防災
グラッサー国連事務総長特別代表(防災担当)による岸外務副大臣への表敬


本11日,午後2時40分から約30分間,岸信夫外務副大臣は,ロバート・グラッサー国連事務総長特別代表(防災担当)(H.E. Mr. Robert Glasser,Special Representative of the UN Secretary-General for Disaster Risk Reduction)による表敬を受けたところ,概要は以下のとおりです。
1 冒頭,岸副大臣より,グラッサー代表の訪日を歓迎した上で,我が国は「持続可能な開発のための2030アジェンダ」において重要課題として位置づけられている防災を重視しており,仙台防災枠組の推進にあたって重要なパートナーであるUNISDRとの連携を深めていくこと,「世界津波の日」の啓蒙活動は,右枠組を効果的に促進することが可能になるものであり重視していること,日本の経験を世界に共有するという観点からUNISDR駐日事務所の活動を一層支援いただきたい旨述べるとともに,邦人職員への支援をお願いする旨述べました。
2 これに対し,グラッサー代表より,自然災害や紛争の予防を重視するグテーレス国連事務総長に代わり,日本の防災分野におけるリーダーシップ,及びコミットメントに感謝の意を表したいとした上で,「早期警報」,「より良い復興」を重視する「世界津波の日」は,津波だけではなく,あらゆる自然災害のリスクの啓発に貢献していること,特に昨年11月に高知県黒潮町で開催した「世界津波の日」高校生サミットは次世代を担う若者を対象とした点で非常に重要なイニシアティブであること,今後とも日本と連携し,防災という共通の課題に取り組んでいきたい旨述べました。
(参考1)ロバート・グラッサー国連事務総長特別代表(防災担当)
2003年より災害時の人道支援等の活動を行う世界最大規模の非営利人道支援団体ケア(CARE)・オーストラリアを経て,2008年よりケア・インターナショナル事務局長として活躍。国連国際防災戦略事務局(UNISDR)のトップとして、2016年1月より現職。現職としての来日は,2016年3月以来2度目。
(参考2)国連国際防災戦略事務局(UNISDR)
国連国際防災戦略事務局(UNISDR)は,「国連防災の10年」の後継として2000年に設立された。UNISDRは,国際的な防災戦略について議論する国連防災世界会議の事務局を務めており,第1回(1994年,横浜),第2回(2005年,兵庫),第3回(2015年,仙台)いずれも日本で開催された。2007年にUNISDR駐日事務所を神戸市に開設した。
(参考3)仙台防災枠組
2015年3月に仙台市で開催された第3回国連防災世界会議において,2030年までの防災に関する国際的指針となる「仙台防災枠組(PDF)」を採択した。7つの地球規模の目標と4つの優先行動を定めている。