(1) 91年5月に、複数政党制を導入し、94年7月には初の大統領選挙、国会議会選挙が行われ、ヴィエイラ大統領が再選され、与党ギニア・ビサオ・カーボ・ヴェルデ独立党(PAIGC)が議席の過半数を占めた。しかし、98年6月に、一部軍人を中心とする反乱が発生し、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の仲介により停戦合意が成立したが、99年5月に戦闘が再開され、同大統領が追放され、サナ国民議会議長が憲法規定に基づき暫定元首に就任した。
(2) 外交面では、経済再建重視の観点から旧宗主国ポルトガルをはじめとする欧米諸国との関係を強化している。また、97年5月よりCFAフラン圏に加入する等、近隣の仏語圏諸国との関係も重視している。
(3) 経済面では、農業(林業、漁業を含む。)部門が就業人口の80%、GDPの55%、輸出の70%を占めている。90年代初めに経済が悪化し、世銀・IMFからの構造調整融資が凍結されたこと等により、インフレ率が上昇、公務員への給与の未払いも頻発した。93年よりIMFの支援の下で、緊縮政策をとった結果、改善も見られたが、95年に再び不安定化し、世銀・IMFの支援の下での経済改革を進めている。対外債務が約900万ドルに拡大し、債務問題への対応が大きな課題となっている。
(4) 我が国は、ギニア・ビサオからイカ・タコ等を輸入し(98年輸入額92万ドル)、同国に自動車、鉄鋼等を輸出している(同輸出額155万ドル)。
(参考1)主要経済指標等
- | 90年 | 95年 | 96年 | 97年 | |
人口(千人) | 981 | 1,070 | 1,094 | 1,137 | |
名目GNP | 総額(百万ドル) | 176 | 265 | 270 | 264 |
一人当たり(ドル) | 180 | 250 | 250 | 230 | |
経常収支(百万ドル) | -60.40 | -41.45 | - | - | |
財政収支(百万CFAフラン) | -1,110.5 | - | - | - | |
消費者物価指数 | - | - | - | - | |
DSR(%) | 41.5 | 64.2 | 39.9 | 17.3 | |
対外債務残高(百万ドル) | 692.1 | 896.9 | 936.8 | 921.3 | |
為替レート(年平均、1米ドル=CFAフラン) | 33.62 | 278.04 | 405.75 | 583.67 | |
分類(DAC/国連) | 後発開発途上国/LDC | ||||
面積(千平方キロメートル) | 28.1 |
(参考2)主要社会開発指標
- | 90年 | 最新年 | - | 90年 | 最新年 | |
出生時の平均余命(年) | 43 | 44(97年) |
乳児死亡率 (1000人当たり人数) |
146 | 130(97年) | |
所得が1ドル/日以下の人口割合(%) | - | 88.2(91年) | 5歳未満児死亡率 (1000人当たり人数) |
246 | 220(97年) | |
下位20%の所得又は消費割合(%) | 2.1(91年) | 2.1(91年) | 妊産婦死亡率 (10万人当たり人数) |
700(80-90年平均) | 910(90-97年平均) | |
成人非識字率(%) | - | 45(95年) | 避妊法普及率 (15-49歳女性/%) |
- | - | |
初等教育純就学率(%) | - | - | 安全な水を享受しうる人口割合(%) | 25(88-90年平均) | 53(96年) | |
女子生徒比率(%) | 初等教育 | 36 | - | 森林面積 (1000平方キロメートル) |
20 | 23(95年) |
中等教育 | 35 | - |
我が国は、ギニア・ビサオに対し、食糧増産援助、水産、水供給分野等の無償資金協力を中心に援助を実施してきた。また、同国の構造調整を支援するため、98年度までに合計12億円のノン・プロジェクト無償援助を供与した。今後の援助については、内政混乱による治安状況を注視しつつ検討していく方針である。
(1) 我が国のODA実績
暦年 | 贈与 | 政府貸与 | 合計 | |||
無償資金協力 | 技術協力 | 計 | 支出総額 | 支出純額 | ||
94 95 96 97 98 |
2.93(80) 10.75(94) 10.30(95) 6.77(91) 10.96(94) |
0.72(20) 0.67(6) 0.58(5) 0.68(9) 0.64(6) |
3.66(100) 11.42(100) 10.88(100) 7.46(100) 11.60(100) |
- - - - - |
(-) (-) (-) (-) (-) |
3.66(100) 11.42(100) 10.88(100) 7.46(100) 11.60(100) |
累計 | 67.78(94) | 4.24(6) | 72.02(100) | - | (-) | 72.02(100) |
(注)( )内は、ODA合計に占める各形態の割合(%)。
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績(支出純額、単位:百万ドル)
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | うち日本 | 合計 |
95 96 97 |
ポルトガル 13.3 イタリア 44.0 ポルトガル 16.2 |
スイス 13.2 ポルトガル 30.7 米国 11.0 |
日本 11.4 フランス 11.3 オランダ 8.0 |
オランダ 10.8 日本 10.9 日本 7.5 |
フランス 8.3 オランダ 6.7 フランス 6.0 |
11.4 10.9 7.5 |
76.9 124.8 58.5 |
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | その他 | 合計 |
95 96 97 |
CEC 12.7 CEC 13.7 CEC 25.9 |
IDA 7.9 AfDF 13.3 IDA 16.4 |
AfDF 6.3 IDA 13.3 AfDF 10.1 |
UNDP 3.7 WFP 4.5 IMF 5.1 |
UNTA 2.2 UNDP 3.0 UNDP 2.9 |
6.8 5.9 6.4 |
39.6 53.6 66.8 |
(3) 年度別・形態別実績
年度 | 有償資金協力 | 無償資金協力 | 技術協力 |
90年度までの累計 | なし | 32.88億円
内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照 |
0.61億円
研修員受入 9人 |
91 | なし | 2.50億円
食糧増産援助 (2.50) |
0.03億円
研修員受入 2人 |
92 | なし | 5.50億円
ノンプロジェクト援助 (3.00) |
0.11億円
研修員受入 3人 |
93 | なし | 2.50億円
食糧増産援助 (2.50) |
0.75億円
研修員受入 3人 |
94 | なし | 16.62億円
ビオンボ地域給水計画(1/2期) (9.71) |
0.66億円
研修員受入 5人 |
95 | なし | 2.52億円
ビオンボ地域給水計画(2/2期-1) (0.52) |
0.37億円
研修員受入 7人 |
96 | なし | 10.33億円
ビオンボ地域給水計画(2/2期-2) (4.72) |
0.98億円
研修員受入 5人 |
97 | なし | 24.58億円
ビオンボ地区給水計画(国債3/4期) (4.27) |
0.85億円
研修員受入 8人 |
98 | なし | 6.83億円
ビオンボ地区給水計画(国債4/4) (3.83) |
0.40億円
研修員受入 1人 |
98年度までの累計 | なし | 104.26億円 | 4.76億円
研修員受入 43人 |
(注) | 1. | 「年度」の区分は、有償資金協力は交換公文締結日、無償資金協力及び技術協力は予算年度による。(ただし、96年度以降の実績については、当年度に閣議決定を行い、翌年5月末日までにE/N署名を行ったもの。) |
2. | 「金額」は、有償資金協力及び無償資金協力は交換公文ベース、技術協力はJICA経費実績ベースによる。 | |
3. | 80年度から90年度までの無償資金協力実績の内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照 (http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/kuni/j_90sbefore/905-11.htm) |
|
4. | WFP経由でソマリア、スーダン、エティオピア等7か国への供与にて合計29億円。うち、ギニア・ビサオ国内被災民向け3億円。 | |