報道発表
韓国による日本製ステンレス棒鋼に対するアンチ・ダンピング措置に関するWTO協定に基づくパネル設置
平成30年10月29日
- 本29日,世界貿易機関(WTO)紛争解決機関(DSB)は,韓国による日本製ステンレス棒鋼に対するアンチ・ダンピング(AD)措置に関し,我が国の要請を受け,WTO紛争解決手続に基づき,パネル(小委員会)を設置しました。
- 本件では,韓国が日本製ステンレス棒鋼に対して課しているAD措置について,「千九百九十四年の関税及び貿易に関する一般協定第六条の実施に関する協定(AD協定)」との整合性が問題となっています。
- 我が国としては,本件がWTOのルールに従って適切に解決されるよう,今後の手続を進めていく予定です。
[参考1]本件に関する経緯
(1)韓国は,2004年7月から,日本製ステンレス棒鋼に対し,AD税を賦課。その後,同措置を撤廃すれば,韓国国内産業への損害が存続又は再発するおそれがあるとして,2010年,2013年,2017年の3回に亘り,措置の延長を決定。
(2)我が国は,本年6月18日にWTO紛争解決手続に基づく日韓二国間協議を要請し,同年8月13日,二国間協議を開催。9月13日にDSBにパネル設置を要請。9月26日に行われたDSB定例会合の審議では被申立国(韓国)の反対によりパネル設置は行われなかったが,2回目の審議となる今回のDSB定例会合では,手続きに従い,パネルが設置された(紛争解決に係る規則及び手続に関する了解第6条1)。
[参考2]WTO紛争解決制度におけるパネルについて
他の加盟国による協定非整合的な措置によって不利益を被ったとする加盟国は,一定の期間内に,当事国間での協議を通じて紛争が解決されない場合,パネルに紛争を付託し,問題とされる措置と協定との整合性について判断を求めることができる。なお,当事国はパネルが扱った法律問題や法律解釈について不服がある場合は,最終審に相当する上級委員会に対して上訴することができる。