ODAとは? ODA予算・実績

国別援助実績
1991年~1998年の実績
[21]スワジランド


1.概説


 (1) 86年4月にムスワティIII世が即位し、それまで国政の責任を負っていた最高評議会を解散させる等、権力基盤の確立を図ってきた。その後、国民の民主化意識が高まり、93年10月には20年ぶりの総選挙が実施されたが、依然として政党活動が禁止されている等非民主的な側面も残っている。労働組合による民主化要求のゼネストも生じ、民主的な新憲法制定が当面の課題である。

 (2) 外交面では、非同盟・平和主義を基軸とし、先進諸国寄りの現実的かつ穏健路線を取っている。また、国土の三方を接する南アフリカに経済的に大きく依存しているため、同国との関係に細心の注意を払っている。

 (3) 経済面では、輸出用農産物及び鉱産物を中心とする貨幣経済と小農の自給自足経済の二重構造となっている。製造業がGDPの約40%を占め、農林業がGDPの約10%を占めている。砂糖精製やウッドパルプのような国内で産出される一次産品の加工が製造業の中核をなし、農林業分野では、輸出用換金作物として砂糖、木材、柑橘類等を生産しており、特に砂糖は全輸出の約24%を占める代表的輸出品である。また、南アフリカ、ボツワナ、レソト及びナミビアと南部アフリカ関税同盟(SACU)を結成し、この配分税収が歳入の約50%を占めている。レソト、ナミビアとともに南アフリカのランド通貨圏に属している。

 (4) 我が国は、スワジランドから柑橘類、木材等を輸入し(98年輸入額949万ドル)、同国にスライドファスナー部品、自動車等を輸出している(同輸出額262万ドル)。98年10月のTICADIIに際し、ムスワティIII世が来日した。


 (参考1) 主要経済指標等

90年 95年 96年 97年
人口(千人) 789 900 926 958
名目GNP 総額(百万ドル) 645 1,051 1,122 1,458
一人当たり(ドル) 820 1,170 1,210 1,520
経常収支(百万ドル) 84.6 30.1 -30.1 -49.1
財政収支(百万エマランジェニ) 165.6 68.3 -216.9 0.7
消費者物価指数(90年=100) 100.0 166.0 197.6
DSR(%) 5.7 1.8 2.8 2.5
対外債務残高(百万ドル) 253.8 234.9 221.7 368.2
為替レート(年平均、1リランジェニ=米ドル) 0.38665 0.27574 0.23416 0.21724
分類(DAC/国連) 低中所得国/-
面積(千平方キロメートル) 17.2

 (参考2) 主要社会開発指標

90年 最新年 90年 最新年
出生時の平均余命(年) 60(97年) 乳児死亡率
(1000人当たり人数)
所得が1ドル/日以下の人口割合(%)   5歳未満児死亡率
(1000人当たり人数)
下位20%の所得又は消費割合(%) 妊産婦死亡率
(10万人当たり人数)
成人非識字率(%) 23(95年) 避妊法普及率
(15-49歳女性/%)
初等教育純就学率(%) 安全な水を享受しうる人口割合(%)
女子生徒比率(%) 初等教育 森林面積
(1000平方キロメートル)
1
中等教育


2.我が国政府開発援助の実績とあり方


 スワジランドは、我が国との関係が比較的希薄であり、また、アフリカの中で比較的所得水準が高く、援助実績は少額に留まっているが、我が国は、食糧増産援助及び通信・放送、行政分野等の研修員受入を中心に援助を実施している。また、全国地図整備計画にかかる開発調査を実施している。
 94年4月には、無償資金協力及び技術協力に関する経済協力政策協議を実施した。今後とも、同国の民主化、経済改革努力を支援するため、基礎生活分野を中心に援助実施を検討していく方針である。


3.政府開発援助実績


(1)我が国のODA実績

(支出純額、単位:百万ドル)
暦年 贈与 政府貸付 合計
無償資金協力 技術協力 支出総額 支出純額
94
95
96
97
98
6.68(94)
4.35(78)
9.20(90)
8.65(93)
5.57(89)
0.44(6)
1.23(22)
1.02(10)
0.69(7)
0.67(11)
7.13(100)
5.59(100)
10.22(100)
9.34(100)
6.24(100)




-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
7.13(100)
5.59(100)
10.22(100)
9.34(100)
6.24(100)
累計 42.24(79) 11.41(21) 53.68(100) -(-) 53.68(100)

(注)( )内は、ODA合計に占める各形態の割合(%)。


(2)DAC諸国・国際機関のODA実績

DAC諸国、ODA NET
(支出純額、単位:百万ドル)
暦年 1位 2位 3位 4位 5位 うち日本 合計
95
96
97
米国 12.0
米国 11.0
日本 9.3
ドイツ 8.9
日本 10.2
英国 3.2
日本 5.6
ドイツ 4.4
米国 2.0
英国 5.3
オランダ 2.2
オランダ 0.9
オランダ 2.0
スウェーデン 0.5
ノールウェー 0.8
5.6
10.2
9.3
37.7
20.6
16.3

国際機関、ODA NET
(支出純額、単位:百万ドル)
暦年 1位 2位 3位 4位 5位 その他 合計
95
96
97
CEC 7.4
CEC 8.5
CEC 4.0
AfDF 2.9
UNTA 1.0
AfDF 2.8
UNTA 2.1
UNDP 0.9
UNTA 1.1
WFP 1.5
UNICEF 0.9
UNDP 1.0
UNICEF 1.0
UNHCR 0.8
UNICEF 0.9
2.9
-2.2
0.9
17.8
9.9
10.7

(3)年度別・形態別実績

(単位:億円)
年度 有償資金協力 無償資金協力 技術協力
90年度までの累計 なし 5.16億円

(内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照)

13.47億円

研修員受入 37人
専門家派遣 18人
調査団派遣 62人
機材供与 101.8百万円
開発調査 2件

91 なし 2.50億円

食糧増産援助 (2.50)

0.29億円

研修員受入 4人
機材供与 4.7百万円

92 なし 4.00億円

食糧援助 (1.00)
食糧増産援助 (3.00)

0.88億円

研修員受入 6人
調査団派遣 11人
機材供与 0.2百万円

93 なし 10.83億円

地方電話網整備計画 (7.83)
食糧増産援助 (3.00)

0.30億円

研修員受入 6人
機材供与 1.1百万円

94 なし 3.07億円

食糧増産援助 (3.00)
草の根無償(2件) (0.07)

0.77億円

研修員受入 11人
調査団派遣 6人
機材供与 3.2百万円

95 なし 11.16億円

地方給水計画(1/2期) (6.60)
食糧援助 (1.50)
食糧増産援助 (3.00)
草の根無償(2件) (0.06)

0.89億円

研修員受入 15人
調査団派遣 5人

96 なし 4.83億円

食糧増産援助 (3.00)
地方給水計画(2/2期-1) (1.66)
草の根無償(5件) (0.17)

0.86億円

研修員受入 25人
調査団派遣 9人

97 なし 12.30億円

地方給水計画(国債2/2期) (4.50)
医療サービス向上計画(1/2期) (4.15)
スワジランド大学視聴覚機材供与 (0.50)
草の根無償(4件) (0.15)
食糧増産援助 (3.00)

0.92億円

研修員受入 23人
調査団派遣 3人
機材供与 17.4百万円

98 なし 2.10億円

食糧増産援助 (2.00)
草の根無償(3件) (0.10)

0.73億円

研修員受入 23人
調査団派遣 5人
開発調査 1件

98年度までの累計 なし 55.95億円 19.11億円

研修員受入 150人
専門家派遣 18人
調査団派遣 101人
機材供与 128.4百万円
開発調査 3件

(注)1.「年度」の区分は、有償資金協力は交換公文締結日、無償資金協力及び技術協力は予算年度による。(ただし、96年度以降の実績については、当年度に閣議決定を行い、翌年5月末日までにE/N署名を行ったもの。)
   2.「金額」は、有償資金協力及び無償資金協力は交換公文ベース、技術協力はJICA経費実績ベースによる。
   3.82年度から90年度までの無償資金協力実績の内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照
     (http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/kuni/j_90sbefore/905-21.htm


 (参考1)98年度実施開発調査案件

案件名
全国地図整備計画事前調査

 (参考2)98年度実施草の根無償資金協力案件

案件名
グッド・シェファード病院医療機材整備計画
シテギ産業訓練センター機材整備計画
マッコーキンデール孤児院施設整備計画

(地図画像)プロジェクト所在図



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