ODAとは? ODA予算・実績

国別援助実績
1991年~1998年の実績
[21]リビア

 
1.概説

 (1) 69年にカダフィ大佐を中心とする青年将校によるクーデターにより王制が廃止され共和制に移行した。カダフィ大佐の唱える宗教と民族主義に基礎を置く「第三世界理論」に基づき、イスラム教を基調にした社会主義的、民族主義的民主国家の建設が目標とされている。

 (2) 外交方針も「第三世界理論」を基礎としており、イスラム社会の連帯とアラブの統合を基本方針としているが、最近はむしろアフリカ統一機構(OAU)を中心としたアフリカ諸国との関係強化に力を入れている。パンナム機(88年12月)及びUTA機(89年9月)の爆発・墜落事件へのリビア当局の関与を理由として、92年4月から国連安保理決議により航空機乗入れ停止等を内容とする制裁措置がとられ、更に、93年12月からは再び国連安保理決議により、石油関連機材等の供与の禁止、在外リビア当局資産の凍結等の制裁強化措置がとられていた。しかし、99年4月に対リビア国連制裁が停止され、制裁の完全な解除に向けて大きな進展があったことを受け、リビアは現在国際社会との関係正常化を模索している。

 (3) 経済は、86年以降の米国の経済制裁及び92年以降の国連制裁を契機とする欧米諸国からの投資減少により新規石油開発が遅れていることに加え、国営事業の民営化等も進捗していない。しかし、99年4月の制裁停止を受けて、リビアは経済開放政策を打ち出しつつあり、海外直接投資への優遇策等を通じ、停滞してきた経済の浮揚を目指している。

 (4) 我が国は、リビアから魚介類を輸入し(98年輸入額261万ドル)、同国に鉄鋼、自動車等を輸出している(同輸出額1億661万ドル)。


 (参考1)主要経済指標等

90年 95年 96年 97年
人口(千人) 4,546 5,407 5,167 5,201
名目GNP 総額(百万ドル)
一人当たり(ドル)
経常収支(百万ドル) 2.201
財政収支(百万ドル)
消費者物価指数
DSR(%)
対外債務残高(百万ドル)
為替レート(年末、1リビア・ディナール=米ドル) 3.7055
分類(DAC/国連) 高中所得国/-
面積(千平方キロメートル) 1759.5

 (参考2)主要社会開発指標

90年 最新年 90年 最新年
出生時の平均余命(年) 62 66(97年) 乳児死亡率
(1000人当たり人数)
75 24(97年)
所得が1ドル/日以下の人口割合(%)   5歳未満児死亡率
(1000人当たり人数)
112 30(97年)
下位20%の所得又は消費割合(%) 妊産婦死亡率
(10万人当たり人数)
80(80-90年平均) 220(90-97年平均)
成人非識字率(%) 36 24(95年) 避妊法普及率
(15-49歳女性/%)
45(90-98年平均)
初等教育純就学率(%) 安全な水を享受しうる人口割合(%) 94(88-90年平均) 95(96年)
女子生徒比率(%) 初等教育 森林面積
(1000平方キロメートル)
7 4(95年)
中等教育


2.我が国の政府開発援助の実績とあり方


 我が国は、リビアの一人当たりGNPが高い水準にあること、同国の標榜する外交政策等に鑑み、93年以降政府ベースの援助は実施していない。但し、制裁停止後のリビアの外交政策を注視しつつ、今後は技術協力を中心とする援助再開の可能性を検討していく。


3.政府開発援助実績


(1)我が国のODA実績

(支出純額、単位:百万ドル)
暦年 贈与 政府貸付 合計
無償資金協力 技術協力 支出総額 支出純額
94
95
96
97
98
 -(-)
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
0.07(100)
0.08(100)
0.05(100)
0.02(100)
0.02(100)
0.07(100)
0.08(100)
0.05(100)
0.02(100)
0.02(100)




 -(-)
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
0.07(100)
0.08(100)
0.05(100)
0.02(100)
0.02(100)
累計 -(-) 2.30(100) 2.30(100) -(-) 2.30(100)

 (注)( )内は、ODA合計に占める各形態の割合(%)。


 (2)DAC諸国・国際機関のODA実績

国際機関、ODA NET
(支出純額、単位:百万ドル)
暦年 1位 2位 3位 4位 5位 うち日本 合計
95
96
97
フランス
ドイツ
ドイツ
1.7
1.1
1.0
ドイツ
フランス
フランス
1.0
0.4
0.4
オーストリア
スウェーデン
スウェーデン
0.2
0.2
0.2
イタリア
オーストリア
スウェーデン
0.1
0.2
0.1
日本
イタリア
イタリア
0.1
0.1
0.1
0.1
0.1
0.0
3.2
2.1
1.8

DAC諸国、ODA NET
(支出純額、単位:百万ドル)
暦年 1位 2位 3位 4位 5位 その他 合計
95
96
97
UNDP
UNDP
UNDP
2.2
1.9
2.4
UNTA
UNHCR
UNHCR
1.5
1.2
1.0
UNHCR
UNTA
UNTA
1.1
0.3
0.7
UNFPA
UNFPA
UNFPA
0.0
0.0
0.0


0.4
4.4
3.1
5.2
7.9
7.3

(3)年度別・形態別実績

(単位:億円)
年度 有償資金協力 無償資金協力 技術協力
90年度までの累計 なし なし 1.07億円

研修員受入 52人
専門家派遣 10人
調査団派遣 16人
機材供与 0.1百万円
開発調査 1件

91 なし なし なし
92 なし なし  

研修員受入 1人

93 なし なし なし
94 なし なし なし
95 なし なし なし
96 なし なし なし
97 なし なし なし
98 なし なし なし
98年度までの累計 なし なし 1.07億円

研修員受入 53人
専門家派遣 10人
調査団派遣 16人
機材供与 0.1百万円
開発調査 1件

(注)1.「年度」の区分は、有償資金協力は交換公文締結日、無償資金協力及び技術協力は予算年度による。(ただし、96 年度以降の実績については、当年度に閣議決定を行い、翌年5月末日までにE/N署名を行ったもの。)
   2.「金額」は、有償資金協力及び無償資金協力は交換公文ベース、技術協力はJICA経費実績ベースによる。




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