平成20年11月
(1)麻生総理大臣は、ペルーで開催されたAPEC首脳会議に先立つ21日(金曜日)午後、ペルーを公式訪問した。
(2)ペルー公式訪問の主な日程は、以下のとおり。(日系人協会・在留邦人との懇談は、23日(日曜日)夕に実施。)
(1)両国関係の新たな時代の始まり
本年3月のガルシア大統領訪日により弾みがついた日・ペルー関係再構築を、投資協定等具体的案件の進捗をもって確実なものとし、日・ペルー関係の新たな時代に歩を進めた。
また、日・ペルー両国が、民主主義や市場経済といった基本的価値を共有し、旧くからの信頼関係に支えられた、太平洋を挟んだパートナーであることを首脳間で確認するとともに、首脳間の個人的信頼関係を構築した。
明年は、日本人ペルー移住110周年の節目の年であるとともに、2月には日本で開催される「ペルー展」に合わせてガルシア大統領が訪日する予定であり、両国関係の新たな時代が更に先に進むことが見込まれる。
(2)経済分野での関係強化
資源分野を中心に日本企業の関心が高まっているペルーとの間で投資協定を署名し、二国間の投資活動の円滑化のための枠組み整備が大きく進展した。
さらに、麻生総理より、ペルーが強く希望していた日・ペルー経済連携協定(EPA)締結交渉の開始に向けて前向きに検討していく意向を表明し、ガルシア大統領は、日本とのFTA交渉を近いうちに開始すると表明した。
(3)ペルーの安定的発展のための支援
本年3月に約束した円借款4案件(地方電化1件、上下水道3件)等の交換公文が署名されたほか、新たに無償資金協力(国立障害者リハビリテーション・センター建設)の約束を行った。これは、ガルシア大統領が推進している「万人のための水」を始めとするペルーの貧困削減・格差是正の取組を後押しするものであり、ペルー側から高く評価されるとともに、我が国がペルーの安定的発展を支援していくことを明確に示した。
(4)環境・気候変動分野での協力
ペルーとの間では、本年3月に「クールアース推進構想」に基づく環境・気候変動共同声明を首脳レベルで署名している。今次首脳会談では、同構想に基づき、日本としても森林保全や鉱害対策などペルーの抱える課題において協力していく考えを示した。
(5)学術交流の拡充
本年は、両国の学術交流50周年(1958年に東大アンデス調査団がペルーを訪問)である。これまでもペルーの遺跡発掘・保存において積極的な協力が行われてきたが、今後、より幅広い分野で交流を緊密化させていくことで一致した。