(1) 93年12月、複数政党下での初の大統領選挙が実施されたが、野党側は選挙結果の不正を唱えて政府と対立するなど、一時情勢は不安定化した。その後野党側も、政府との対話路線に方向転換するなど内政は安定化の方向に向かい、以後96年から97年にかけて市町村選挙、同民議会選挙及び上院選挙が順次実施された。98年12月の大統領選挙でボンゴ大統領が五選を果たし、67年以来の長期安定政権が継続している。
(2) 外交面では、非同盟中立路線を掲げるが、旧宗主国フランスとは行政、軍事、経済、教育等の点で緊密な関係を有している。また、政治的安定及び石油輸出による経済力を背景に、積極的な中部アフリカ外交を展開している。
(3) 石油、マンガン、ウラン等の鉱物資源及び良質の森林資源(国土の85%が森林)に恵まれ、石油収入がGDPの約40%、全輸出額の73%、財政収入の約42%をそれぞれ占め、アフリカ諸国中ではセイシェルに次ぐ高い所得水準を有する。近年は、原油価格の低迷、アジア経済危機による木材需要の減少等のため、経済は厳しい状況に直面している。
(4) 我が国は、ガボンから原油,木材等を輸入し(98年輸入額4,824万ドル)、同国に自動車等を輸出している(同輸出額3,472万ドル)。84年9月及び96年9月にはボンゴ大統領が4度目の訪日(非公式)を果たし、二国間関係の強化が図られた。
我が国は、ガボンの一人当たりのGNPが高い水準にあることから、農業、人造り等の分野での研修員受入及び97年度より導入された草の根無償を中心に援助を実施している。
今後とも、同国の民主化、経済改革努力を支援するため、技術協力を中心に援助実施を検討していく方針である。
(参考1)主要経済指標等
- | 90年 | 95年 | 96年 | 97年 | |
人口(千人) | 1,135 | 1,077 | 1,125 | 1,153 | |
名目GNP | 総額(百万ドル) | 3,654 | 3,759 | 4,444 | 4,752 |
一人当たり(ドル) | 3,220 | 3,490 | 3,950 | 4,120 | |
経常収支(百万ドル) | 167.7 | 99.8 | - | - | |
財政収支(十億CFAフラン) | 51.0 | - | - | - | |
消費者物価指数 | - | - | - | - | |
DSR(%) | 6.4 | 15.6 | 11.4 | 13.1 | |
対外債務残高(百万ドル) | 3,984 | 4,360 | 4,310 | 4,285 | |
為替レート(年平均、1米ドル=CFAフラン) | 272.26 | 499.15 | 511.55 | 583.67 | |
分類(DAC/国連) | 高中所得国/- | ||||
面積(千平方キロメートル) | 257.7 |
(参考2)主要社会開発指標
- | 90年 | 最新年 | - | 90年 | 最新年 | |
出生時の平均余命(年) | 53 | 55(97年) | 乳児死亡率 (1000人当たり人数) |
99 | 87(97年) | |
所得が1ドル/日以下の人口割合(%) | - | - | 5歳未満児死亡率 (1000人当たり人数) |
164 | 136(97年) | |
下位20%の所得又は消費割合(%) | - | - | 妊産婦死亡率 (10万人当たり人数) |
190(80-90年平均) | 500(90-97年平均) | |
成人非識字率(%) | 39 | 37(95年) | 避妊法普及率 (15-49歳女性/%) |
48(80-90年平均) | - | |
初等教育純就学率(%) | - | - | 安全な水を享受しうる人口割合(%) | 68(88-90年平均) | 67(96年) | |
女子生徒比率(%) | 初等教育 | - | 50(96年) | 森林面積 (1000平方キロメートル) |
182 | 179(95年) |
中等教育 | - | 16(96年) |
(1)我が国のODA実績
暦年 | 贈与 | 政府貸付 | 合計 | |||
無償資金協力 | 技術協力 | 計 | 支出総額 | 支出純額 | ||
94 95 96 97 98 |
-(-) -(-) 0.01(4) 0.54(-) 0.14(-) |
0.23(100) 0.26(100) 0.23(96) 0.29(-) 0.37(-) |
0.23(100) 0.26(100) 0.24(100) 0.83(-) 0.50(-) |
- - - - - |
-(-) -(-) -(-) -0.44(-) -0.22(-) |
0.23(100) 0.26(100) 0.24(100) 0.39(100) 0.28(100) |
累計 | 2.09(12) | 4.72(28) | 6.80(38) | 14.98 | 10.00(60) | 16.78(100) |
(注) ( )内は、ODA合計に占める各形態の割合(%)。
(2) DAC諸国・国際機関のODA実績
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | うち日本 | 合計 | ||||||||||
95 96 97 |
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|
|
0.3 0.2 0.4 |
135.6 113.4 30.2 |
暦年 | 1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | その他 | 合計 | ||||||||||
95 96 97 |
|
|
|
|
|
1.5 0.4 0.3 |
9.9 15.0 12.1 |
(3)年度別・形態別実績
年度 | 有償資金協力 | 無償資金協力 | 技術協力 |
90年度までの累計 | 42.42億円 (内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照) |
1.17億円 (内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照) |
4.39億円
研修員受入 58人 |
91 | なし | 0.41億円 ガボン・ラジオ・テレビ第一放送局に対する社会・教育・文化番組 (0.41) |
0.07億円 研修員受入 3人 |
92 | なし | 0.43億円 柔道連盟に対する柔道器材 (0.43) |
0.09億円
研修員受入 3人 |
93 | なし | なし | 0.17億円 研修員受入 5人 |
94 | 18.52 億円 債務繰延べ (18.52) |
なし | 0.25億円
研修員受入 9人 |
95 | なし | 0.49億円 青年・スポーツ研究所に対するスポーツ機材 (0.49) |
0.14億円 研修員受入 5人 |
96 | なし | なし | 0.24億円 研修員受入 8人 |
97 | 8.99億円 債務繰延べ (8.99) |
0.17億円 草の根無償(2件) (0.17) |
0.42億円
研修員受入 9人 |
98 | なし | 0.18億円 草の根無償(3件) (0.18) |
0.33億円
研修員受入 11人 |
98年度までの累計 | 69.93億円 | 2.85億円 | 6.10億円
研修員受入 111人 |
(注) 1.「年度」の区分は、有償資金協力は交換公文締結日、無償資金協力及び技術協力は予算年度による。(ただし、96年度以降の実績については、当年度に閣議決定を行い、翌年5月末日までにE/N署名を行ったもの。)
2.「金額」は、有償資金協力及び無償資金協力は交換公文ベース、技術協力はJICA経費実績ベースによる。
3.75年度から90年度までの有償資金協力及び無償資金協力実績の内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照
(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/kuni/j_90sbefore/905-07.htm)
(参考)98 年度実施草の根無償資金協力案件
案件名 |
アルベール・シュバイツァー病院衛生機材改善計画 ポール・ジャンティ地方病院医療機材改善計画 サン・マリー職業訓練センター手工業零細企業育成プロジェクト |
プロジェクト所在図