安倍総理大臣

平成26年7月29日

 28日(月曜日)正午(トリニダード・トバゴ時間。日本時間29日(火曜日)午前1時)から約3時間半にわたり,トリニダード・トバゴを訪問中の安倍晋三内閣総理大臣は,カリブ共同体(カリコム)加盟国のうち9か国の首脳等と個別に懇談を行いました(その他バハマ,ベリーズが総理表敬)。懇談では,「小島嶼国特有の脆弱性」を克服するための支援,同日署名した気候変動対策案件,国際的な議論の場での協力について議論し,本年の日・カリブ交流年を契機に関係を強化していくことで各国と一致しました。

 安倍総理と懇談を行ったのは,フローンデル・スチュワート・バルバドス首相,ルーズベルト・スケリット・ドミニカ国首相,キース・ミッチェル・グレナダ首相,ドナルド・ラモタ-・ガイアナ大統領,ミシェル・ジョゼフ・マルテリー・ハイチ共和国大統領,デンジル・ダグラス・セントクリストファー・ネーヴィス首相,ケニー・デイビス・アンソニー・セントルシア首相,ラルフ・ゴンザルベス・セントビンセント及びグレナディーン諸島首相,ロバート・アメーラリ・スリナム副大統領。また,杉山外務審議官がフレデリック・ミッチェル・バハマ外務・移民大臣及びウィルフレッド・エルリントン・ベリーズ外務大臣と懇談を行いました。

 各国とも,今回の初の首脳会談を高く評価すると共に,様々なレベルでの協議の強化や交流の深化を進めていきたいとの強い意図が示されましたが,その他の会談におけるポイントは以下のとおりです。

バルバドス(スチュワート首相)

(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)

 両首脳は,本年,バルバドスに対する初の無償資金協力案件署名が行われ,小学校に太陽光パネルが設置されることを歓迎しました。スチュワート首相からは,日本が所得基準のみによらず小島嶼国の脆弱性を勘案した協力を検討することへの感謝の念が改めて示されました。

ドミニカ国(スケリット首相)

(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)

 両首脳は,2007年の首脳会合に続く二国間会談を歓迎。安倍総理からは,6月の災害復興や防災に資する機材供与の案件への署名のほか,水産分野の機材整備案件を早急に実施すべく調査中であることを伝達しました。スケリット首相は,海洋生物資源の持続可能な利用について日本と連帯していきたいと述べました。

グレナダ(ミッチェル首相)

(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)

 安倍総理から,水産分野の機材整備案件の実施を決定した旨伝達しました。ミッチェル首相からは,地熱,太陽光など再生エネルギー分野における日本の技術を活用した支援への期待が表明されました。

ガイアナ(ラモター大統領)

(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)

 両首脳は,ガイアナの貯水池修復のための日本の協力案件が来月着工予定であることを歓迎しました。ラモター大統領からは,小島嶼国の脆弱性に関するカリコムの立場をG8やG20で代弁してほしいと述べたほか,エネルギー分野などを中心に,日本が高い技術を持つ分野での支援に期待が表明されました。

ハイチ(マルテリー大統領)

(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)

 安倍総理から,日本のハイチ地震復興支援は,先日署名が行われた案件も含め計1.9億ドル超となった旨述べました。また,ハイチの次期選挙の着実な実施が重要であるとの認識で一致しました。マルテリー大統領からは,ハイチへの日本の多大な支援に対する感謝の念が示されたほか,ハイチの経済,社会の現状について詳細な説明がありました。

セントクリストファー・ネーヴィス(ダグラス首相)

(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)

 安倍総理から,水産分野の機材整備案件を早急に実施すべく調査中であることを伝達しました。ダグラス首相からは,人材育成のための支援に感謝を表明するとともに,地熱など再生エネルギー分野への協力に対する関心が示されました。

セントルシア(アンソニー首相)

(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)

 セントルシアでは昨年末に集中豪雨被害が発生しており,安倍総理から,災害復興や防災に資する機材供与案件への署名に言及したほか,水産分野の機材整備の実施決定を伝達しました。アンソニー首相はこの決定及び日本の小島嶼国特有の脆弱性への配慮に謝意を表明するとともに,セントルシアはIWC議長国として海洋生物資源の持続可能な利用においても日本と協力していきたい旨述べました。

セントビンセント及びグレナディーン諸島(ゴンザルベス首相)

(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)

 セントビンセントでは昨年末に集中豪雨被害が発生しており,安倍総理から,水産分野の機材整備や災害復興,防災に資する機材の供与を決定したことを伝達しました。ゴンザルベス首相からは,日本の水産分野の支援に感謝しつつ,更に有効活用したい旨述べました。また,日カリコムだけでなく日本と東カリブ諸国機構との関係強化も行っていきたい旨述べました。

スリナム(アメーラリ副大統領)

(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)

 安倍総理から,初代駐日大使が今月信任状を捧呈したことを歓迎すると述べました。アメーラリ副大統領からは,日本のこれまでの水産分野等への支援に謝意を表明するとともに医療分野などについても協力を得たいと述べました。また,すでに日本企業が石油探鉱を行っているところ,更なる投資・貿易の拡大への期待が表明されました。


【杉山外審との会談】

バハマ(ミッチェル外務・移民大臣)

 ミッチェル外相から,交流年の機会に観光を促進していきたいと述べ,双方向の観光促進に向けて協力していくことで一致しました。また,海事分野の安全・環境保護の向上に向けて協力していくことでも一致しました。

ベリーズ(エルリントン外務大臣)

 杉山外務審議官から,9月に無償資金協力案件2件について引き渡し式を予定している旨伝達しました。エルリントン外相から,日本の青年海外協力隊やシニア・ボランティアの協力も強化してほしいと述べました。

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