シンガポール共和国
日・シンガポール首脳会談
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)
1 日・シンガポール首脳会談
(写真提供:内閣広報室)
本1日,午後6時頃から約45分間,安倍晋三内閣総理大臣は,国賓として訪日中のトニー・タン・ケン・ヤム・シンガポール共和国大統領(H. E. Dr Tony TAN Keng Yam, President of the Republic of Singapore)と,日・シンガポール首脳会談を実施したところ,概要は以下のとおりです。会談には,野上浩太郎内閣官房副長官他が同席しました。
(1)冒頭,安倍総理大臣から,タン大統領の国賓としての訪日を心から歓迎する,日本とシンガポールが,本年,外交関係樹立50周年という節目の年を迎え,50周年記念事業が盛大に行われていることを大変嬉しく思う,タン大統領夫妻の訪日を契機として,次の半世紀に向け,日本とシンガポールの関係を更なる高みへと引き上げたい旨述べました。
これに対して,タン大統領から,外交関係樹立50周年は両国にとって特別な意味を持つ,今後も幅広い分野において友好・協力関係を深化させていきたい旨述べました。
(2)また,安倍総理大臣から,両国関係は,この半世紀の間,政治・経済のみならず,文化・知的交流の分野でも幅広く発展してきた旨述べました。また,安倍総理大臣から,両国の陸・海・空の運輸・インフラ分野での協力強化のため,本年度中に開催する関係省庁次官級協議で具体的に議論させたい,両国協力の象徴として,高速鉄道事業計画において,日本の新幹線が導入されることを強く期待する,シンガポールと引き続き連携したい旨述べるとともに,LNGの船舶燃料供給拠点の整備について,引き続き連携を強化したい旨述べました。さらに,安倍総理大臣から,日本銀行・シンガポール通貨庁間の通貨スワップ取極締結を歓迎したい旨述べました。
これに対して,タン大統領から,日本はシンガポールにとって貿易・投資面で重要なパートナーである,日本の新幹線の技術を高く評価する,通貨スワップ取極は金融システムの安定を高める上で有意義である旨述べました。
(3)また,安倍総理大臣から,ジャパン・クリエイティブセンター(JCC)は,リー・シェンロン首相と私(安倍総理大臣)のイニシアチブで創設した象徴案件であり,50周年記念事業の中心となっており,今後,文化・知的交流をリードするシンガポールを発信拠点として,JCCが更に進化・発展することを期待する旨述べました。続いて,安倍総理大臣から,文化,科学技術・学術交流分野での協力進展を評価する,JETプログラムの訪日300名達成,今般の「東南アジア青年の船」のシンガポール寄港,本年10月の医療分野での共同研究の覚書や今般の大学間の覚書の署名を歓迎する旨述べました。さらに,安倍総理大臣から,共同記念切手の発行やシンガポールに対するODAについての国際協力機構(JICA)による記念冊子の作成等の50周年記念事業を礎に,次の半世紀に向けて,両国関係を次の高みに引き上げていきたい旨述べました。
これに対して,タン大統領から,日本文化への関心が高まる中でJCCの時代に適った活動を評価している,科学技術・学術交流分野での協力の進展を歓迎する旨述べました。
(4)また,両首脳は,地域の平和と安定についても意見交換を行い,南シナ海問題における紛争の平和的解決の重要性や,北朝鮮の挑発行動に対して,関連決議の厳格な履行等を通じ国際社会が連携して圧力を強化する必要性等を確認しました。さらに,両首脳は,自由貿易の流れを逆行させないよう,TPPの早期発効,東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉の妥結に向けて協力していくことで一致しました。
2 文書署名・交換式,共同記者発表
(1)文書署名・交換式
両首脳立ち会いの下,以下の関連文書の署名・交換が行われました(アからウは署名,エは交換した文書)。
- ア 新規生体医療及び医療用ポリマー開発に係る共同研究に関する南洋理工大学と株式会社「日本触媒」の覚書
- イ 神戸大学と南洋理工大学との大学間学術交流協定
- ウ 京都大学大学院経営管理研究部とシンガポール経営大学との間の学術交流協定
- エ 共同記念切手の発行に関する日本郵便とシンガポール・ポストとの間の覚書
(2)共同記者発表
挨拶する安倍総理大臣
(写真提供:内閣広報室)
(写真提供:内閣広報室)
文書署名・交換式後,両首脳は,共同記者発表を行いました。