中東

「平和と繁栄の回廊」構想

平成30年4月29日

 「平和と繁栄の回廊」構想は,日本,パレスチナ,イスラエル,ヨルダンの4者による地域協力によりヨルダン渓谷の社会経済開発を進め,パレスチナの経済的自立を促す中長期的取組であり,2006年に,小泉純一郎総理(当時)がパレスチナを訪問した際に提唱した我が国独自のイニシアチブである。

1 基本的考え方

  • (画像1)地図

 我が国は,イスラエルと,将来の独立したパレスチナ国家が平和かつ安全に共存する「二国家解決」を支持している。「二国家解決」の実現のためには,「平和の配当」を人々にもたらし,当事者間の信頼醸成を促進するとともに,持続的な経済開発を伴う,健全なパレスチナ国家をイスラエルやヨルダン等の協力を得て樹立することが不可欠である。

2 具体的な案件例

ア JAIP概要

  • (画像2)ジェリコ農産加工団地(JAIP)第1ステージ完成予想図
    ジェリコ農産加工団地(JAIP)第1ステージ完成予想図

 ジェリコ市郊外に農産加工団地(JAIP)を建設する計画であり,「平和と繁栄の回廊」構想の旗艦事業である。本計画は,3段階で構成される(第1ステージ(19.4ha),第2ステージ(42.1ha),第3ステージ(50ha))。現在は,第1ステージを開発中。
 2017年10月現在,約40社が入居契約を終え,うち,約8社(オリーブ葉エキスのサプリメント,梱包用緩衝材,ウェットティッシュ,ミネラルウォーター,オリーブ石けん,冷凍ポテト,再生紙,デーツのパッケージング)の工場が操業を開始している。

イ これまでの我が国の支援

 我が国は,JAIP内のインフラ整備(管理棟,太陽光発電施設,給水塔,工場の一部等)を実施。また,周辺インフラとして,ジェリコ市内生活道路整備,ジェリコ下水処理施設,ジェリコ廃棄物処分場拡張等を実施。また,技術協力プロジェクトにより,農産加工団地運営に必要な能力構築支援を実施中。

  • (写真1)JAIPで生産された商品
    JAIPで生産された商品
  • (写真2)現在のJAIP航空写真
    現在のJAIP航空写真

(2)「観光回廊」

 パレスチナには豊富な観光資源があり,パレスチナ自治政府の策定する「国家開発計画」において観光分野を重点政策の一つと位置づけている。イスラエル及びヨルダンにも豊富な観光資源があり,我が国が地域の観光業促進の役割を担うことで,地域経済の活性化や観光分野での域内の協力の促進が期待できる。このような考え方に基づき,これまでに,パレスチナ官民連携による観光振興プロジェクトや,ジェリコ市のイスラム建築の代表的な文化遺産であるヒシャム宮殿遺跡保護事業等を支援している。

  • (写真3)「平和と繁栄の回廊」構想
  • (写真4)「平和と繁栄の回廊」構想

(注)ヒシャム宮殿遺跡保護事業:ジェリコ市にあるウマイヤ朝時代(8世紀)の初期のイスラム建築の代表的文化遺産であるヒシャム宮殿は,内外から多くの観光客が訪れる観光名所。中東随一と言われるモザイクの床の保護と展示を目的とした大型シェルターの整備を通じたパレスチナの観光開発に寄与するプロジェクト。

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