岸田外務大臣
日・ウクライナ外相会談(概要)
平成25年8月26日




8月26日(月曜日)午前11時から12時まで,ウクライナを訪問中の岸田文雄外務大臣は,レオニード・コジャーラ・ウクライナ外務大臣(H.E. Mr. Leonid Kozhara, Minister of Foreign Affairs of Ukraine)と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
なお,外相会談に引き続き,記者会見及びワーキングランチが行われました。
1.二国間関係
冒頭,岸田大臣より,日本の外務大臣として7年ぶりのウクライナ訪問を嬉しく思う,我が国は経済的潜在性の大きいウクライナとの関係を重視している,ロシアとEUの間にあり戦略的に重要な位置を占めるウクライナとの間で国際情勢を議論するのを楽しみにしてきた旨述べました。これに対しコジャーラ大臣から,岸田大臣のウクライナ訪問に対する歓迎の言葉があり,両国関係発展のために岸田大臣と協働していきたい旨発言がありました。
2.原発事故後協力
両大臣は,日本とウクライナは原発事故という不幸な経験を共有しており,福島とチェルノブイリの経験を両国で共有し,協力の成果を国際社会に積極的に提供することが原発事故を経験した国の責務である点で一致しました。また,東京大学とウクライナ宇宙庁を始めとした関係機関との間で進んでいる福島/チェルノブイリ共同観測プロジェクトは,両国の原発事故後協力の象徴案件であり,成功に向け引き続き両国政府で支援していくことで一致しました。
3.経済関係
両大臣は,昨年のポロシェンコ経済発展・貿易大臣の訪日と経済合同会議の成果を確認すると共に,本年10月に予定されている経団連のウクライナ訪問について触れ,二国間経済関係の更なる深化への高い期待感を表明しました。また,岸田大臣は,日本企業がウクライナへの投資を判断する上で政治的安定性と良好な投資環境がカギとなるとして,ウクライナの一層の民主化と市場経済化が重要であると述べると共に,現在交渉中の投資協定の重要性を強調しました。これに対し,コジャーラ大臣より,本協定の締結に向けた交渉を加速させたい旨発言がありました。また,岸田大臣から,ウクライナがセーフガード措置であるとして輸入自動車の関税を引き上げた措置はWTO整合性に強い疑義のある措置であり,同措置を速やかに取り止めるよう求めました。
4.科学技術関係
両大臣は,第3回科学技術協力会議の年内の開催につき合意し,両国の強みである科学技術分野における協力の拡充を目指すことで一致しました。
5.地域情勢・国際問題
両大臣は,両国が関心を有する地域情勢について意見交換を行いました。また,岸田大臣からは厳しさを増す東アジアの安全保障環境について説明を行い,両大臣は,同地域において国際法の諸原則が尊重され,「法の支配」が確立されることの重要性についても一致しました。また,岸田大臣は,ウクライナが中国に対し,揚陸艦を含む武器を輸出していることについて懸念を表明しました。
また,北朝鮮については,核保有を断じて認めない,挑発行為を行わず,一連の安保理決議を誠実かつ完全に実施すべきとの強いメッセージを送り続ける必要性があるとの認識で一致しました。また,岸田大臣は,拉致問題解決に向けた強い決意を表明し,コジャーラ大臣より,日本の立場を支持する旨の発言がありました。
この他,コジャーラ大臣より、ウクライナとEU及びロシアとの関係について説明がありました。
(注)福島/チェルノブイリ共同観測プロジェクト:
東京大学大学院工学系研究科中須賀研究室が開発中の衛星を中心に計8機の多様な超小型地球観測衛星を,ウクライナ宇宙庁/科学アカデミーを始めとする関係機関の協力の下に打ち上げ,福島及びチェルノブイリを共同観測するプロジェクト。チェルノブイリの経験を学びつつ,多数の衛星による画像を使って,災害・復興の状況を長期間・広範囲にわたって高度な解析を行う等を目指している。
なお,外相会談に引き続き,記者会見及びワーキングランチが行われました。
1.二国間関係
冒頭,岸田大臣より,日本の外務大臣として7年ぶりのウクライナ訪問を嬉しく思う,我が国は経済的潜在性の大きいウクライナとの関係を重視している,ロシアとEUの間にあり戦略的に重要な位置を占めるウクライナとの間で国際情勢を議論するのを楽しみにしてきた旨述べました。これに対しコジャーラ大臣から,岸田大臣のウクライナ訪問に対する歓迎の言葉があり,両国関係発展のために岸田大臣と協働していきたい旨発言がありました。
2.原発事故後協力
両大臣は,日本とウクライナは原発事故という不幸な経験を共有しており,福島とチェルノブイリの経験を両国で共有し,協力の成果を国際社会に積極的に提供することが原発事故を経験した国の責務である点で一致しました。また,東京大学とウクライナ宇宙庁を始めとした関係機関との間で進んでいる福島/チェルノブイリ共同観測プロジェクトは,両国の原発事故後協力の象徴案件であり,成功に向け引き続き両国政府で支援していくことで一致しました。
3.経済関係
両大臣は,昨年のポロシェンコ経済発展・貿易大臣の訪日と経済合同会議の成果を確認すると共に,本年10月に予定されている経団連のウクライナ訪問について触れ,二国間経済関係の更なる深化への高い期待感を表明しました。また,岸田大臣は,日本企業がウクライナへの投資を判断する上で政治的安定性と良好な投資環境がカギとなるとして,ウクライナの一層の民主化と市場経済化が重要であると述べると共に,現在交渉中の投資協定の重要性を強調しました。これに対し,コジャーラ大臣より,本協定の締結に向けた交渉を加速させたい旨発言がありました。また,岸田大臣から,ウクライナがセーフガード措置であるとして輸入自動車の関税を引き上げた措置はWTO整合性に強い疑義のある措置であり,同措置を速やかに取り止めるよう求めました。
4.科学技術関係
両大臣は,第3回科学技術協力会議の年内の開催につき合意し,両国の強みである科学技術分野における協力の拡充を目指すことで一致しました。
5.地域情勢・国際問題
両大臣は,両国が関心を有する地域情勢について意見交換を行いました。また,岸田大臣からは厳しさを増す東アジアの安全保障環境について説明を行い,両大臣は,同地域において国際法の諸原則が尊重され,「法の支配」が確立されることの重要性についても一致しました。また,岸田大臣は,ウクライナが中国に対し,揚陸艦を含む武器を輸出していることについて懸念を表明しました。
また,北朝鮮については,核保有を断じて認めない,挑発行為を行わず,一連の安保理決議を誠実かつ完全に実施すべきとの強いメッセージを送り続ける必要性があるとの認識で一致しました。また,岸田大臣は,拉致問題解決に向けた強い決意を表明し,コジャーラ大臣より,日本の立場を支持する旨の発言がありました。
この他,コジャーラ大臣より、ウクライナとEU及びロシアとの関係について説明がありました。
(注)福島/チェルノブイリ共同観測プロジェクト:
東京大学大学院工学系研究科中須賀研究室が開発中の衛星を中心に計8機の多様な超小型地球観測衛星を,ウクライナ宇宙庁/科学アカデミーを始めとする関係機関の協力の下に打ち上げ,福島及びチェルノブイリを共同観測するプロジェクト。チェルノブイリの経験を学びつつ,多数の衛星による画像を使って,災害・復興の状況を長期間・広範囲にわたって高度な解析を行う等を目指している。
- 岸田外務大臣のハンガリー及びウクライナ訪問(平成25年8月22日~27日)
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