アメリカ合衆国

平成29年8月17日

 8月17日午前9時45分(米国時間)から,米国ワシントンDCにおいて,約3時間15分間にわたり,日米安全保障協議委員会(日米「2+2」)が開催され,日本側からは,河野太郎外務大臣及び小野寺五典防衛大臣が,米側からは,レックス・ティラソン国務長官及びジェームズ・マティス国防長官がそれぞれ出席したところ,概要以下のとおり。

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1 日米同盟総論

(1)四閣僚は,トランプ政権の下での初めての「2+2」開催を歓迎した上で,北朝鮮による核開発やICBMの発射,東シナ海や南シナ海における情勢等,アジア太平洋地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中,日米同盟を更に強化する意図を確認するとともに,同盟がアジア太平洋地域の平和と安全の礎であり続ける旨を確認した。

(2)四閣僚は,日本及び地域の平和と安全のため,米国による拡大抑止へのコミットメントが重要であることを改めて確認した。

2 地域の戦略環境

 四閣僚は,北朝鮮,東シナ海,南シナ海情勢などのアジア太平洋地域の戦略環境について,突っ込んだ意見交換を行った上で,同地域の平和と安全に対する日米の力強いコミットメントを改めて確認した。

(1)北朝鮮情勢に関し,四閣僚は,北朝鮮による核・ミサイル開発は断じて容認できないとした上で,新たに採択された安保理決議(PDF)別ウィンドウで開くの厳格かつ全面的な履行を含め,北朝鮮に対する圧力強化を更に進めていくことが必要である旨確認した。四閣僚は,引き続き,日米,日米韓で緊密に連携しながら,中国及びロシアに更なる役割を果たすよう求めるとともに,北朝鮮の脅威を抑止するため,同盟としての防衛態勢の強化と能力の向上を図る具体的取組を進めていくことで一致した。

(2)四閣僚は,東シナ海及び南シナ海をめぐる情勢に係る懸念を共有した。
 四閣僚は,尖閣諸島に日米安全保障条約第5条が適用されること,及び同諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対することを改めて確認するとともに,東シナ海の平和と安定のため,日米が引き続き協力していくことで一致した。
 南シナ海情勢について,四閣僚は,航行の自由を支える各々の活動を始め,日米の継続的な関与が重要である旨一致した。

3 安全保障・防衛協力の強化

(1)四閣僚は,日米安全保障・防衛協力が着実に深化していることを評価した上で,日米同盟の抑止力・対処力を一層強化する取組を進めることで一致した。特に,あらゆる事態において同盟としてのシームレスな対応を確保するため,日米両国の各々の役割,任務及び能力の見直しを通じたものを含め,同盟の更なる強化のための方策の特定を進めていくことで一致し,閣僚からのガイダンスに基づき,作業を進めるよう事務当局に指示した。

(2)この関連で,河野外務大臣から,日本としても平和安全法制やガイドラインを踏まえ,その役割・責任の拡大を図っていく旨,小野寺防衛大臣から,日米各々の着実な防衛力整備が必要であり,我が国としても,特に弾道ミサイル防衛や南西諸島防衛等の分野において防衛力を強化し,同盟における役割を拡大していく旨強調した。

(3)四閣僚は,韓国,豪州,インド,東南アジア諸国との安全保障・防衛協力をこれまで以上に推進していくことで一致した。その一環として,河野外務大臣から,インド太平洋地域の沿岸国の海洋安全保障能力分野の能力構築支援のため,日本として,本年から2019年までの3年間で計約5億米ドルの支援を行う予定である旨表明した。

(5)四閣僚は,日米同盟の新たなフロントである宇宙サイバー分野での協力を着実に推進していくことで一致した。

4 在日米軍

(1)日米同盟の抑止力を維持しつつ,沖縄を始めとする地元の負担軽減を図りその理解を得る観点から,在日米軍再編を着実に推進することが不可欠である旨改めて確認した。

(2)河野外務大臣及び小野寺防衛大臣から,現行の日米合意に従い,強い決意で普天間飛行場の辺野古移設を進めていく旨を説明し,四閣僚は,普天間飛行場の固定化を避けるためには,辺野古への移設が唯一の解決策であることを改めて確認した。四閣僚は,在沖縄海兵隊のグアム移転事業の着実な実施を確認した。

(3)河野外務大臣及び小野寺防衛大臣から,MV-22オスプレイの事故や嘉手納飛行場をめぐる諸問題について,地元の懸念を踏まえた日本政府の立場を米側に伝達した。


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