タイ王国
岸田外務大臣によるプラユット・タイ首相表敬
5月2日(月曜日),タイ訪問中の岸田文雄外務大臣は,プラユット・ジャンオーチャー(H.E. Mr. Prayuth Chan-o-cha)タイ王国首相へ午前8時30分から約70分間,表敬訪問を行ったところ,概要は以下の通り。
1 冒頭
プラユット首相より,日タイ関係は緊密であり,来年は修好130周年を迎える,王室レベルから国民レベルの交流も盛んであり,交流の一層の緊密化を期待する,また熊本地震の被災者にはお見舞いを申し上げたい,日本の要請があればタイ政府として支援の用意がある,9月のラオスでのASEAN関連首脳会議の際,安倍総理が参加されるのであれば,その際是非タイにも立ち寄っていただきたい旨述べました。
これに対し岸田大臣より,初めてとなるタイ訪問に際してプラユット首相との面会の機会を得たことを嬉しく思う旨述べ,両国間の関係強化のモメンタムの維持・強化への希望を伝え,熊本地震の発生に際してタイ側から示されたお見舞いと支援の申し出に感謝する旨述べました。また安倍総理への招待については総理にお伝えする旨述べました。
2 二国間関係
プラユット首相より,日タイ間の協力は現政権の下,様々な分野で進展しており,タイへの協力にお礼申し上げたい,日本企業におかれては心配は無用,タイは日本企業に最善の対応を行っている,自分は日本の経済界の方と会う機会が多く,日本企業がいかなる問題に直面し,懸念しているかにつき常に耳を傾けている,日本から多大な投資を頂いていること御礼申し上げたい旨述べました。また,タイの成長戦略に関し,日本からアドバイスをいただければ幸い,タイの発展のため鉄道協力を進展させたい,ダウェー開発は日本・ミャンマー・タイの3か国協力を約束しておりしっかり進めていきたい,日本側によるタイのマンゴー輸入解禁に感謝,日本からの柑橘類の輸入についても新たに解禁された,日本の食べ物はタイでは大変人気である旨述べました。
これに対し岸田大臣より,タイ国内の鉄道整備計画への日本企業の参画を歓迎し,他のインフラ分野でも日本の知見と経験がタイの発展に貢献できると確信しており,タイ政府の取組みに対し,日本政府としてきめ細かい協力を引続き行っていきたい旨伝えました。また,昨年7月の日タイ首脳会談で合意された農業分野での協力に関する意図表明覚書について,前日(1日)にドーン外務大臣との間で署名した旨述べました。またタイの成長戦略に関しては今後の検討について中身を見ながら考えていきたい,ダウェーについては合意通り進めていきたい旨述べました。さらに本日のチュラロンコン大学におけるスピーチでタイとメコン地域の発展のため「日メコン連結性イニシアティブ」を立ち上げる旨を説明し,プラユット首相から賛同を得ました。
3 タイ国内情勢
プラユット首相より,タイは政治改革・民主化に向け全力で努力,8月の国民投票ではさらに前進するため努力していきたい,日本はタイの親友であり,タイは日本の政治・民主主義から学びたいと考えている旨述べました。 これに対し岸田大臣より,プラユット首相が国の発展のため努力されていることに敬意を表す,新憲法草案の国民投票が8月に予定されていると承知,民政復帰のプロセスが進むことを期待する旨述べました。