報道発表
「国際社会の持続可能性に関する有識者懇談会」第3回会合の開催(結果)
令和6年7月22日


7月22日、外務省において、上川陽子外務大臣の出席の下、「国際社会の持続可能性に関する有識者懇談会」第3回会合が開催されました。
- 冒頭、上川大臣から、第2回会合では、産業界の立場から、我が国の持続的な成長について重要な視点が提起され、成長と持続可能性を同時に実現していくためのアプローチのフレームワークを少しずつ固めることができた点に触れ、第3回会合においては、持続可能性をめぐる様々な分野における国際社会の動向に視野を広げつつ、我が国の取組の方向性を考えるべく、クリエイティブに議論を進めていきたい旨述べました。
- 日比野克彦委員(東京藝術大学学長)から、複雑な社会課題や環境問題を克服するため、アートによる文化的処方を拡大・発展させ、「こころの産業」を創出することで、誰も取り残さない共生社会を実現すべきである旨の発表がありました。また、粟生木千佳委員(地球環境戦略研究機関(IGES)主任研究員)から、複雑化する天然資源をめぐる国際社会の課題に触れつつ、消費と生産のパターンを変える循環経済の重要性および我が国の貢献のあり方について発表がありました。さらに、小山堅委員(日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員)から、不透明さを増す国際社会のエネルギー情勢の現実と理想とのギャップをしっかりと見据えた上で、戦略的にエネルギー転換に取り組んでいくべきである旨の発表がありました。
- 以上を受け、各出席者から、日比野委員、粟生木委員、小山委員からの発表を含め、我が国の持続的成長と国際社会全体の持続可能性を確保していくことができるような我が国自身の経済・社会像について自由闊達な議論が行われ、幅広い見方が示されました。
(参考1)有識者懇談会委員(50音順)
- 粟生木 千佳 地球環境戦略研究機関(IGES)主任研究員(中央環境審議会委員)
- 勝野 哲 中部電力株式会社代表取締役会長(第109代電気学会会長、元電気事業連合会会長、GX実行会議構成員、東芝取締役)
- 小谷 元子 東北大学理事・副学長(外務大臣次席科学技術顧問、国連「10人委員会」メンバー)
- 小山 堅 日本エネルギー経済研究所専務理事・首席研究員
- 近藤 英里奈 G7/G20 Youth Japanメンバー(次世代のSDGs推進プラットフォーム会合ステアリングコミッティ構成員)
- 諏訪 貴子 ダイヤ精機株式会社代表取締役社長( 「新しい資本主義」有識者、中小企業政策審議会委員、内閣官房 国・行政のあり方に関する懇談会委員)
- 高村 ゆかり 東京大学未来ビジョン研究センター教授(中央環境審議会 会長、日本学術会議第25期副会長)
- 出口 康夫 京都大学大学院文学研究科研究科長・哲学専修 教授(京都哲学研究所 代表理事)
- 日比野 克彦 東京藝術大学 学長(文化庁文化審議会委員)
- 広井 良典 京都大学 人と社会の未来研究院 教授
(参考2)別添