エストニア共和国

令和2年2月10日
儀じょう隊による儀じょう及び栄誉礼
(写真提供:内閣広報室)
日・エストニア首脳会談
(写真提供:内閣広報室)
共同記者発表
(写真提供:内閣広報室)

 2月10日,午後6時15分頃から約45分間,安倍晋三内閣総理大臣は,実務訪問賓客として訪日中のユリ・ラタス・エストニア首相(H.E. Mr. Jüri Ratas, Prime Minister of Estonia)と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。なお,会談には,日本側から,萩生田光一文部科学大臣,岡田直樹内閣官房副長官ほかが,エストニア側からは,マリス・レプス教育科学大臣(Ms. Mailis Reps, Minister of Education and Research of Estonia),カイド・ホーヴェルソン・エストニア日本友好議員連盟会長(元大関・把瑠都凱斗,Mr. Kaido Höövelson, MP, Chairman of the Estonia-Japan Parliamentary Group)ほかが同席しました。
 また,首脳会談後,両首脳が立ち会いの下,独立行政法人国民生活センターとエストニア消費者保護・技術規制庁との消費者相談処理に係る協力のための覚書他,日本企業とエストニア企業間の覚書を含む3件の覚書交換式を執り行いました。その後,安倍総理大臣主催の晩餐会が和やかな雰囲気の中で行われ,経済・文化交流等幅広い話題について意見交換が行われました。

1 冒頭

(1)安倍総理大臣から,ラタス首相の訪日を歓迎し,「一昨年1月にエストニア訪問した際の温かいおもてなしに改めて感謝,基本的価値を共有する重要なパートナーであるエストニアは本年から国連安保理非常任理事国,二国間関係強化に加え,地域・国際社会の課題についても率直に議論したい」と述べました。
(2)これに対し,ラタス首相から,「2018年1月12日はエストニア独立100周年の始まりであるとともに日本の総理大臣が初めてエストニアを訪問してくれた日として記念すべき日だった,今回の訪日では20社近いビジネス・デリゲーションが同行しており,日本とのさらなる協力を追求したい」と発言がありました。

2 二国間関係

(1)安倍総理大臣から,「経済分野では,ビジネスミッションの増加,JETRO及びJBICの活動強化等,関係強化が目覚ましい。特にエストニアが世界最先端を走るICT分野での両国企業間の協力が顕著で,引き続き両国経済関係の更なる強化に期待する」「サイバー・安全保障分野では,当局間の定期的な情報交換及び協議に加え,昨年12月にエストニアで行われたNATOサイバー防衛演習『サイバー・コアリション』やエストニアに所在するNATOサイバー防衛協力センターに防衛省職員を派遣,こうした取組を通じて,サイバー・安全保障分野の更なる強化に期待する」と述べました。
(2)これに対し,ラタス首相は「ICTやサイバー分野は日本と真の協力が進められる分野であり,様々な経験を共有できると考えている,本日覚書を締結するエストニア企業もエストニアの情報共有システムを構築した企業である」と述べました。
(3)また,両首脳は,来月から開始されるワーキング・ホリデー制度の導入を歓迎し,同制度を通じて,両国の若者がお互いの国を知り,両国国民の人的交流が進むきっかけとなることへの期待を表明しました。

3 国際場裡での協力等

 安倍総理大臣から,「国連安保理非常任理事国としてエストニアとは国際場裡での連携を強化する」と述べました。
 これに対し,ラタス首相は「エストニアの安保理非常任理事国入りにおける日本の支持に感謝する,エストニアは安保理改革を重視しており,日本の安保理常任理事国入りを強く支持する」と述べました。
 両首脳は,安倍総理大臣のバルト三国訪問時に創設した「日バルト協力対話」を通じて,日バルト関係の強化及び具体的な協力案件に繋がるよう引き続き連携していくことで一致しました。

4 地域情勢

 両首脳は,東アジア・欧州情勢についても幅広く議論し,連携して対応していくことを確認しました。北朝鮮情勢については,北朝鮮の完全な非核化に向けて,引き続き緊密に連携していくことで一致したほか,安倍総理大臣から,拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を求め,ラタス首相の支持を得ました。

 [参考]日バルト協力対話
 2018年1月,安倍総理大臣が日本の総理大臣として初めてバルト三国を訪問した際,幅広い分野での日本とバルト三国との間の協力を一層推進するため立ち上げることで首脳間で合意されたもの。


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