国連外交
国連加盟60周年記念行事
12月19日,国連大学において外務省と日本国際連合協会の共催(後援:国連大学,国連広報センター)により,皇太子同妃両殿下の御臨席を賜り,国連加盟60周年記念行事を実施しました。概要は以下のとおりです。
1 第一部
冒頭,岸信夫外務副大臣よる開会の辞において,日本が一貫して国連重視の姿勢を維持し,国連の平和と安全,開発及び人権の分野においてイニシアチブを発揮してきたこと,また,今後もグローバル課題の解決のために国連と連携し,積極的に取り組んでいく決意が表明されました。
皇太子殿下のおことばでは,御自身の国連「水と衛生に関する諮問委員会」名誉総裁としての関わりにも言及しつつ,国連がこれまで様々な問題を解決すべく,たゆまぬ努力を続けてきたこと,また,国際社会が諸課題の対処する上で,国連の役割がますます重要になっていることが述べられました。
安倍晋三内閣総理大臣による祝辞では,日本の平和,難民,開発などの分野での取組に言及するとともに,日本が国際協調主義に基づく「積極的平和主義」を掲げ,PKOや「人間の安全保障」などの分野でこれまで以上に積極的に貢献していく決意が述べられました。また,安保理改革の実現に尽力し,常任理事国として,一層の責任を果たしていく考えを表明しました。
続いて,デビッド・マローン国連大学学長による紹介の後,国連関係者(潘基文国連事務総長(動画),ピーター・トムソン第71回国連総会議長(動画),アントニオ・グテーレス次期国連事務総長(動画))からのビデオメッセージが上映されました。
明石康国際文化会館理事長(元国連事務次長)による基調講演においては,国連のこれまでの平和と安全,人権,開発分野での限界と成果が述べられるとともに,60年前の加盟に際しての「国際社会の名誉ある一員」としての日本の覚悟やその後のODAの実施や国際平和協力法の採択,軍縮・軍備管理の分野での貢献について述べられました。また,今後も平和と国際協調の更なる強化を目指し,日本が国連加盟以来のゆるぎない姿勢と理念を堅持していくことを願う旨述べられました。
「日本と国連の60年の歩みと今後の展望」に関するパネル・ディスカッションでは,根本かおる国連広報センター所長がモデレーターを務め,大島賢三アフリカ協会理事長・広島大学長特任補佐,北岡伸一国際協力機構理事長,神余隆博関西学院大学副学長をパネリストとして,日本が,加盟以来,国連で行ってきた貢献や課題,また,日本と国連が,現下の国際情勢において,今後世界の平和と繁栄のために,どのような役割を果たしていくべきかについて,活発な議論が行われました。
最後に,千玄室日本国際連合協会会長により第一部閉会の辞が述べられました。
2 第二部
親善大使及び国連グローバル・コンパクト関係者によるトークセッション「世界のために私たちが国連を通じてできること」では,植木安弘上智大学教授がモデレーターを務め,有馬利男国連グローバル・コンパクト・ボードメンバー,紺野美沙子国連開発計画親善大使,知花くららWFP国連世界食糧計画日本大使をパネリストとして,それぞれの国連との関わりやこれまでの活動を通じて感じたことについて発言されました。
高校生/大学生模擬国連優秀者による政策提言プレゼンテーション大会「世界を変えるために-『持続可能な開発目標(SDGs)』への提言」では,2015年及び2016年に開催された模擬国連の大会で優秀な成績を収めた高校生1チーム及び大学生2名が,昨年採択された「持続可能な開発目標(SDGs)の17の目標から1つの目標を選定し,その目標のために今後日本と国際社会がどのような取組をすべきかについて,プレゼンテーション形式で政策提言を行いました。
外務大臣表彰式においては,(1)国連加盟60周年のロゴマーク作成者,(2)「日本と国連の将来」に向けた動画メッセージ・コンクール最優秀作品作成者,(3)小学生/中学生「国連壁新聞」全国大会の最優秀作品作成者,(3)政策提言プレゼンテーション大会優勝者に対して,賞状の授与が行われました。
最後に,赤阪清隆フォーリン・プレスセンター理事長(元国連事務次長)より閉会の辞が述べられました。