ODAとは? 国際協力とNGO(非政府組織)

(1)学校建設のガイドライン

※NGO:非政府組織(Non-Governmental Organizations


学校建設への協力

日本のNGOには、学校建設を手がける団体が多い。日本のODAも国際金融機関も、さかんに学校を建てている。
学校建設は、支援/援助する側にとって、取りかかりやすい面があるといえる。
旅で訪れ、教育事情を垣間見て、学校建設を思い立って活動を始めた、という団体もあるだろう。資金を集めるのに、学校を建てることは支援者にわかりやすい、という面もある。ODAの場合、教育のソフト面への援助は文化・思想に直接触れることになるので避け、関わるのは校舎の建設に留める、といった立場もあるだろう。

一方、学校建設の支援をめぐっては、NGOあるいは援助機関などで、様々な問題が起きている。

例えば次のような--
校舎ができたが教材が揃わない。
図書館ができたが、本はほとんどない。
建てた校舎が、他に比べて立派過ぎる。
地元の有力者の出身地に優先して建てられた。
地域社会のニーズを調べず、ドナーの思い入れのある地区に建てた。
新校舎完成後、一旦は生徒が増えたが、ドロップアウトが多い。
学校建設工事で、一部の住民や事業者に利益が偏った。
学校建設資金が正しく使われず、架空の学校が報告された。


校舎を建てれば、子どもは学校に通えるのか?

「今ここで、すべきことは、学校を建てることなのか?」
「地域の問題解決に、優先すべきことは学校建設か?」
「子どもが学校に行けないのは、校舎がないからか?」
など、事前の検討は、重要である。
同時に、「学校建設に誰がどう関わるのか?」
という点について、地元との合意形成が重要である。
支援/援助する側は、自分の持つ資金、資源、技術を提供することに情熱を傾けるあまり、相手が必要としているものからはピント外れになりかねない。
また、完成までのプロセスを地域の人々が自分たちのものとすることも事業の大きな目的といえるだろう。そしてもちろん、事後のフォローは欠かすことができない。
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