セントビンセント及びグレナディーン諸島

平成30年8月7日
儀じょう隊による栄誉礼及び儀じょう
(写真提供:内閣広報室)
儀じょう隊による栄誉礼及び儀じょう
(写真提供:内閣広報室)

 本7日午後6時15分から約40分間,安倍晋三内閣総理大臣は,実務訪問賓客として訪日中のラルフ・ゴンザルベス・セントビンセント及びグレナディーン諸島首相(Dr. the Hon. Ralph GONSALVES, Prime Minister of Saint Vincent and the Grenadines)と首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。会談には,西村康稔内閣官房副長官及び野上浩太郎内閣官房副長官他が同席しました。
 首脳会談後,両首脳による共同記者発表が行われました。その後,安倍総理大臣主催の夕食会が和やかな雰囲気の中で行われ,両国関係の幅広い話題に会話が及びました。

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    握手を交わす両首脳
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    日・セントビンセント首脳会談
    (写真提供:内閣広報室)

1 冒頭発言

(1)安倍総理大臣から,ゴンザルベス首相の訪日を歓迎するとともに,カリコム諸国首脳の最重鎮であるゴンザルベス首相と共に2014年の日・カリブ交流年を契機とし交流が活発化している,日・セントビンセント及び日・カリコム間の伝統的友好関係を一層強化していきたい旨述べました。

(2)これに対し,ゴンザルベス首相から,今回の訪日招待に謝意を表した上で,日本は世界が抱える諸課題の解決に資する豊富な知見を有しており,二国間及び日・カリコム協力も通じて国際社会におけるリーダーシップを発揮していただきたい旨述べました。

2 二国間関係

(1)安倍総理大臣から,日本はセントビンセントの脆弱性克服に寄与する協力を重視しており,防災・環境,水産分野を中心に引き続き協力を実施する旨述べました。また,両国の交流と友好の絆を拡大・深化させるべく,セントビンセント国民に対する数次ビザの発給要件の緩和を決定したことを伝えました。

(2)さらに,日・カリコム関係に関して,安倍総理大臣から,国際社会の平和と繁栄を実現するため,民主主義,法の支配等基本的価値を共有するカリコム諸国は重要なパートナーであり,ハイレベルの対話を今後も継続・強化していきたい旨述べました。

(3)ゴンザルベス首相からは,日本によるこれまでの協力に謝意を表しつつ,日本には引き続きカリブ地域を戦略的に重要な地域と捉えていただき,同国との多方面にわたる協力を継続してもらいたい旨期待を述べました。また,人的往来や日本からの投資の一層の促進に期待を表明しました。カリコムを通じた協力についても,東カリブ諸国機構(OECS)の議長国として日本との一層の協力強化に貢献していきたい旨述べました。

3 国際場裡での協力及び地域情勢

(1)両首脳は,安保理改革鯨類を含む海洋生物資源の持続可能な利用等国際場裡における協力関係を深化させていくことで一致しました。また,この中で,安倍総理大臣から,本年9月の国際捕鯨委員会(IWC)総会に向けて日本が提案した改革案について説明したのに対し,ゴンザルベス首相からは同提案への支持が表明されました。

(2)両首脳は,北朝鮮問題に関し,全ての大量破壊兵器及びあらゆる射程の弾道ミサイルの完全な,検証可能な,かつ不可逆的な廃棄(CVID)が必要であることを確認しました。また,国連安保理決議の完全な履行に向け,引き続き連携していくことで一致しました。また,安倍総理大臣から,拉致問題の早期解決への理解と協力を求め,ゴンザルベス首相の支持を得ました。

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    共同記者発表
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    共同記者発表
    (写真提供:内閣広報室)

[参考1]カリコム(カリブ共同体)

(1)1973年,チャガラマス協定に基づき設立。カリコム事務局はガイアナに設置。
(2)域内の経済統合や外交政策の調整,保健医療,教育等に関する協力の促進を目的とした地域機関。
(3)加盟国は以下の14か国及び1地域。
  アンティグア・バーブーダ,バハマ,バルバドス,ベリーズ,ドミニカ国,グレナダ,ガイアナ,ハイチ,ジャマイカ,
  セントクリストファー・ネーヴィス,セントルシア,セントビンセント,スリナム,トリニダード・トバゴ,英領モンセラット

[参考2]商用目的及び文化人・知識人への数次ビザの発給要件緩和

主な緩和の内容は以下のとおり。
(1)有効期間の延長(3年から5年)
(2)発給対象の拡大(弁護士,公認会計士,弁理士,医師,公務員等を追加)


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