ラオス人民民主共和国

令和2年8月23日

 8月23日、茂木敏充外務大臣は、ラオス政府要人と会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 日・ラオス外相会談

日・ラオス外相会談

 23日午後2時(現地時間)から約1時間15分、茂木外務大臣は、サルムサイ・コンマシット外務大臣(H.E. Saleumxay Kommasith, Minister of Foreign Affairs, Lao People’s Democratic Republic)と日ラオス外相会談を実施しました。

(1)茂木大臣から、本年は、日・ラオス外交関係樹立65周年及び戦略的パートナーシップ5周年の節目の年であり、今後、幅広い分野で両国間の戦略的パートナーシップを一層緊密化したい旨述べました。 これに対して、サルムサイ大臣から、新型コロナ感染が拡大する中で、日本の外務大臣をお迎えできることは喜ばしい。また、日本の支援もあり新型コロナ感染が抑えられており、日本国民が感染防止に取り組む中で、ラオスに支援いただいていることに感謝したいとの発言がありました。

(2)両外相は、入国後14日間の自宅等待機は維持しつつ、双方向の長期滞在者の往来を可能とする「レジデンストラック」を9月上旬にも開始することに合意しました。また、入国後14日間についても、行動範囲を限定した形でビジネス活動が可能となる「ビジネストラック」についても、早期の運用開始に向けて、外交ルートでの調整を加速化させることで一致しました。
 あわせて茂木大臣から、ラオスからの国費留学生の早期入国を認めることを決定した旨伝達し、先方から謝意が表されました。

(3)茂木大臣から、来年始まるラオスの次期国家社会経済開発計画について、財政安定化、質の高い成長、感染症対策・災害対策など、実行的な計画策定に向け、一層貢献していく旨述べました。また、東西経済回廊を含め連結性強化を引き続き支援していく旨述べました。
 これに対して、サルムサイ外相から、長年にわたる日本からの支援に対して、ラオス政府及び国民を代表して謝意が表明されたほか、ラオスにおける日本企業の質の高い投資を高く評価する、日本企業のラオスへのさらなる進出を期待する旨述べました。

(4)会談後、両外相の出席の下、ラオス国内8か所の教員養成校とその附属校の施設・機材整備、及びビエンチャン市内等を走る新しい路線バスの供与にかかる2つの無償資金協力に関する交換公文の署名・交換、及び新型コロナウイルス対策に資する医療関連機材の引渡式が行われました

2 トンルン・シースリット首相への表敬

トンルン・シースリット首相への表敬

 23日午後3時30分(現地時間)から約45分間、茂木外務大臣は、トンルン・シースリット首相(H.E. Dr. Thongloun Sisoulith, Prime Minister, Lao People’s Democratic Republic)を表敬しました。

(1)茂木大臣から、訪問受入れへの謝意を表明するとともに、トンルン首相の指導力の下、国民が一致団結して新型コロナウイルス感染を抑えていることに敬意を表する旨述べました。
 これに対し、トンルン首相から、新型コロナ感染拡大の中で茂木大臣がラオスを訪問したことへの歓迎、日本からラオスに対する新型コロナウイルス対策支援への謝意が表明されました。

(2)茂木大臣から、表敬に先だって行われた外相会談において協議された両国の人の往来再開に向けた議論について述べ、トンルン首相から支持が示されました。

(3)茂木大臣とトンルン首相は、両国の戦略パートナーシップの更なる強化のほか、南シナ海問題や北朝鮮情勢等の地域情勢や国際社会における協力についても意見交換を行いました。また、茂木大臣から拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を求め、トンルン首相から支持が得られました。

3 日・ラオス外相ワーキングディナー

日・ラオス外相ワーキングディナー

 23日午後6時30分(現地時間)より約2時間、ラオス人民民主共和国を訪問中の茂木敏充外務大臣は、サルムサイ・コンマシット外務大臣(H.E. Saleumxay Kommasith, Minister of Foreign Affairs, Lao People’s Democratic Republic)との間で、ワーキングディナーを行ったところ、概要は以下のとおりです。

(1)茂木大臣から、夕食会の開催を含め今次訪問に際してのラオス側の歓迎に謝意を表明し、日ラオス外相会談後に行ったトンルン首相表敬において、有意義な意見交換を行うことができた旨述べました。サルムサイ外相からは、新型コロナ拡大の中で茂木大臣を海外からの初めての要人として迎えることはとても光栄なことであり、これまでの良好な二国間関係をこの訪問を機会として更に発展させていきたいと述べました。

(2)両外相は、南シナ海情勢や北朝鮮情勢等の地域・国際情勢について意見を交わし、両国の協力を深化させていくことを確認しました。また、茂木大臣から拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を求め、支持を得ました。

(3)両外相は、「自由で開かれたインド太平洋」とASEANのインド太平洋アウトルックのシナジー実現に向けた協力や日メコン協力の枠組の下での今後の協力の展望をはじめ,国際場裏における日ラオス間の協力についても意見交換し、今後行われるASEAN関連会合において連携していくことで一致しました。

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