スリランカ民主社会主義共和国

平成29年4月12日
儀じょう隊による栄誉礼及び儀じょう 儀じょう隊による栄誉礼及び儀じょう
(写真提供:内閣広報室)
握手を交わす両首脳 握手を交わす両首脳
(写真提供:内閣広報室)
日・スリランカ首脳会談 日・スリランカ首脳会談
(写真提供:内閣広報室)

 本12日午後4時10分から約45分間,安倍晋三内閣総理大臣は,実務訪問賓客として訪日中のラニル・ウィクラマシンハ・スリランカ民主社会主義共和国首相(Hon. Mr. Ranil Wickremesinghe,Prime Minister of the Democratic Socialist Republic of Sri Lanka)との間で首脳会談を行ったところ,概要は以下のとおりです。
 両首脳は,会談後,「包括的パートナーシップの深化・拡大」と題する共同声明仮訳(PDF)別ウィンドウで開く英文(PDF)別ウィンドウで開く)を発表しました。また,両首脳の立ち会いの下,円借款「復興地域における地方インフラ開発計画」(129億5,700万円),同「カル河上水道拡張計画(第一期)」(318億1,000万円)及び無償資金協力「経済社会開発計画」(10億円)に関する書簡の交換が行われました。

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    共同記者発表
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    署名式に立ち会う両首脳
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1 冒頭

 安倍総理大臣から,ウィクラマシンハ首相の9度目の訪日を歓迎する旨,インド太平洋地域において自由で開かれた海洋秩序を確保し,地域全体の安定と繁栄を支えていきたい旨,この点,我が国としてシーレーンの要衝に位置するスリランカとの関係を重視している旨述べました。これに対し,ウィクラマシンハ首相から,インド太平洋の中でスリランカが発展するためには,インド洋東西の地域の安定が極めて重要であり,同じ考え方を持つ日本との協力はとても重要であり,「包括的パートナーシップ」を強化するために訪日した旨述べました。

2 安全保障・海洋協力

(1)安倍総理大臣から,スリランカとの海洋協力を一層拡大したい旨,巡視艇2隻の供与等を通じて同国の海上保安能力を向上させるとともに,新設の防衛当局間協議を通じ,防衛交流・対話を進展させたい旨,次期日印海保連携訓練へのスリランカのオブザーバー参加を期待する旨を述べました。

(2)これに対し,ウィクラマシンハ首相から,日本の「自由で開かれたインド太平洋戦略」を支持する旨,スリランカにとってハブとしての発展のために海洋安全の能力向上は喫緊の課題であり,海上保安当局間,防衛当局間の協力を具体化させたいとの意向を表明しました。

(3)その上で,両首脳は,スリランカの安定した発展のために,港湾開発を行うにあたり,港湾施設がスリランカ政府の完全な管理の下におかれ,開放され,透明性をもって,商業目的で利用されることの重要性を再確認しました。

3 経済・経済協力

(1)安倍総理大臣から,インド洋のハブとしての発展を全力で後押ししたい旨,「質の高いインフラ」を通じ,港湾や交通,エネルギー等のインフラ開発を進め,連結性の向上や国家開発を支援していく旨,かかる視点から,上水道整備及び紛争影響地域等での基礎インフラ整備の2件,総額約450億円の円借款,またトリンコマリー港整備のための10億円の無償資金協力を決定した旨述べました。

(2)これに対し,ウィクラマシンハ首相から,日本がG7伊勢志摩サミットで原則として示した「質の高いインフラ(PDF)別ウィンドウで開く」は,スリランカの持続的な開発を可能にするものであり,包括的パートナーシップの下で日本との協力を進めたい旨,特に日本による港湾をはじめとするインフラ開発への協力に期待しており,トリンコマリー港の開発やコロンボ港の開発に日本の関与を望む旨,更には,スリランカのバランスのとれた経済発展のため,日本からの民間投資に高い期待を示している旨述べました。

4 国民和解・平和構築

 安倍総理大臣から,新政権が新憲法制定の努力を含め,国民和解に向けて取組んでいることを評価し,引き続きスリランカ自身による平和構築,国民和解の努力を後押しする考えを伝えました。これに対し,ウィクラマシンハ首相から,新政権における国民和解・平和構築に向けたコミットメントに対する安倍総理大臣の評価に謝意を表明しました。

5 地域情勢・国際場裡での協力等

 両首脳は,北朝鮮の核・ミサイル開発は新たな段階の脅威であり,安保理の実効性を確保すべく協力する旨,海洋における安定の確保は重要であり,特に,南シナ海については航行及び上空飛行の自由,また自制,非軍事化,及び国連海洋法条約を含む国際法に従った紛争の平和的解決の重要性につき一致しました。


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