外交青書・白書
第3章 国益と世界全体の利益を増進する経済外交

4 知的財産の保護

知的財産保護の強化は、技術革新の促進、ひいては経済の発展にとって極めて重要である。日本は、APEC、WTO(TRIPS)19世界知的所有権機関(WIPO)20などでの多国間の議論に積極的に参画し、日本の知的財産が海外で適切に保護され、活用されるための環境整備を行っている。また、二国間の対話においても、積極的に知的財産保護の強化を諸外国に求めている。EPAなどでも、知的財産に関する規定を設け、知的財産の十分で効果的な保護が達成されるよう努めており、TPP11協定や日EU・EPAに続き、日英EPA及びRCEP協定も、知的財産の保護と利用の推進を図る内容となった。また、海外で模倣品・海賊版被害など知的財産についての問題に直面する日本企業を迅速かつ効果的に支援することを目的として、ほぼ全ての在外公館で知的財産担当官を指名し、日本企業への助言や相手国政府への照会、働きかけなどを行っている。さらに、知的財産保護の強化や模倣品・海賊版対策についての開発途上国の政府職員などの能力向上のため、国際協力機構(JICA)を通じて専門家派遣などを行っている。

19 TRIPS:Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)

20 WIPO:World Intellectual Property Organization

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