演説

麻生総理大臣演説

ガルシア・ペルー共和国大統領主催晩餐会
麻生内閣総理大臣スピーチ

平成20年11月21日
於:大統領府大食堂

ガルシア大統領閣下、
ピラール・ノレス令夫人、
並びに御列席の皆様、

 本日、私どものために、このような盛大な晩餐会を催していただき、心から感謝申し上げます。

 3月の大統領閣下の訪日に続き、今回、私がペルーを公式訪問する機会を得ました。1年のうちに、首脳の相互訪問が実現しました。このことは、まさに、両国関係が、本来あるべき姿を取り戻した証と、受け止めております。

 日本とペルーの間には、中南米で最も旧い外交関係と、明年110周年を迎える日本人の移民に始まった、交流の歴史があります。
 ペルーの日系人の方々は、戦中戦後の苦しい時期を乗り越え、ペルーに根づき、その発展に尽くしてこられました。同時に、ペルーと日本を結ぶ信頼の架け橋でもあられます。
 ガルシア大統領も、学校時代、日系人と机を並べられ、そのこともあって、我が国に対する親近感を抱いて頂いていると伺っております。
 世代を超えた、人と人との絆で織りなされる日秘関係は、大きな潜在力を秘めています。
 日本政府としては、今後とも、これを育む努力を全力で行ってまいります。

 本日、日・ペルー投資協定の署名を行いました。我が国の企業は、ペルーのエネルギーに溢れた経済に大きな魅力を感じています。
 この1年間に日本で開催された、4回のペルー経済に関連するセミナーは、いずれも大盛況となりました。
 我が国企業のペルー進出は、セロ・ベルデ鉱山、カミセアの液化天然ガスのプロジェクト、二輪車製造工場の操業開始など、相ついでおり、今後進出を検討している企業も多数あります。
 政府として、こうした企業の意欲を支える枠組みを提供したい、との思いで、この投資協定を締結しました。

 また、本年は、日・ペルー学術交流50周年にあたります。
 1958年の東大アンデス文明調査団派遣以降、両国の学術関係者の協力により、数々の考古学上の画期的な発見がされました。
 我が国でも、「インカ展」や「クントゥル・ワシ展」など、大規模な展示会が開かれ、ペルーの文明に対する憧れを掻き立てています。
 また、ペルーの学術界は、生物学や薬学などを含めた、幅広い学術交流に、熱意をお持ちと伺います。
 両国の学術交流が、新しい時代の要請に応え、さらに発展するよう、日本政府としても、支援してまいります。

 日秘両国は、民主主義や市場経済といった基本的価値を共有し、また古くからの信頼関係に支えられた、太平洋を挟んだパートナーであります。
 我が国は、今後とも、ペルーの発展の力になり、ペルーとともに国際社会の諸課題に取り組んでいきたいと考えます。

 最後に、ガルシア大統領閣下の温かいおもてなしに、改めて、心から感謝申し上げ、大統領閣下と令夫人の御健康と御多幸、日本とペルー両国国民の繁栄、そして日秘友好関係の発展を祈念し、皆様とともに、スペイン語で杯を上げたいと思います。

 サルー(Salud、乾杯)!

このページのトップへ戻る
麻生総理大臣演説平成20年演説目次へ戻る