※NGO:非政府組織(Non-Governmental Organizations)
教育の質とライフスキル
識字率、就学率を上げる量の拡大の一方で、教育の質の議論から「ライフスキル」が取り上げられている。ライフスキルが目指すのは、コミュニケーションと対人関係がうまくでき、自分で意思決定ができて、自己管理ができるようになること。
ライフスキルに基づいた教育として、いくつかポイントがある。
1.従来の知識偏重の教育でなく、「知識、態度、ライフスキル」をバランスよく組み合わせること。例えば、看護学校の生徒は、脈のはかり方を暗唱できるけれど実践できないということがあるが、そうでなくしようということだ。ライフスキルの考え方は、今までは保健が中心だったが、平和教育、人権教育などにも広げられ、平和の構築や民族和解のための教育も行う。
2.生徒、先生の参加。先生が紙芝居をつくったり、踊ったり、歌ったり、手をたたいたりといった教え方の導入で、バングラデシュの教育省が取り入れ、保護者は、役に立つことを教えてくれるということで、子どもを学校に通わせるようになったという。
3.生徒にとって必要な技術となるかということ。例えば、衛生教育をすることで、下痢が止められるというように、子どものニーズに基づいてカリキュラムを考えていく。
そして、ジェンダー配慮である。
必要なことを子どもに教えるのに、教科書、補助教材、紙芝居と色々考えられる中で、何が最も効果的かを考える。TVドラマに入れて、予防接種を受けましょうとか、地雷の危険性とかを伝えるのも一つのやり方だ。
教材開発のポイント
教材を開発する際のポイントは、その教材で学ぶのは誰か、どういう中味にするか、どうやって作るかというプロセス、環境への配慮、どういう結果(成果)が出せるか、である。
開発するプロセスにおいて現場の先生を巻き込んでつくることは重要だ。そして成果が見えるような教材を考えること。モニタリングの仕組みを作り、政府に「こういう成果があった」と示すこと。バングラデシュの参加型授業の例は、目に見える結果を出し、教育省を説得することができた。
<教材のチェックリストの例>(1)(PDF)
例えば、HIVエイズを啓蒙していく場合、現状でどのような取り組みが行われているかを把握するためのチェックリスト。HIVエイズ以外でもこういったものは作れる。
<教材のチェックリストの例>(2)(PDF)
すでに教材、あるいは教材の原型が、その国にあって、それを使おうという場合のチェックリスト。誰を対象としているのか、何を目的にしているのか、どう使うのか、など、教材の品質を判断していく。
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