ODAとは? ODA予算・実績

国別援助実績
1991年~1998年の実績
[1]アフガニスタン


1.概説


 (1) 96年9月には94年以降勢力を拡大した新興勢力タリバーンが首都カブールを制圧した。同年10月以降は北部、中央部を支配するラバニ派、ドストム派、ハリリ派等が反タリバーン同盟(北部同盟)を結成して対抗しているが、98年7月以降タリバーンが北部地域への軍事攻撃を活発化させた。99年3月等国連の仲介等によりタリバーンと反タリバーン各派との直接対話が行われたが、いずれの際もその後戦闘が激化しており、和平への糸口とはなっていない。99年5月現在、タリバーンがアフガニスタン全土の大半を支配するに至っているが、その後も反タリバーン派との戦闘は継続している。

 (2) 93年12月の国連総会決議に基づき設立された国連アフガニスタン特別ミッション(UNSMA)が和平に向けた活動を継続しており、97年7月に就任したブラヒミ国連事務総長特使がアフガニスタン近隣諸国、アメリカ及びロシアによる会合を主催する等和平活動を実施しているが、上述の通り和平の実現には至っていない。

 (3) 我が国は、地域の安定等の観点から、国連の活動を補完し、支援しつつ、アフガニスタンの和平実現を目指している。なお、79年の旧ソ連軍侵攻(89年2月に撤退)以降、同国全土を実効的に支配している正統政府は存在しないため、我が国はその後の累次の「政権」を政府承認していない。


2.我が国の政府開発援助の実績とあり方


 我が国は、79年度までは、食糧・農業分野等の無償資金協力及び専門家派遣、研修員受入等の技術協力を中心に実施したが、旧ソ連の軍事介入以後は、同国の政権を政府承認していないことから、直接の二国間援助は実施しておらず、国際機関経由の援助を実施してきている。また、アフガニスタンの人道状況にも鑑み、99年度より草の根無償資金援助を開始している。


 (参考1)主要経済指標等

90年 95年 96年 97年
人口(千人) 23,481 24,167 24,965
名目GNP 総額(百万ドル)
一人当たり(ドル)
経常収支(百万ドル)
財政収支(百万ドル)
消費者物価指数
DSR(%)
対外債務残高(百万ドル)
為替レート(年平均、1米ドル=アフガニ) 50.60 833.33 2,333.33 3,000.00
分類(DAC/国連) 後発開発途上国/LDC
面積(千平方キロメートル) 652.1

  (参考2)主要社会開発指標

90年 最新年 90年 最新年
出生時の平均余命(年) 43 45(97年) 乳児死亡率
(1000人当たり人数)
167
所得が1ドル/日以下の人口割合(%) 5歳未満児死亡率
(1000人当たり人数)
292
下位20%の所得又は消費割合(%) 妊産婦死亡率
(10万人当たり人数)
640(80-90年平均)
成人非識字率(%) 71 68(95年) 避妊法普及率
(15-49歳女性/%)
2(80-90年平均)
初等教育純就学率(%) 安全な水を享受しうる人口割合 (%) 21(88-90年平均)
女子生徒比率(%) 初等教育 森林面積
(1000平方キロメートル)
19
中等教育


3.政府開発援助実績

(1) 我が国のODA実績

(支出純額、単位:百万ドル)
贈与 政府貸付 合計
無償資金協力 技術協力 支出総額 支出純額
94
95
96
97
98
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
0.01(100)
0.02(100)
0.02(100)
-(-)
-(-)
0.01(100)
0.02(100)
0.02(100)




-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
-(-)
0.01(100)
0.02(100)
0.02(100)
累計 21.91(-) 9.45(-) 31.36(-) 1.85 -0.17(-) 31.19(100)

(注) ( )内は、ODA合計に占める各形態の割合(%)。


(2) DAC諸国・国際機関のODA実績(支出純額、単位:百万ドル)

DAC諸国、ODA NET
(支出純額、単位:百万ドル)
暦年 1位 2位 3位 4位 5位 うち日本 合計
95
96
97
オランダ 26.6
ドイツ 17.4
オランダ 42.9
ドイツ 15.6
スウェーデン 14.8
ドイツ 18.5
スウェーデン 15.3
オランダ 12.3
カナダ 13.4
英国 10.9
英国 8.6
スウェーデン 12.2
ノールウェー 9.2
ノールウェー 7.6
英国 9.5

0.0
0.0
106.1
84.3
123.4

国際機関、ODA NET
(支出純額、単位:百万ドル)
暦年 1位 2位 3位 4位 5位 その他 合計
95
96
97
WFP 31.0
WFP 44.1
CEC 54.8
CEC 24.6
CEC 38.3
WFP 50.6
UNHCR 20.0
UNDP 19.8
UNDP 19.0
UNDP 14.1
UNHCR 16.9
UNHCR 16.3
UNICEF 12.1
UNICEF 9.0
UNICEF 10.1
7.3
16.0
4.5
109.1
144.1
155.3

(3) 年度別・形態別実績

(単位:億円)
年度 有償資金協力 無償資金協力 技術協力
90年度までの累計
7.20億円

(内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照)

61.90億円

(内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照)

22.96億円

研修員受入 437人
専門家派遣 121人
調査団派遣 93人
機材供与 527.0百万円
プロジェクト技協 4件
開発調査 2件

91 なし なし なし
92 なし なし なし
93 なし なし なし
94 なし なし なし
95 なし なし なし
96 なし なし なし
97 なし 0.75億円

緊急無償地震災害(日本赤十字社経由) (0.75)

なし
98 なし

緊急無償地震災害(ICRC経由) (注4)

なし
98年度までの累計 7.20億円 61.90億円
22.96億円

研修員受入 437人
専門家派遣 121人
調査団派遣 93人
機材供与 527.0百万円
プロジェクト技協 4件
開発調査 2件

(注)1.「年度」の区分は、有償資金協力は交換公文締結日、無償資金協力及び技術協力は予算年度による。(ただし、96年度以降の実績については、当年度に閣議決定を行い、翌年5月末日までにE/N署名を行ったもの。)
   2.「金額」は、有償資金協力及び無償資金協力は交換公文ベース、技術協力はJICA経費実績ベースによる。
   3.68年度から90年度までの有償資金協力及び無償資金協力実績の内訳は、1997年版のODA白書参照、もしくはホームページ参照
     (http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/kuni/j_90sbefore/904-01.htm
   4.ICRC経由でアフガニスタン、アンゴラ、アゼルバイジャン等11か国への供与にて合計約1.7億円。


 (参考)98年度までに実施済及び実施中のプロジェクト方式技術協力案件

案件名 協力期間
小規模工業訓練センター
国立WAK病院
マラリア・結核対策
稲作開発センター
61.3~65.9
67.8~78.3
74.11~79.3
79.3~84.3

プロジェクト所在図(アフガニスタン、イラク、イラン、シリア、トルコ地図画像)



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