G7

令和8年6月26日

 6月15日から17日にかけてフランス・エビアンにて開催されたG7エビアン・サミットに高市総理が出席したところ、概要は以下のとおりです。

議題・日程

1 出席者

  1. G7
    日:高市総理、加:カーニー首相、仏:マクロン大統領(議長)、米:トランプ大統領、英:スターマー首相、独:メルツ首相、伊:メロー二首相、EU:コスタ欧州理事会議長、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長
  2. 招待国(5か国)
    ブラジル:ルーラ大統領、エジプト:エルシーシ大統領、インド:モディ首相、ケニア:ルト大統領、韓国:李大統領
     なお、ウクライナ・セッションには、ウクライナ(ゼレンスキー大統領)が、中東情勢に関するワーキング・ランチには、カタール(タミーム首長)、及びアラブ首長国連邦(ムハンマド大統領)が参加。
  3. 招待機関(4国際機関)
    アフリカ開発銀行(AfDB):タハ総裁、経済協力開発機構(OECD):コーマン事務総長、世界銀行(WB):バンガ総裁、国際通貨基金(IMF):ゲオルギエバ専務理事

2 日程及び出席国

6月15日(月曜日)

  • ワーキングディナー「主要な国際課題への対処」
    出席国:G7メンバー

6月16日(火曜日)

  • ワーキング・セッション「ウクライナと欧州の平和及び安全保障の構築」
    出席国:G7メンバー、ウクライナ
  • ワーキング・ランチ「中東危機への対処と安定の確保」
    出席国:G7メンバー、エジプト、カタール、アラブ首長国連邦
  • ワーキング・セッション「新たなパートナーシップの構築と国際連帯の再構築」
    出席国:G7メンバー、ブラジル、エジプト、インド、ケニア、韓国、アフリカ開発銀行(AfDB)、世界銀行(WB)

6月17日(水曜日)

  • セッション5「すべての人の利益となる、均衡の取れた包摂的で、持続可能な経済成長の回復」
    出席国:G7メンバー、ブラジル、エジプト、インド、ケニア、韓国、国際通貨基金(IMF)、経済協力開発機構(OECD)
  • セッション6(ワーキング・ランチ)「AIの安全で迅速かつ効率的な導入の確保」
    出席国:G7メンバー、ブラジル、エジプト、インド、ケニア、韓国及びテック企業関係者(アンソロピック、ブラック・フォレスト・ラボ、コーヒア、ドミン、グーグル・ディープマインド、メタ、ミストラル、オープンAI、サカナAI、サルバムAI、シンセシア、セールスフォースのCEO等)

成果文書

 G7エビアン・サミットにおいて発出された成果文書は以下のとおり。

  1. 首脳声明

各セッション概要

ワーキングディナー「主要な国際課題への対処」

  1. 本セッションでは、中東情勢、ウクライナ情勢、インド太平洋情勢や重要鉱物を含むサプライチェーン強靱化といった国際社会の主要課題への対応について、G7各国で率直な意見交換を行いました。
  2. 高市総理大臣から、米国・イラン間の覚書の合意は事態の収束に向けた大きな一歩であるとして歓迎しました。また、米国の粘り強い外交努力に敬意を表し、今後は、今回の合意の履行を確保しつつ、ホルムズ海峡における自由で安全な航行が実際に確保され、イランの核兵器開発阻止を確保するために、最終的な合意が一日も早く実現することが重要である旨強調しました。さらに、現在ペルシャ湾内に取り残されている全ての船の一日も早いホルムズ海峡通過は船員の命と心の健康を守るために最優先すべきである、日本は唯一の戦争被爆国として、IAEAと連携したイランの核兵器開発阻止を訴えると述べ、これらについてG7で連携したいと述べました。その上で、今回のホルムズ危機は重要物資の備蓄の重要性を知らしめたとし、重要鉱物に関して、G7各国備蓄制度立ち上げ支援や、制度の相互連携を内容とする「共同備蓄連携構想」を提案しました。
  3. 高市総理大臣から、重要鉱物を始めとするサプライチェーン強靱化に向けたG7の連携を加速させることが重要である旨述べ、仏・豪との連携によるレアアース代替供給源立ち上げを例示しつつ、同志国との供給源多角化の加速化、資源国との国際開発金融機関を通じた支援といった供給面の取組の重要性について述べました。
  4. また、高市総理大臣から、北朝鮮の完全な非核化という原則の重要性を強調するとともに、北朝鮮による核・ミサイル開発及び軍事力向上、暗号資産窃取を含む様々な課題への懸念を表明しました。また、拉致問題の即時解決について、G7の全面的な支持への謝意を述べました。
  5. 高市総理大臣から、国際社会の平和・安定や繁栄に大きな影響を与えるインド太平洋情勢及び中国を含む地域での諸課題について、日本の考え及び立場を説明し、G7首脳はこうした諸課題に連携して取り組むことで一致しました。

ワーキング・セッション「ウクライナと欧州の平和及び安全保障の構築」

  1. 高市総理大臣から、ウクライナの将来についてはウクライナの意思が最大限尊重されるよう、ウクライナを支えていくべきであり、その上で、公正かつ永続的な平和実現のため、ロシアに前向きかつ具体的な行動を迅速にとらせるべく、G7の結束・連携を重視している旨述べました。
  2. また、高市総理大臣から、力による一方的な現状変更の試みを容認すべきではない旨強調するとともに、露朝軍事協力及び露中間の軍事的連携強化への懸念を述べました。
  3. さらに高市総理大臣から、日本として、ウクライナ支援を着実に実施してきた旨述べました。
  4. G7首脳は、引き続きウクライナの公正かつ永続的な平和実現のために連携することで一致しました。

ワーキング・ランチ「中東危機への対処と安定の確保」

  1. 高市総理大臣から、米国・イラン間の覚書合意は事態の収束に向けた大きな一歩であるとして歓迎し、米国の粘り強い外交努力及び仲介の役割を果たしてきた関係国の取組に敬意を表しました。その上で、今後は、今回の合意の履行を通じ、ホルムズ海峡における自由で安全な航行が実際に確保され、最終的な合意が一日も早く実現することが重要であり、日本も、イランに対する働きかけを含め外交努力を継続する旨述べました。
  2. 高市総理大臣は、ホルムズ危機を通じて顕著になったエネルギー問題に関し、不当な輸出制限に反対し、自由で透明性のある貿易、その前提となるホルムズ海峡を始めとするあらゆるシーレーンの自由で安全な航海の確保することの重要性を強調しました。その上で、日本が立ち上げた「パワー・アジア」を紹介し、国際エネルギー機関(IEA)とも連携し各国の石油備蓄強化支援を行うべき旨述べました。更に、エネルギー市場の安定のために生産国・消費国双方の協力が必要である旨強調しました。
  3. ガザ情勢について、高市総理大臣は、「包括的計画」が停滞することなく着実に実施されていくことが重要であり、日本として引き続き、人的貢献、復旧・復興支援、アジアにおける支援の輪の拡大を通じて、積極的な役割を果たしていく旨述べました。
  4. G7首脳は、引き続き中東の平和と安定に向けて連携することで一致しました。

ワーキング・セッション「新たなパートナーシップの構築と国際連帯の再構築」

  1. 高市総理大臣から、質の高い成長の実現は、パートナー国のオーナーシップによる自律的発展が鍵であり、日本は、約70年前から、一貫して、東南アジアやアフリカを始めとするパートナー国と共に自律的な発展に役立つ開発協力を主導してきたと述べました。例として、ケニアでは、東アフリカの玄関口であるモンバサ港のインフラ整備を行い、自律的発展を後押ししていることや、中央医学研究所に対して感染症研究・対策強化の協力を実施し、今や、東アフリカを代表する感染症研究機関として感染症対策の中核を担い、地域の研修拠点としても活用されていることを説明しました。
  2. 高市総理大臣から、エボラ出血熱対策を強化しようとする、トランプ大統領のリーダーシップに感謝し、支持する旨述べ、また、日本は、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を重視しており、昨年東京に設立したUHCナレッジハブでは、エジプトやケニアなどに対して、保健財政強化の研修を実施してきた他、本年12月には、UHCハイレベルフォーラム2026の開催を予定している旨述べました。
  3. 高市総理大臣から、今後もG7や同志国と連携してこうした取組を進めていくこと、また、新興ドナーが、責任あるドナーとして、共に国際的なルール・スタンダードを遵守し、透明で公正な開発金融を推進すること、更に、全てのG20メンバーが今後の債務問題への対応や、世銀による債権国と債務国のデータ共有に共に参加するとともに、中所得国の債務措置の在り方を議論すること、開発資金の多様化を進めるべく、国内資金・民間資金を動員することが重要であると述べ、日本は3月に東京で税と開発カンファレンスを主催したことを紹介しました。
  4. 高市総理大臣から、今年は、日本がFOIPを提唱してから10周年であり、進化したFOIPの下で、インド太平洋地域の自律性、強靱性を高めるためにODAを含む多様なツールや、民間資金も活用しながら、共に強く豊かになるための連携を拡大したい旨述べました。
  5. 高市総理大臣から、中国による対日措置が、G7や同志国のサプライチェーンに深刻に影響を与えかねない状況を深刻に懸念している旨述べました。また、G7の他、同志国や国際機関と連携し、重要鉱物のサプライチェーン強靱化に向けて取り組むことや、鉱物等を産出する途上国への国際開発金融機関(MDBs)を通じた支援の強化が重要である旨述べた上で、日本は、G7や他の同志国と共に、「RISE(強靱で包摂的なサプライチェーンの強化)パートナーシップ」を更に推進し、アジア開発銀行(ADB)や米州開発銀行(IDB)等他のMDBsとも協力していく旨述べました。また、技術の管理強化について協力してきたい旨述べました。

ワーキング・セッション「すべての人の利益となる、均衡の取れた包摂的で、持続可能な経済成長の回復」

  1. 冒頭、高市総理大臣から、G7及び同志国が緊密に連携し、世界経済の不確実性を下げていく必要がある旨述べました。また、グローバルな不均衡の拡大要因となる非市場的政策・慣行とそれに起因する過剰生産を是正し、自律的な成長を実現することは、多くの国にとって共通の課題である旨述べました。
  2. 高市総理大臣から、G7メンバーや本セッション参加国も自国の均衡の取れた成長と世界経済及び金融市場の安定のため、不均衡是正に貢献する姿を見せていくべきである旨述べました。また、このような取組を進める上で、IMF、OECD等によるデータに基づく客観的分析・提言の活用は極めて有益である旨述べました。
  3. 高市総理大臣から、率直な議論を通じてG7及び同志国が世界経済を牽引していきたい、また、トランプ米国大統領が議長を務めるG20においても、世界経済の不確実性を下げ、強く、共に豊かになるための議論を行うことを楽しみにしている旨述べました。

ワーキング・ランチ「AIの安全で迅速かつ効率的な導入の確保」

  1. 高市総理大臣から、AI・デジタル技術は、日本の成長戦略の一つであり、世界の経済成長の要である旨述べた上で、リスクに適切に対応し、「信頼性」のある枠組みを構築していくことの重要性を強調しました。
  2. 高市総理大臣から、日本は、「広島AIプロセス」を通じた「安全、安心で信頼できるAI」エコシステムの構築や、それを支える「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」を掲げて国際的な議論を主導してきた旨述べました。また、日本は、同志国やグローバル・サウス諸国と共に、「信頼」に基づく協力を通じて、それぞれの国や地域の実情に応じたAIエコシステムの共創を進めている旨述べました。
  3. 高市総理大臣から、フロンティアAIがもたらす潜在的な機会と深刻なリスクへの対応も重要であり、金融や通信、電力など基幹インフラにおけるサイバーセキュリティを確保も重要である旨述べました。
  4. 高市総理大臣から、製造業等の現場で蓄積した経験、知識や「すり合わせ」の技術といった日本の強みを質の高いデータとして活用し、バーティカルAIやフィジカルAIを中心に、「信頼できるAI」の官民投資を力強く推進していく旨述べました。また、こうした日本の強みを活かしながら、AIサミットの日本開催に向けて、各国やテック企業と緊密に連携して、「信頼できるAI」の実現を目指したい旨述べました。
  5. なお、本ワーキング・ランチには、アンソロピック、ブラック・フォレスト・ラボ、コーヒア、ドミン、グーグル・ディープマインド、メタ、ミストラル、オープンAI、サカナAI、サルバムAI、シンセシア、セールスフォースのCEO等も参加しました。

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