報道発表

日・シンガポール外相会談(概要)

平成26年10月23日
日・シンガポール外相会談

 本23日午後1時40分頃から約60分間,岸田文雄外務大臣は,訪日中のK・シャンムガム・シンガポール共和国外務大臣兼法務大臣(H.E. Mr. K. SHANMUGAM, Minister for Foreign Affairs and Minister for Law, Republic of Singapore)との間で会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。

1 冒頭,岸田大臣から,地域の戦略環境が変化する中,地域と国際社会の平和と安定に向けた基本的な考え方を共有するシンガポールとの関係強化を重視しており,来月のASEAN関連首脳会議に向け,地域・国際社会の課題について忌憚なく意見交換したい旨を述べました。これに対し,シャンムガム大臣から,両国の協力関係は順調に発展しており意思疎通も緊密である,シンガポールとして,日本が地域においてより大きな役割を果たすことを重視しており,協力関係を一層強化していきたい旨述べました。

2 続けて,両大臣は以下の三点につき意見交換を行いました。

(1)2016年の日・シンガポール外交関係樹立50周年
 岸田大臣から,両国関係の着実な深まりを確認し,一層の交流強化に繋げる重要な機会であり,各種の記念行事等も活用し,両国民で盛大に祝いたい旨述べ,両大臣は,両国で連携して準備を着実に進めていくことで一致しました。

(2)良好な二国間関係の上に立った一層の協力の拡大
 岸田大臣から,両国は現在も非常に良好な協力関係にあるが,今後これを更に拡大していきたいとして,具体的取組として,JSPP21(注)を通じた第三国協力について,来年度以降,東南アジア以外の国からの研修員受入れを拡大することを提案しました。両大臣は,このような拡大を行うことにつき合意するとともに,詳細について今後事務方で検討を進めていくことで一致しました。

 また,岸田大臣から,安保法制整備の基本方針に係る閣議決定を含め,日本の「積極的平和主義」の取組について説明しました。シャンムガム大臣からは,日本の「積極的平和主義」を支持するとのシンガポールの立場につき改めて述べられるとともに,日本が地域の平和と安定に対し一層の役割を果たすことへの期待が述べられました。

(3)地域情勢・地域の枠組み
 岸田大臣からは,「海における法の支配」の重要性等の日本の基本的立場を説明するとともに,ASEANと中国との南シナ海行動規範(COC)の協議の進展への期待を伝達しました。そして,両大臣は,国際法遵守の重要性を確認しました。

 また,岸田大臣からは,来年のASEAN共同体構築に向けて今後もASEANを支援していく旨,また,来年で10周年を迎える東アジア首脳会議(EAS)の強化も重視しており,その中心となるASEANの努力を日本として全面的に支援していく旨を述べました。両大臣は,EASの強化の重要性を踏まえ,今後も協力していくことで一致しました。

3 この他,岸田大臣から,日米関係,日中関係等について説明を行いました。

(注)JSPP21(21世紀のための日本シンガポール・パートナーシップ・プログラム)
 1997年から開始された,日・シンガポール両国による第三国への技術協力の枠組み。主に東南アジア各国からの研修員をシンガポールに受入れ,日本からも専門家を派遣して,連結性向上,防災等の分野で研修を実施。


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