(1) ンゲマ現大統領は,79年8月以来、20年以上に及ぶ長期政権を維持してきている。周辺諸国の民主化の影響もあり、91年11月に複数政党制が導入され、以後、総選挙(93年11月及び99年3月)、地方選挙(95年9月)及び大統領選挙(96年2月)が実施されているが、いずれの選挙でも不透明性が指摘される等、民主化は表面的にしか進展していない。
また、表現の自由の侵害や反体制派に対する人権侵害も伝えられている。
(2) 外交面では、善隣友好を基本に、先進援助国との友好関係増進に努める現実路線をとっているが、人権問題が指摘されているため、旧宗主国スペイン及び米国との関係は悪化している。他方、85年にフラン圏に加入し、97年9月に仏語を第二公用語とする等フランスとの友好関係の強化を図っている。また、中部アフリカ経済通貨共同体、中部アフリカ諸国中央銀行等の地域機構に加盟し、近隣諸国との協力にも努めている。
(3) 同国の主要輸出産品は、カカオ、コーヒー及び木材であったが、92年にビオコ島沖合いのアルバ油田で原油生産が開始されて以来、原油が新たに輸出産品に加わった。96年にはマラボ沖合のザフィーロ油田でも原油生産が開始され、一人当たりのGNPは、95年の380ドルから97年には1,060ドルへ急激に上昇しているが、国民大多数の貧困解消には必ずしも寄与していないとの指摘がある。
(4) 我が国は、赤道ギニアから木材等を輸入し(98年輸入額3,553万ドル)、同国に自動車等を輸出している。(同年輸出額362万ドル)。
(参考1)主要経済指標等
- | 90年 | 95年 | 96年 | 97年 | |
人口(千人) | 417 | 400 | 410 | 420 | |
名目GNP | 総額(百万ドル) | 136 | 152 | 217 | 444 |
一人当たり(ドル) | 330 | 380 | 530 | 1,060 | |
経常収支(百万ドル) | -18.99 | -123.40 | -344.04 | - | |
財政収支(百万ドル) | - | - | - | - | |
消費者物価指数 | - | - | - | - | |
DSR(%) | 12.1 | 2.2 | 2.6 | 1.4 | |
対外債務残高(百万ドル) | 241.1 | 291.8 | 282.4 | 283.2 | |
為替レート(年平均、1米ドル=CFAフラン) | 272.26 | 499.15 | 511.55 | 583.67 | |
分類(DAC/国連) | 後発開発途上国/LDC | ||||
面積(千平方キロメートル) | 28.1 |
(参考2)主要社会開発指標
- | 90年 | 最新年 | - | 90年 | 最新年 | |
出生時の平均余命(年) | - | 50(97年) | 乳児死亡率 (1000人当たり人数) |
- | - | |
所得が1ドル/日以下の人口割合(%) | - | - | 5歳未満児死亡率 (1000人当たり人数) |
- | - | |
下位20%の所得又は消費割合(%) | - | - | 妊産婦死亡率 (10万人当たり人数) |
- | - | |
成人非識字率(%) | - | 21(95年) | 避妊法普及率 (15-49歳女性/%) |
- | - | |
初等教育純就学率(%) | - | - | 安全な水を享受しうる人口割合(%) | - | - | |
女子生徒比率(%) | 初等教育 | - | - | 森林面積 (1000平方キロメートル) |
18 | - |
中等教育 | - | - |
我が国は、同国における人権問題等に鑑み、研修員受入等の技術協力を中心に実施するに留まっている。今後は、同国の民主化の進展、人権問題の改善等に留意しつつ、援助実施を検討していく必要がある。
(1) 我が国のODA実績
暦年 | 贈与 | 政府貸付 | 合計 | |||
無償資金協力 | 技術協力 | 計 | 支出総額 | 支出純額 | ||
94 95 96 97 98 |
0.98(74) 0.02(3) -(-) -(-) -(-) |
0.34(26) 0.75(97) 0.23(100) 0.02(100) 0.13(100) |
1.32(100) 0.77(100) 0.23(100) 0.02(100) 0.13(100) |
- - - - - |
-(-) -(-) -(-) -(-) -(-) |
1.32(100) 0.77(100) 0.23(100) 0.02(100) 0.13(100) |
累計 | 7.97(78) | 2.28(22) | 10.25(100) | - | -(-) | 10.25(100) |
(注)( )内は、ODA合計に占める各形態の割合(%)。
(2)DAC諸国・国際機関のODA実績
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | うち日本 | 合計 |
95 96 97 |
スペイン 12.2 スペイン 12.0 スペイン 11.4 |
フランス 8.0 フランス 8.8 フランス 5.2 |
日本 0.8 ルクセンブルグ 1.0 米国 1.0 |
ベルギー 0.2 イタリア 0.9 カナダ 0.1 |
イタリア 0.2 日本 0.2 ドイツ 0.1 |
0.8 0.2 0.0 |
21.7 23.3 17.8 |
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | その他 | 合計 |
95 96 97 |
CEC 2.4 CEC 1.6 CEC 2.6 |
WFP 2.2 UNDP 1.3 AfDF 1.6 |
IDA 2.0 IFAD 1.3 UNICEF 1.1 |
UNDP 1.8 UNFPA 1.0 UNDP 1.0 |
UNICEF 1.2 AfDF 1.0 UNFPA 1.0 |
2.6 1.7 -0.8 |
12.2 7.8 6.5 |
(3)年度別・形態別実績
年度 | 有償資金協力 | 無償資金協力 | 技術協力 |
90年度までの累計 | なし | 8.68億円
(内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照) |
0.44億円
研修員受入 10人 |
91 | なし | 1.00億円
食糧援助 (1.00) |
0.14億円
研修員受入 3人 |
92 | なし | 1.00億円
食糧援助 (1.00) |
0.12億円
研修員受入 3人 |
93 | なし | 1.00億円
食糧援助 (1.00) |
0.34億円
研修員受入 5人 |
94 | なし | なし | 0.59億円
研修員受入 5人 |
95 | なし | 0.02億円
草の根無償(1件) (0.02) |
0.45億円
研修員受入 6人 |
96 | なし | なし | 0.19億円
研修員受入 2人 |
97 | なし | なし | 0.06億円
研修員受入 2人 |
98 | なし | なし | 0.13億円
研修員受入 3人 |
98年度までの累計 | なし | 11.70億円 | 2.46億円
研修員受入 39人 |
(注)1.「年度」の区分は、有償資金協力は交換公文締結日、無償資金協力及び技術協力は予算年度による。(ただし、96年度以降の実績については、当年度に閣議決定を行い、翌年5月末日までにE/N署名を行ったもの。)
2.「金額」は、有償資金協力及び無償資金協力は交換公文ベース、技術協力はJICA経費実績ベースによる。
3.82年度から90年度までの無償資金協力実績の内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/kuni/j_90sbefore/905-23.htm)