核軍縮・不拡散

令和5年12月9日
「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議第3回会合に出席している岸田総理

 12月8日及び9日、「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議第3回会合が長崎において開催されました。会合には、白石隆座長(熊本県立大学理事長)を始めとする日本人委員3名の他、核兵器国、非核兵器国からの外国人委員11名の合計14名の委員に加え(1名はオンラインで部分参加、1名は欠席)、政治リーダーとしてブラウン英上院議員(元国防相)、モハメド・ケニア元外務長官(オンライン参加)、開催地の有識者として朝長万左男・日赤長崎原爆病院名誉院長が参加し、また、政府からは、8日の開会セッションに石原宏高内閣総理大臣補佐官が、9日の閉会セッションには岸田文雄内閣総理大臣及び深澤陽一外務大臣政務官がそれぞれ出席し、率直かつ忌憚のない議論が行われました。加えて、政治リーダーとして、ミチェル・バチェレ・チリ元大統領、メヴリュット・チャヴシュオール・トルコ前外相、サム・ナン米元上院委員長及びジョン・ケリー米気候問題担当大統領特使からビデオメッセージが寄せられました。

  1. 8日午後の開会セッションでは、石原総理大臣補佐官が歓迎の辞を述べつつ岸田総理大臣の開会挨拶を代読しました。その後、政治リーダーとして、バチェレ・チリ元大統領、チャヴシュオール・トルコ前外相、ナン米元上院委員長からのビデオメッセージがそれぞれ紹介され、アミーナ・モハメド・ケニア元外務長官からもオンラインで挨拶がありました。また、各委員からの挨拶や、朝長名誉院長の挨拶が行われました。
  2. 8日及び9日の2日間にわたり、委員は4つのセッションを通じ、核軍縮を取り巻く現下の国際情勢や安全保障環境を踏まえ、今日的視点から核軍縮を進める上での課題について深く検討を行うとともに、核軍縮分野で優先的に取り組むべき事項や国際賢人会議の今後の議論の進め方等について闊達な議論を行いました。9日には、政治リーダーとしてブラウン英上院議員(元国防相)が対面で参加しました。
  3. 9日午後、岸田内閣総理大臣は、賢人会議の議論の内容について参加者から報告を受けた上で閉会セッションに臨みました。同セッションにおいて、政治リーダーとしてケリー米気候問題担当大統領特使からのビデオメッセージに続き、岸田総理大臣は、自由闊達な議論を通じて「長崎を最後の被爆地に」という共通の決意を新たにすることに国際賢人会議の意義があり、そうした観点から、委員が被爆の実相について理解を深めたことは何物にも代えがたい、自分は、「核兵器のない世界」に向けて、引き続き国際賢人会議の叡智を得つつ強いリーダーシップを発揮していく旨述べました。
  4. 今次会合に参加した委員は、被爆の実相についての認識を深めるべく、8日午前、築城昭平氏(18歳の時に長崎で被爆)による被爆体験の講話に真剣に耳を傾けるとともに、平和公園における献花、原爆資料館及び旧城山国民学校校舎視察を行いました。このほか、委員との間で、被爆者、市民社会との間で、それぞれ意見交換が行われました。また、9日には、委員は深澤外務大臣政務官主催の夕食会に出席し、和やかな雰囲気の中で意見交換が行われました。
  5. 今後の国際賢人会議の活動について、2026年NPT運用検討会議に向けて提言をまとめるべく、来年は2回の会合を開催することとし、次回会合(第4回会合)を、委員それぞれの日程等も踏まえつつ、来年春頃を目処に実施する方向で調整することとなりました。
  6. また、岸田総理大臣は、マルティ・インドネシア元外相、ブラウン英上院議員(元国防相)とそれぞれ短時間懇談し、「核兵器のない世界」の実現に向け、引き続き協力していくことで一致しました。
(参考1)別添PDF
  1. 岸田総理大臣の開会挨拶(石原総理補佐官による代読)(英文(PDF)別ウィンドウで開く和文(PDF)別ウィンドウで開く
  2. 閉会セッションにおける岸田総理大臣のスピーチ(英文(PDF)別ウィンドウで開く和文(PDF)別ウィンドウで開く
(参考2)「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議
  1. 経緯及び目的
     2022年1月、岸田総理大臣が施政方針演説で、核兵器国と非核兵器国、さらには、核兵器禁止条約の参加国と非参加国からの参加者が、それぞれの国の立場を超えて、知恵を出し合い、「核兵器のない世界」の実現に向けた具体的な道筋について、自由闊達な議論を行う場として表明。
  2. 「核兵器のない世界」に向けた国際賢人会議委員(15名)

    【対面参加】

    • 白石 隆(座長)      熊本県立大学理事長
    • アンゲラ・ケイン      元国連事務次長兼国連軍縮担当上級代表
    • ローズ・ゴッテメラー    元米国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)
    • 高見澤 將林        東京大学公共政策大学院客員教授
    • ジョージ・パーコビッチ   米カーネギー国際平和財団副会長
    • イアン・アンソニー     スウェーデン国防研究所(FOI)防衛分析部安全保障政策分析官
    • ブルーノ・テルトレ     仏戦略研究所副所長
    • マルティ・ナタレガワ    元インドネシア外務大臣
    • マンプリート・セティ    印空軍力研究センター(CAPS)フェロー
    • 秋山 信将         一橋大学国際・公共政策大学院院長
    • ターニャ・オグルビー・ホワイト 核軍縮・不拡散アジア太平洋リーダーシップ・ネットワーク(APLN)リサーチディレクター
    • アントン・フロプコフ    露エネルギー・安全保障研究センター(CENESS)センター長
    • 趙 通(ジャオ・トン)   米カーネギー国際平和財団シニアフェロー

    【オンライン参加】

    • グスタヴォ・スラウビネン  第10回NPT運用検討会議議長

    【欠席】

    • ディナ・カワール      駐米ヨルダン特命全権大使

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