核軍縮・不拡散
河野外務大臣と天野国際原子力機関事務局長との会談
平成30年7月5日
5日午前10時20頃(現地時間)から約40分間,ウィーンを訪問中の河野外務大臣は,天野之弥国際原子力機関(IAEA)事務局長と会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
- 河野外務大臣と天野IAEA事務局長は,米朝首脳会談を受けた米朝協議が正に進行する中,また,イラン核合意について,翌6日,関係国の閣僚会議がウィーンで開催される状況の中で時宜を得た形で北朝鮮情勢,イラン情勢について率直な意見交換を行いました。
- 北朝鮮については,情勢が動く場合に迅速に対応できるよう,いかにしてCVIDを実現するのか,特に非核化の検証体制の在り方や課題について意見交換を行いました。
- 河野大臣から, 北朝鮮の非核化の検証において,IAEAが中心的役割を果たし,その知見,経験が最大限に活用されるべきとの考えを伝達しました。天野事務局長からは,米側との調整状況や,それを踏まえたIAEA内での検討状況,課題について詳細な説明がありました。その上で,日IAEAの連携を確認しました。
- 河野大臣から,IAEAが北朝鮮における監視・検証活動を再開する場合,日本としても応分の支援を行う用意がある旨伝達し,その具体的な内容は様々な状況を踏まえて総合的に判断していくものである旨述べました。
- イラン情勢については,米国のイラン核合意離脱後の情勢に関し意見交換を行いました。河野大臣からは,核合意支持の立場,及び,米国,イランへの働きかけや核合意履行支援等の取組みを説明しました。天野事務局長から, 4日に行われたローハニ大統領と天野事務局長の会談についての説明を含めて,今後の見通しに係るIAEAの分析について説明を受けました。
- また,天野事務局長からは,IAEAの「平和と開発のための原子力」への日本の支持に対する謝意が示されました。河野大臣からは,引き続き,かかるIAEAの取組みを支持する旨述べるとともに,東京電力福島第一原発事故後のIAEAの支援に感謝を述べ,緊密に連携していくことで一致しました。