報道発表
第1回日・ブラジル外相戦略対話
令和8年5月18日
5月18日、午後6時20分から約120分間、茂木敏充外務大臣は、マウロ・ヴィエイラ・ブラジル外務大臣との間で、2025年の「日・ブラジル戦略的グローバル・パートナーシップ・アクション・プラン2025-2030」に基づいて、「日・ブラジル外相対話」から格上げされた「日・ブラジル外相戦略対話」を初開催しました。
また、今次戦略対話の機会に、両大臣は「海外における自国民保護に関する日・ブラジル協力覚書」及び「障害者の包摂のための保健サービス促進及び改善プロジェクト」の補足取極への署名を行いました。さらに、両大臣は、今般、森林保全及び劣化牧野回復に関する2件の技術協力の実施が決定されたことを歓迎しました。
1 冒頭発言
冒頭、茂木大臣から、ヴィエイラ外相の訪日を歓迎するとともに、ブラジルは世界最大の日系社会を有し、価値や原則を共有する「戦略的グローバル・パートナー」であり、初めてとなる外相戦略対話を通じて、関係強化の基盤を作り上げたいたい旨述べました。ヴィエイラ外相は、今次訪日における歓迎に対する謝意を表明するとともに、「戦略的グローバル・パートナーシップ」の下、二国間関係を一層強化していきたい旨述べました。
2 二国間関係
- 両大臣は、昨年3月のルーラ大統領国賓訪日時に発出されたアクション・プランの着実な実施を通じて、様々な分野において二国間関係が深化していることを確認するとともに、引き続きアクション・プランに基づき連携していくことで一致しました。
- 両大臣は、日本とブラジルの間の貿易・投資関係を一層強化し、経済関係を更なる高みに引き上げることを確認しました。両大臣は、「日・メルコスール戦略的パートナーシップ枠組み」の下での議論の進展を歓迎し、今後、日本とメルコスールの間で枠組みの下での議論の総括を行うことを確認しました。
- 茂木大臣から、両国の関係は重要鉱物のサプライチェーン多角化やエネルギー・食料安全保障の観点から大きなポテンシャルがあることに言及した上で、両国の更なる経済協力強化への期待を述べました。ヴィエイラ外相からは、茂木大臣の発言に賛意を示した上で、現下の国際情勢にかんがみ、日本におけるブラジル産原油の調達について、建設的な協議を行っていく用意があるとの意向が示されました。
- また、茂木大臣は、今般実施が決定された森林保全及び劣化牧野回復に関する技術協力は、昨年発表されたオファー型協力にも位置づけられるものであり、引き続きこれらの分野での協力を進めるとともに、「中南米グリーン投資イニシアティブ」(通称「MIDORI」)を通じて気候変動・地球環境分野でも協力していく旨述べました。ヴィエイラ外相からは、日本の協力に対する謝意と、気候変動対策に向けた更なる連携への意欲が表明されました。
- 両大臣はまた、パリ協定の目標に沿って、エネルギー安定供給の確保、経済成長の実現及び脱炭素化の促進を同時に推進する努力において、相互に合意された方法と手順の下で二国間クレジット(JCM)を構築する可能性を視野に入れ、炭素市場における二国間連携と協力を推進するための協議を継続することに合意しました。
- 両大臣は、今般署名された「海外における自国民保護に関する日・ブラジル協力覚書」を踏まえて、海外における自国民保護に関し、平時からの情報共有や緊急時における相互協力を一層強化することで一致しました。
3 地域情勢・国際場裡における協力
- 茂木大臣から、自由で開かれたインド太平洋(FOIP)の進化について説明した上で、両大臣は、現下の東アジア情勢や中東情勢といった国際社会の諸課題についても議論し、両国で、引き続き緊密に連携していくことで一致しました。
- 両大臣は、安保理改革の具体的な進展に向けてG4で引き続き連携していくことを確認しました。
(参考2)技術協力3件の概要
- 障害者の包摂のための保健サービス促進及び改善プロジェクト:
障害者、行政官、医療従事者の連携強化や障害者の情報収集のプロセスの確立、障害者に適切な保健サービスを提供するための関係者の能力強化等により、障害インクルーシブな保健サービス提供のための基盤を整備するもの。 - ブラジル法定アマゾンにおける先進技術による森林モニタリング及び回復のための能力強化プロジェクト:
ブラジル法定アマゾン地域において、森林減少検知・予測システムの強化、森林再生モニタリングシステムの構築、および、森林再生手法の特定を行うことにより、法定アマゾンの森林再生の促進を図るもの。 - セラード地域における劣化牧野回復及び持続的な農地転換プロジェクト:
セラード地域における日伯間の研究協力と官民連携を通じ、劣化牧野のモニタリング・分析手法の開発や劣化牧野の回復・持続的な農地転換に資する技術開発を行うことにより、データ基盤と運用体制を構築し、同地域の天然資源や環境と整合した農業開発に寄与するもの。

