報道発表
ゴーティエ国際海洋法裁判所書記による中山外務副大臣表敬
本16日午後5時40分から約30分間,中山泰秀外務副大臣は,来日中のフィリップ・ゴーティエ国際海洋法裁判所書記(Dr. Philippe Gautier, Registrar, International Tribunal for the Law of the Sea (ITLOS))による表敬を受けたところ,概要は以下のとおりです。
1 冒頭,中山外務副大臣から,国際海洋法裁判所(ITLOS)書記としての初の来日を歓迎し,海における「法の支配」を極めて重視する我が国として,ITLOSが,柳井俊二前所長の3年間にわたるリーダーシップの下,海洋に関する紛争の平和的解決に重要な貢献を行ってきたことに敬意を表しつつ,ゴーティエ書記の活躍とITLOSの役割の更なる発展を期待する旨述べました。
2 また,中山外務副大臣は,ITLOS分担金の最大拠出国として,我が国が今後もITLOSへの協力を通じ,海における「法の支配」の推進に貢献していきたい旨述べました。
3 これを受け,ゴーティエ書記からは,ITLOSの最近の活発な活動について報告がされるとともに,我が国のITLOSに対する支持と貢献に対する謝意が表明されました。
(参考)国際海洋法裁判所(ITLOS)
1 ITLOSは,国連海洋法条約に基づき,1996年にドイツ・ハンブルクに設立。書記局は,裁判官(21名)を補佐し,裁判関連事務を行う。書記は,書記局の長であり,ゴーティエ書記(ベルギー国籍)は,2001年から現職。
2 我が国は,ITLOS分担金の最大拠出国であり,2014年予算における我が国分担額は,約154万ユーロ(約1.97億円。全体予算の約14.6%)であり。また,1996年のITLOS設立以降,一貫して裁判官を輩出している。
3 我が国がITLOSに付託された事案の当事者となった事件としては,日本の調査漁獲を巡る豪州及びニュージーランドとの間の紛争が付託された「みなみまぐろ」事件(ともに1999年),並びにロシアによる日本漁船の釈放を求めた「第88豊進丸」事件及び「第53富丸」事件(ともに2007年)がある。
4 柳井俊二裁判官(元駐米大使)は,2005年からITLOS裁判官を務め,また,2011年10月から本年9月末までITLOS所長を務めた。同裁判官は,本年6月に行われたITLOS裁判官選挙において再選された(任期は,2023年9月末まで。)。