政策について説明しました。これに対しスヴェインソン大臣から,日本の立場は,アイスランドが支持してきた考えと一致している,国際法の重視が国際的な安全保障に繋がる旨の発言がありました。

3 国連改革

 岸田大臣から,国連創設70周年にむけて,国連安保理改革を含む国連改革について具体的成果を得るべく協力していきたい旨述べたのに対し,スヴェインソン大臣は日本を含む安保理常任理事国の拡大等,国連改革の必要性に賛同の意を表明しました。

4 北極

 岸田大臣から,10月31日~11月2日にアイスランドで開催された北極サークルにおいて,日本のための特別セッションが設けられたことに謝意を表明するとともに,北極における環境変化による可能性と課題において,一層協力していきたい旨述べました。これに対し,スヴェインソン大臣は,北極圏においては海洋法に基づく行動が重要である旨述べるとともに,北極評議会のオブザーバーとなった日本の更なる貢献を期待している旨述べました。

5 防災

岸田大臣から,火山国である両国間で,火山災害のリスク削減及び救援に関し,協力していきたい旨述べました。また,来年3月に仙台市で開催される第3回国連防災世界会議の成功に向けて協力していきたい旨述べました。これに対し,スヴェインソン大臣より,アイスランドでは現在も火山の噴火活動が継続中である,火山の噴火予測,救援等について,今後,両国の知見を共有し,協力を促進していきたい旨述べました。

6 捕鯨問題

 岸田大臣から,国際捕鯨委員会(IWC)への対応も含め,捕鯨問題に関し引き続き連携していきたい旨述べたのに対し,スヴェインソン大臣は,捕鯨は両国が長く協力してきた分野であり,今後も協力していきたい述べました。

7 北欧・バルト諸国との協力,ジェンダー平等

 岸田大臣から,先月ミラノで開催された北欧・バルト諸国(NB8)の初の首脳会合へのアイスランド参加に謝意を表明するとともに,女性の社会参画等の分野でアイスランドの知見も生かしつつ協力していきたい旨述べました。これに対し,スヴェインソン大臣は,アイスランドが主導する来年1月にニューヨークで開催予定の男性のみの参加による女性に対する暴力をテーマとした国際会議につき紹介するとともに,この分野でも日本との協力を深めていきたい旨述べました。

8 その他

 これらに加えて,両大臣は,地熱を含む経済分野での具体的な協力の進展に期待を表明するとともに,青少年交流,日本語教育について連携強化することで一致しました。また,岸田大臣から本日開催された日中首脳会談を含めた日中関係の現状につき説明したのに対し,スヴェインソン大臣は,今回の対話を第一歩として歓迎する旨述べました。
 なお,両大臣は,会談後,両国の関係強化に関する共同声明を発出しました。


報道発表へ戻る